あっぷりノート

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【解説】ランニングで「ピッチ」を上げる効果と3つのコツ

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こんな方にオススメの記事
  • なかなか走るスピードが上げられない

  • 速く走ると脹ら脛やスネが痛くなる

  • ピッチ(歩数)を速く回してみてはどうでしょうか?

    脚へのダメージを軽減しながら、スピードを上げていくことができますよ。


    ということで、今回は

    • 低ピッチがもたらす問題点
    • ピッチを上げる効果
    • ハイピッチを維持するコツ
    をご紹介します。

    さらなる高みへ飛躍できること、うけあいです!


    「ピッチ」とは何か?

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    ランニングにおける「ピッチ」とは

    1分当たりの歩数のこと
    を云います。


    ケイデンス」と呼ばれることもあり、単位は「spm(step per minute)」です。

    1分間で着地音の「タッ、トッ、タッ、トッ…」が150回であれば、150spmというような使われ方をします。

    ストライドとの関係

    ランニング時のペースは

    • ピッチ(歩数)× ストライド(歩幅)

    で表現できるため、より速く走るにはピッチを速く回すか、ストライドを大きく広げるかのどちらかになります。


    ピッチを多く回す走り方を「ピッチ走法」、ストライドをより伸ばす走り方を「ストライド走法」と呼んだりしますが、たいていは

    • ジョギングしているときは、ピッチはゆっくり・ストライドは狭め
    • ダッシュするときは、ピッチは速く・ストライドは広め

    というように、意識せずとも自ずとそういう動きになっているはずです。


    今回は、そのピッチを速めようという話です。

    ピッチが遅いことの問題点

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    ピッチが遅いと

    • 足の接地時間が長くなり、脚への負担が増大する
    • 上下動が増えて前へ進むエネルギーをロスする
    • 結果的に速く走れない
    と良いことがありません。

    脚にもダメージが残るし、タイムも伸びないんです。


    マラソン速い人って、走り終えたあとピンピンしてるじゃないですか?

    これ、脚のダメージを最小限に抑えつつ、効率よく重心移動ができる、高速ピッチによるところが大きいのです。

    理想のピッチは?

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    マラソンランナーのピッチは一般的に180spm〜200spmくらいと云われています。

    ランニング初心者だと150spmくらいだったりするので、それに比べればハイピッチかもしれません。


    でも、小股でもいいのでチャレンジしてみると分かりますが、180spmくらいなら決して不可能なピッチではないのです。

    意識すればなんとかついていけると思います。


    一方、ストライドをエリートランナー並みに広げようとするとかなり異次元の領域に達します。

    身長の90%前後でしのぎを削る世界ですからね。


    これやろうとするとカンタンに怪我できます。

    ストライドは無理するとヤバイです。


    でも、ピッチなら手が届きます

    これが「ピッチに速く回そう」と提言している所以です。

    自分のピッチを知ろう

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    理想のピッチを知ったところで、次は自分のピッチを確認してみましょう。

    メトロノーム

    音楽のテンポ(bpm)とランニングのピッチはほぼ同義です。

    1分あたりの拍数を指すので。


    テンポを計測するために、一家に一台メトロノーム!と云いたいところですが、なくても大丈夫。

    今やスマホアプリでも確認できますし、今すぐに確認したい!という方は、下記の「オンラインメトロノーム」でご確認あれ。

    走ってるときに鳴らせばなんとなく自分のピッチがわかります。

    ランニングウォッチ

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    もっと正確に測りたい場合は、ランニングウォッチに頼るといいでしょう。

    たとえば、GARMINウォッチなんかは走りながらピッチを表示する機能があります。

    • トレーニング設定 > トレーニングページ > ピッチ

    スマホアプリ

    スマホアプリでも(リアルタイムでは分かりませんが)後からふりかえることができます。

    たとえば、Runkeeper

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    無料でここまでできるのはすごい。


    先ほどのGARMINウォッチと同期できるGarmin Connect

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    GARMIN SPORTSでは、ラップ毎の平均ピッチも分かりますよ。


    往々にして

    • ゆっくり走っているときは、ピッチが少ない
    • 速いときはピッチが多い

    という傾向になるはずです。

    ほとんどピッチに変化がないと云う方は「ストライド型ランナー」の可能性が高いです。

    ピッチを上げる効果

    自分のピッチがもし低ければ、極端でなくて構わないので5spmくらい上げる意識を持ってみましょう。

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    私は何も意識しないと165~175spmくらいのピッチで走っていました。

    しかし、とあることをきっかけにピッチを高速で刻むことを意識するようになり、以下のような効果を実感するようになりました。

    • 足のダメージ緩和
    • ペースの安定
    • タイム向上
    • 下り坂の負荷軽減
    • 失速の抑制
    • 向かい風への対抗

    詳しく解説していきましょう。

    足のダメージ緩和

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    ピッチを上げることで私が最もありがたみを実感でき、皆さんに推したいのは

    脚(特に小さい筋肉)への負担が少なくなること
    です。

    接地時間が短い→足で体重を支える時間が短い→すなわち受ける衝撃が小さくなります。

    また、接地してから地面を蹴る動作がなくなるため、エネルギーをロスしにくくなります。


    一方、ストライドに頼ろうとすると、故障のリスクが上がります。

    足を伸ばした結果、かかと着地になって膝を痛めたり、クッションとなるふくらはぎや脛にダメージが蓄積しやすくなるからです。


    今まさにアキレス腱痛に喘いでいますが、ピッチを意識することで、悪化することなく走れています。

    ペースの安定

    一定のリズムで刻み続けることは、ペースの安定、すなわち疲労の抑制をもたらしてくれます。

    ペースが不安定だとものすごく疲れるからです。


    あえて緩急をつける変化走というトレーニングがあるくらいなので、負担なく走るにはペースは一定であるに越したことはありません。

    目標タイムを狙うレースやTTだけでなく、閾値走やインターバル走などの設定ペースを守るトレーニングにも活用していきましょう。

    タイム向上

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    ピッチを高速で刻むことメリットをまとめると

    脚へのダメージが少ない × ペースが安定する = 総じてスピードが出しやすい

    という公式が成り立ちます。


    初めてピッチを意識したのは、クーパーテストという12分全力疾走する苦行を行っているときに、脛が痛くなったのがきっかけでした。

    高ピッチを意識することで、痛みを伴うことなく自己記録をグングン伸ばすことができました。


    特に3kmや5kmなどの短い距離を全力で走るような場合は重宝します。

    ひたすらピッチに集中することで、少ない労力で良い結果をたぐり寄せられるのです。

    下り坂の負荷軽減

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    坂道を下るとき、ラクかと思いきや意外と接地ダメージを受けているものです。

    そのとき、ピッチ走法に切り替えることで、衝撃を分散しながら走ることができるようになります。


    やってみるとわかりますが、ストライド(歩幅)を大きくすると強烈な着地衝撃をうけますが、ストライドを狭めてその分ピッチを上げれば衝撃を抑えながら同じペースで走行できます。

    これはホントに試してみてほしいです。


    私がピッチを意識し始めたのはまさに峠走の下りで肉離れを起こしてから(ケガばっかだなw)。

    このピッチ走法を身につけたことで、私はいびがわマラソンの難コースで初めてサブ4を達成できました。

    失速の抑制

    速いピッチはハーフマラソンやフルマラソン等、持久力がものを云うようなレースの場合にも重宝します。


    終盤で腰が落ちてしまいそうなときも、ピッチだけでも高回転させておけば腰が落ちきる前に接地できるので、重心を高く保ちやすいです。

    重心が下がらなければ、ムダに脚で蹴る必要がないので、比較的ラクに前へ進めます。


    また、使うのも股関節周りからハムストリング(腿裏)という大きな筋肉なので、疲れにくいというメリットもあります。

    歩くと攣りそうでも、小刻みにピッチを刻むと意外と耐えられるんです。


    また、ピッチを戦略的に使うのもありです。

    疲労が蓄積してくると得てしてストライドが縮んでくるので、後半はストライドを狭める代わりにピッチを増やしてカバーするという走法もエリートランナーたちが実際に使っている戦略です。

    向かい風への対抗

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    向かい風に立ち向かうとき、滞空時間が長いと強風に押し戻されてしまいます。

    なので、風が強いときはできるだけ地に脚をつけて、上下運動をすくなく走ることが大事です。


    そういう意味で、ピッチ走法は向いています。

    ストライド走法のランナーも向かい風対策にはピッチ走法をぜひ試していただきたいです。

    速いピッチを維持するコツ

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    短距離にも、長距離にも、下り坂にも、向かい風にも、めちゃくちゃ使い勝手の良いピッチ走法。

    わかっちゃいるけど、そのピッチを維持するのがむずかしいんだよね、という方にコツを3つご紹介いたします。

    • ランニングウォッチ
    • 脳内BGM
    • シューズ

    ランニングウォッチ

    先ほど紹介したように、ランニングウォッチにピッチを表示したまま走ることでいつでも確認することができます。

    ただ、常に意識するのも大変です。


    そんなときに役立つのが「アラート機能」。

    以下、GARMIN 230Jの例です。

    • トレーニング設定 > アラート > 新規追加 > ピッチ

    設定した範囲からピッチが外れると、「速い」「遅い」と通報してくれます。

    最初は範囲を緩めにしておき、徐々にシビアにしてみましょう。

    脳内BGM

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    設定したピッチを安定的に刻むためのベスト・オブ・ベストは脳内BGMに頼ることです。

    先ほどメトロノームのところで、音楽のリズムとランニングのピッチは同義だと話しました。


    ランニング中のBGMに頼ることで絶対的なピッチを刻めるようになるのです。

    詳しくは上記記事を参考にしていただきたいですが、たとえばこんな曲目をオススメしています。


    BPM 曲名 アーティスト名
    180 誘惑 GLAY
    180 Emerald Sword Rhapsody of Fire
    182 I WANT OUT HELLOWEEN
    183 Daddy, Brother, Lover, Little boy MR.BIG
    183 Silent Jealousy X
    186 american idiot GREEN DAY
    190 STORM LUNA SEA
    191 Still Waiting SUM41


    BPM 曲名 ゲームタイトル
    180 ビッグブリッヂの死闘 FF5
    182 ウッドマン ステージ ロックマン2
    206 Moon Over the Castle グランツーリスモ

    一人で走っていたとしても誰かが引っぱってくれている、後ろからケツを叩いてくれているという感覚になれます。

    「脳内」であるのは、何も道具が要らないからw


    イヤホン派の方は目標とするピッチのプレイリストを作って、実際にテンポを感じながら走ると良いです。

    驚くほどキレイにピッチを刻めますよ。

    シューズ

    実はランニングシューズにもピッチ向きとストライド向きがあります。

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    今春、asics社が

    • ピッチ型向けの「METASPEED Edge
    • ストライド型向けの「METASPEED Sky
    の2種類を発売したことで、少し話題にもなりましたね。


    一般的に

    • ソール厚は全体的に薄い
    • ドロップ(カカトからつま先の傾斜差)が大きい
    • アウトソールが前後でセパレート(分離)している

    というシューズががピッチ走法に向いています。


    脚へのダメージはピッチ走法で抑えられるので、それよりも着地と同時に自然と前へ転がるような設計になっているのです。

    私の愛用しているDSトレーナー(asics)もピッチ走法に向いています。

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    むしろこのシューズを初めて買ったときに「ピッチ走法」という概念を知りました。

    ありがとう、DSトレーナー。

    ハイピッチで走るための5つの注意点

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    もはやいいことづくめのようなピッチ走法ですが、注意点もあるので5つ紹介しておきます。

    自分の適性を知る

    ピッチ走法が向いているか、ストライド走法が向いているかは、結局そのランナーの体格によります。

    ストライド走法が向いているのに無理にピッチを上げる必要はありません。


    一般的にストライドを伸ばすことより、ピッチを上げるほうがハードルが低いので「迷ったらまずはピッチから」くらいの感覚で意識してみてください。

    カッコよくはない

    ピッチ走法は、みんなが憧れるストライドの広ーいダイナミックな走りとは対極にある走りです。

    高回転でジョグすると、歩幅は1mにも満たなくなったりしますからね。


    ペースによっては小走りしてるようなフォームになっちゃいます。

    鏡を見てガッカリしないように覚悟してくださいw

    心拍が上がりやすい

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    やってみると分かりますが、股関節周りの大きい筋肉をたくさん動かすので、走るペースは速くなくても、息が上がりやすくなります

    ある意味、強度を上げずに刺激が入れられるということでもありますが。


    慣れないうちは、5spm~10spmくらいの範囲で徐々に上げていくと良いでしょう。

    足がもつれて転ばないように注意してください。

    脚をつけ根から回す

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    歩数の速さを意識するあまりに脚が上がらなくなってしまうと、着地が速すぎてブレーキがかかってしまいます

    ソールが削れちゃうし、踏み込んでからまた蹴るというエネルギーをロスする動作になってしまうのです。


    小股でも、脚のつけ根からしっかり足を動かしましょう。

    コツは自転車のペダルを漕ぐように、脚を回す感覚です。

    直線上に接地する

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    ピッチを速く回すとはいえ、足を進行方向の一直線上に接地するように心がけましょう。

    ピッチを意識しすぎるがあまりに小股になって、足をカラダの横に接地してしまうと負荷が偏って足にかかってしまいます。


    私は以前それで「有痛性外脛骨」というくるぶしの下が痛くて走れなくなってしまったことがありました。

    コツは「モンローウォーク」です。(って伝わかるかな…汗)

    さらなる飛躍へ…

    ピッチを速く回せるようになったら、さらにピッチを上げてみましょう。

    • 180spmに慣れてきたら次は190spm…
    • 190spmができるようになったら200spmへ…

    タイムトライアルならぬ「ピッチトライアル(PT)」に挑むのです。


    ペースはジョグでもなんでも良いです。

    ひたすらピッチを上げることに専念します。


    すると、勝手にペースが上がっていくことに気づけます。

    でも、ふだんよりキツくない。


    これがピッチ走法の真髄なのです。

    この境地、ぜひ実感してみてください。

    まとめ

    いいことづくめのピッチ走法。

    期待できる効果は

    • 足のダメージ緩和
    • ペースの安定
    • タイム向上
    • 下り坂の負荷軽減
    • 失速の抑制
    • 向かい風への対抗

    高ピッチを維持するためのコツは

    • ランニングウォッチ
    • 脳内BGM
    • シューズ

    但し、注意点もあります

    • ピッチ走法に向いているか
    • カッコよくはない
    • 心拍が上がりやすい
    • 足裏を引きずらない
    • 直線上に接地する

    ぜひ、高速ピッチを身につけて、さらなる高みを目指してください!


    走る、を創ろう。