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あっぷりノート

大きなお世話を、小さなお世話に。

【書籍】度量の大きいスマートな人間になるための3つの作法

池波正太郎著の『男の作法』を再読した。

男の作法 (新潮文庫)

男の作法 (新潮文庫)


あらためて読んでみると、著者の度量の大きさや謙虚な態度、食や物にたいする品性などがぐいぐい伝わってくる内容となっていた。


残念ながら、食についてはあまり僕の琴線にふれなかったが、それ以外に見習いたい心構えがいくつかあったので、ここに記しておきたい。


前提

まず、人間はつねに矛盾をかかえた生き物であることを受けいれること。


曰く、

人間という生き物は矛盾の塊なんだよ。死ぬがために生まれてきて、死ぬがために毎日飯を食って……


それが理解できてはじめて懐の深い人間になる資格をえられる。


というか、この本を読みすすめる権利をえたようなものである。

ただ理屈でもって全部割り切ってしまおうとすれば、もともと矛盾の存在である人間がつくっている社会の苦痛とか、苦悩とか、苦悶とか、傷痕とかというのはひろがるばかりなんだよ。


もともと矛盾している人間が形成している社会の矛盾を、理屈で一刀両断するとときとしてお互いくるしむことになる。


正論ってやつだ。

要は、その両方をうまく応用してやらなくてはならないということだよ。理論や計算に基づいた厳しい姿勢と、そこにきかせる人間的な融通と、どちらか一方だけではだめなんだよ。


そのバランス感覚がだいじ、ということである。


そうだ、融通無碍というじゃないか。


肩肘はらずにいこう。


懐の深い人間になれる3つの作法

数ある「男の作法」から、なかでも池波氏のようにおおらかでストレスフリーにくらすために、僕が日常にとり入れたい作法を3つピックアップしてみたので紹介したい。

(1)旅行の作法

旅に出て心身を休めるんだったら、観光シーズンに行ったら何にもならないわけだ。絶対休まらないからね。だからシーズンオフを狙って、昔は行ったものですよ。
京都だったら三月になった途端にね、シーズンに入る直前に行くとか、伊豆のほうだったら二月の閑散期に行くとかするわけですよ。
京都なんか十二月が一番いいんです。

(中略 )

梅雨どきに北海道へ行ったら梅雨なんかないからねえ。


時期をずらす、というライフハック


日常的に採りいれているが、巨匠もそうなんですね、ということが再確認できた。


(2)万年筆の作法

万年筆というのは、男が外へ出て持っている場合は、それは男の武器だからねえ。(中略)だから、それに金をはり込むということは一番立派なことだよね。貧乏侍でいても腰の大小はできるだけいいものを差しているということと同じですよ。

(中略)

万年筆と、それから手帳なんかもそうだね。


仕事柄というか、時代なのか、ここ数年で文房具や手帳をまったく持ち歩かなくなってしまった。


万年筆や手帳が武器ではないなら、今の商売道具は何か?


この機会にあらためて見直したいテーマである。


(3)チップの作法

タクシーに乗って、メーターが五百円だったら六百円やる。(中略)百円チップをやることによって、やったほうも気分がいいし、もらったほうも気分がいいんだよ。

(中略)

今度、タクシーに乗ったときにだね、やってごらんなさい。

(中略)

そうすれば、その人がその日一日、ある程度気持ちよく運転出来るんだよ。それで、おおげさかも知れないけど、交通事故防止にもなるんだよ。


タクシーに乗る機会はほとんどないが、感謝の表現手段として「心づけ」という作法があることは頭においておきたい。


むつかしいのは、それをスマートにできるか。


そればかりは場数をふまねばならないとおもうので、まずは「いつ・どこで・誰に・どんなタイミングで・どんな声かけで」渡すべきか常日ごろから覚悟がいるだろう。



***


以上。


明日からすぐに使える!というわけにはいかないが、日常的に意識していざというときにさりげなくこなせるように心づもりしておきたい。

捨てられないアナタに!おすすめの3冊!必要なのは意識改革だけ!

ライフスタイル 書籍

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学生時代、趣味の機材やら片付けられない性格やらで、ゴミ屋敷のような部屋でくらしていた時期があった。


このままではまずいと思い、意識改革のために「整理術」「捨てる技術」系の本を読みあさった。


課題に直面するといつも本にたよってしまう。


ショウペンハウエルに云わせれば「思考の停止」だろうが、停滞や悪化にいたるよりは幾分かはマシだとおもって目を通すことにしているのだ。


その中から3冊、僕の意識を変えてくれた本を紹介したい。


大きなゴミ箱を買いなさい

大きなゴミ箱を買いなさい―幸運とチャンスを呼び込む「捨てる」法則

大きなゴミ箱を買いなさい―幸運とチャンスを呼び込む「捨てる」法則

この本の潔いところは、キラーフレーズを“まえがき”ですでに言い切ってしまっていることである。

「ものが捨てられなくて」という人がいます。そういう人は「捨てること」を「失うこと」だと思っているのかもしれませんね。
でも、そうではありません。むしろ、「新しいチャンスや出会いを呼び込むスペースを作ること」にほかならないのです。

「捨てる!」技術

新装・増補版 「捨てる!」技術 (宝島社新書)

新装・増補版 「捨てる!」技術 (宝島社新書)

「捨てるブーム」の火付け役。あふれるモノへの向き合いかたや具体的な捨てかたまで書いてあるビギナー向けの本。


僕はこの本から2つ学びました。

“いつか”なんてこない
ある一定期間使わないものはおそらくその後も使わない

いくらたくさん収納を作っても、そこは後から後から買い込まれるモノたちですぐに一杯になるだけ(中略)モノが多いから収納法・整理法が必要になる。ものを減らせば方法論に頼るまでもなくなってくるはずだ。

ガラクタ捨てれば自分が見える

ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門 (小学館文庫)

ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門 (小学館文庫)

そして僕イチオシの書籍。


これはホント、人生を変えます。


キラーセンテンスは、

あなたは家を所有していて、銀行には貯金がたくさんあると思っているかもしれませんが、実際はあなた自身の体ですら自分のものではありません。


さすが名著は云うことが違う。


そしてそこまで書くかとおもったのが、排泄のしかた。


和式便所がいかに理にかなっているか、そして快便が精神衛生によいこともわかる。


風水整理術入門」とサブタイトルがついているが、それに惑わされてはならない。



あっぷりへんしょん

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早起き本と同じように、ある程度、原理原則を理解し、生活に適用するとりいれられるようになったら、その本も手放したほうがいい。


本棚をながめては「自分は捨てられない病なんだ」と自己暗示にかかってしまうリスクがあるから。


今回、この3冊を再読して『ガラクタ捨てれば自分が見える』以外はすべて処分した。


この本だけは人生を変えてくれたパワーを持っているので、バイブルとして殿堂入りさせたい。


読書仲間にすすめると高確率で好評をはくすので、機会があればぜひ読んでいただきたい。


仲間のなかには著者のカレン・キングストン氏を「先生」と呼ぶまでになった人もいるくらいだ。


それくらいの影響力は、ある。

早起きできない自分にサヨナラ!早起き指南の本を捨てよう

ライフスタイル 書籍

本棚は自分自身の鑑(かがみ)である。


このたび早起き指南本を捨てることにしたので報告したい。


やりたいことのために早起きする

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寝坊グセのある僕は、早起きにあこがれて、習慣化したくて、睡眠や早起きに関する本を読みあさっていた時期があった。


入眠の儀式だったり、飲み物にこだわったり、濡れタオルを枕元におく、起き抜けにバナナを食べる等々、いくつか処方をためしたことはある。


でも、その一時的なイベント(たとえばバナナを食べること)がおもしろそうで、早起きをしてしまい、それに飽きるともうつづかなくなってしまう。


一定の効果はあるようで、実はまぼろしのようなものでもあった。


そんな中、たどり着いたのが『早朝起業』で出逢ったキラーセンテンスである。


やりたいことのために早起きする。


これが唯一無二の真理だとおもう。


森羅万象のテクニックこそあれ、早起きするための前提条件があり、眠くてもさいごに背中をおしてくれるのは「やりたいこと」が生むモチベーションなのである。


その言葉に出会ってから、早起きして曲をつくったり、本を読んだり、いろいろ試してきた結果、僕はランニングにたどりついた。


ランニングするために早起きできるようになったのだ。


寝不足でも5時に起きようとおもえば起きれるようになったし、自分で起床時間をコントロールできるようになったのである。


指南本は諸刃の剱

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そんなこんなで、もう早起き指南本をたよる必要がなくなった。


が、それらの本たちをこのまま本棚にねむらせておくと、また寝坊グセのある自分に舞いもどってしまいそうなの気がする。


本棚は本人を映す鑑(かがみ)である。


本棚を見て「ああ、この人はこういうことに興味があるのか」ということもわかる反面、「こんなことに悩んでるのか」ということもみえてしまう。


「朝起きるのがつらいんだな」とあわれみの目でみられてしまう。


そして、自分で目にしたときには「ああ、オレって朝起きるの苦手なんだよな」という自己暗示にかかってしまう。


目に毒だ。


だからそういう本は手放したほうがいい。


もちろん、ありがとうございましたの御礼をこめて


書き込みが多くてリサイクルにも出せないので、ゴミ袋にそっと供養させていたはだいた。



次は「すぐやる人」指南の本を手放せるようになりたい。


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▲これ系の書籍もそこそこあります

雑務に付加価値を!できる男はタイヤを磨きあげる

ライフスタイル ガジェット/文具

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12月になったのでタイヤ交換をした。


スタッドレスに。


大垣はいつ雪が降るかわからないので、念のため早めにかえておく。


もちろん自力でかえる。


店でたのむと4本で2000円~4000円もとられる。 


ボロい商売である。


が、自力のタイヤ交換には支出の節約というよりもほかに大義がある。


それは「パパ、かっこいい」と云わせたいだけ。


それに尽きる。


パパの尊厳をたもつために年に2回、そうすり込むことに意義がある。


それがなければ今ごろ、本当にナメられてたんじゃないかと不安になるのだ。



タイヤ交換後は、ワックスで磨き上げよう

タイヤを交換して終わりでは単なる作業員でおわってしまう。


どうせ自分でやるなら、それによる価値をつけ加えておきたい。


そこで思いつくのが「磨くこと」である。


単に洗うのではなく、磨きあげるのである。


できる男は靴にこだわるように、足元をおろそかにしない。


靴をみがくのと同じように、クルマの足元であるタイヤも磨くのだ。


カッコいいクルマってだいたい、タイヤが黒光りしているだろう。


だから、磨くことは歓迎されうる付加価値なのである。


ということで、タイヤ用のワックス「シュアラスター S-67」を入手。

SurLuster(シュアラスター) タイヤワックス (S-67)

SurLuster(シュアラスター) タイヤワックス (S-67)

▲タイヤ用ワックスは、Amazonのベストセラー1位をえらびました



もちろん見た目だけではない、磨くことにはタイヤの性能にだって効果がある。


そんなタイヤ用ワックスの効用や商品レビューはこちら↓

http://munchen-stil.com/blog/surluster-tire-wax.htmlシュアラスターのタイヤワックスS-67が超おすすめ!タイヤに上品な黒が蘇る! |




使い方は有名ユーチューバーもレビューしているので、こちらを参考にされたし。


評価の高いタイヤ用ワックス使ってみた!



何がいいって、専用スポンジがついてて塗りやすいのである。



あっぷりへんしょん

雑用を云われたとおりこなすだけでは付加価値はうまれない。


そんなようなことを稲盛和夫大前研一がいっていたような気がする。


つねに創造性やプラスアルファをかんがえていきたい。


おなじ理屈で、包丁も単にあらうだけではなく、ついでに研ぐとよろこばれたりするのでオススメである。


▲砥石もAmazonでベストセラーを買いました

【保存版】まだ読んだことがない方へ!これで『思考は現実化する』を読んだ気になっておこう

書籍

あっ!という間に11月が終わってしまった。


11月は「読書月間」だと勝手に銘打ち、

・読書術にかんする本
・「思考は現実化する」

をメインによんできた。


が、『思考は現実化する』は分厚い本なので、一気に精読できなかった。


しかも反復して読みこまないと、そのエッセンスをじゅうぶんに消化することはむずかしいとおもう。


そんな前提のもと、それでも短期間に役立つことを抽出したい ──


と、かんがえてしまうのが、人間(僕)のワガママなところである。


一週間たらずではあるが、拾い読みして得たエッセンスをかんたんにまとめてみたので、ご紹介しよう。


■「願望」と「忍耐」が成功のキーワード

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思考を現実化するにあたり、まずさだめるべきは「願望」である。


すべては願望からはじまる。


これがないと何もはじまらない。


その願望をかなえることこそ、思考を現実化することである。


そして、その願望の達成を「成功」とよぶ。


願望をかなえるには、深層自己説得(自己暗示)が効果的である。


もっとも効果的な深層自己説得の方法は、具体的な願望(代償、期限、計画)を紙に書くこと。


さらにそれを大きな声で読み上げること。


それがカラダ中に浸透してくると「信念」が芽生えはじめる。


信念は願望と結果をつなぐ架け橋である。


信念は願望にたいする意欲をつよめればつよめるのど、太く固くなっていく。


そのために絶えず、深層自己説得をくりかえさねばならない。


信念を強くもっていれば、エンスージアズム(熱意)が発動する。


いわゆる情熱的な人になれる。


エンスージアズムは推進力となり、成功までの可能性を加速させる。


その熱意を維持し高めるためには、たとえば

・大きな声で話をする

・成功のノウハウを日常生活に適用する

・健康に注意する

・積極的(ポジティブ)な心構えを保つ

・服装に気をつける

というようなことを意識すると良い。


また、わすれてはならないのが、成功の黄金律は「自分がしてほしいと思うことは、何よりもまず他人にそうしてあげる」ということである。


成功はひとりでは成しえない。


代償をささげるための他人、報酬を与えてくれる他人、志をともに分かち合う仲間が必要である。


そして、何より大切なのは、「達成するまであきらめないこと」である。


誰でも失敗することはある。


でも、そこでくじけてはならない。


失敗したらあらためて計画を練りなおし、絶えずチャレンジしつづけることが肝要である。


心の中であきらめない限り、永久に敗北はないのだ


その忍耐がだいじなのである。



■あっぷりへんしょん

偉そうに書いてきたが、僕が読んだのは全18章のうちの6章分で、そのなかでもしっかり読めたのは5割にも満たないとおもう。


けれど、「本のなかでも大事なのはたったの2割」という公式にしたがうのであれば、コアな部分はそこそこすくえているのではないかと自負している。


はじめは本の分厚さにひるんでしまいそうになるが、ページをひらいてみるとかなり読みやすい文体だった。


もちろんこれからも何度か読んでいくつもりではあるが、まず一回読んでみてそれなりに読んだ気になれたので、読んだことないけど読んだ気になりたい!というかたには参考にしていただきたい。


もうすこし詳しく知りたいというかたは、過去のエントリーを参照されたし。


思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき

思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき

冬、ランニング前のウォーミングアップで効率よくカラダを温めるコツ

ランニング ライフスタイル

いちど聞いてしまうとぜんぜん大したことではないが、知らない人にとっては大事なことなので先に云っておきたい。


冬、ランニングする前のウォーミングアップは、家の中でするのが良い


準備体操やストレッチなど、いわゆるウォーミングアップは走る前に外でやりがちである。


けれど、外に出る前に、まず家の中ですませてしまう。


ここが全然むつかしくないわりに、意外と効果的なのである。



■冬は走る前にウォーミングアップしたほうが良い

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僕はもともとスロージョギングからランニングをはじめたので、準備運動のようなウォーミングアップはいっさいしてこなかった。


ゆっくり走りはじめると、走ってるうちに自然とカラダがあったまってくるから、それがウォーミングアップも兼ねていた。


でも、マラソンのトレーニングをするようになると、いきなり5kmダッシュとか走りだしたりする。


すると、少なからずストレッチなんかしたりして、カラダを馴らしておきたくなるのだ。


そして今、12月である。


冬である。


大垣の朝は寒い。


かるい柔軟くらいじゃあまりカラダが温まらない。


温まらないまま走りはじめると、ふくらはぎが張ったり股関節が軋んだりする感覚をおぼえることがある。


そのまま無理して走っていいものか、心配になる。


もうすこし準備運動に時間をついやしたほうがいいのではないか。


でも、朝の貴重な時間にそこまで割けない。


同じ時間で効率よくウォーミングアップできないものか。


そこで、行きついたのが「外に出る前に、家中でウォーミングアップをすませてしまう」というライフハックである。


ウォーミングアップの中身は大したことをやっていない。


首・手首・足首をまわしたり、屈伸・伸脚、アキレス腱伸ばしなど体育の授業でやるような、ごくスタンダードなやつである。



ついでにウィンドブレーカーを着こんでやるともっと効率よくカラダを温められる


外に出る前にウィンドブレーカーは家に脱ぎ捨てていけばいいから、走ってる最中に暑くなることもないので、オススメです。

【書籍】村上春樹 直伝!才能を補う2つのチカラは走って鍛えよ

ランニング 書籍

あなたは村上春樹氏の小説が好きですか?

残念ながら僕は、最後まで読み終えられたことがない。

最初はいいかんじで読み進められた『海辺のカフカ』も、空からイワシが降ってきてから頭に入ってこなくなってしまった。

そもそもフィクションがちゃんと読めないので、お呼びでなかったのかもしれない。


翻って、村上氏のエッセイならどうだ。

これはものすごくおもしろい。

『村上朝日堂』や『村上ラヂオ』なんかはおもしろすぎて、一気に読破してしまった。

おもしろい、というか、どことなくかわいいのだ。

エッセイってそういう著者の人間味がかんじられるのがいい。

その人間味をつたえられるハルキムラカミの表現力はやはり、さすがだ、とおもうのである。


村上春樹のエッセイ × ランニング

そんな村上春樹氏のエッセイのなかで、最近気になっていた本を手にいれた。

小説家がマラソンを走る意味、走ることが書くことにもたらす恩恵、ということを書いている『走ることについて語るときに僕の語ること』である。


走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)


2010年発行の本なので、今さら感はあるが、なぜ今さら読んだかといえば、僕も(ハーフだけど)マラソンを走るからである。

いまの僕にとって、「村上春樹のエッセイ × マラソン」というのは非常に魅力的なファクターのくみあわせなのだ。

そして、現に(拾い読みではあるが)読んでみてやはり、おもしろいと感じる部分がいくつかあったので、ここで紹介させていただければと思い、筆をとった次第である。


■鍛えよ!集中力と持続力で才能は補える

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第4章「僕は小説を書く方法の多くを、道路を毎朝走ることから学んできた」では、走ることが小説家(はたまた、それ以外の生業)にどのように役立つかが、淡々とだけどハルキ氏の言葉でしっかりと語られている。

小説家にとってもっとも重要な資質は、言うまでもなく才能である。文学的才能がまったくなければ、どれだけ熱心に努力しても小説家になれないだろう。これは必要な資質というよりはむしろ前提条件だ。

(中略)

しかし才能の問題点は、その量や質がほとんどの場合、持ち主にはうまくコントロールできないところにある。量が足りないからちょっと増量したいなと思っても、節約して小出しにしてできるだけ長く使おうと思っても、そう都合よくはいかない。


そう、才能は天からのギフトであり、往々にして気まぐれなのだ。

よって、そこをどうサポートしていくかが重要である。

才能の次に、小説家にとって何が重要な資質かと問われれば、迷うことなく集中力をあげる。自分の持っている限られた量の才能を、必要な一点に集約して注ぎ込める能力。これがなければ、大事なことは何も達成できない。そしてこの力を有効に用いれば、才能の不足や遍在をある程度補うことができる。

集中力の次に必要なものは持続力だ。一日に三時間か四時間、意識を集中して執筆できたとしても、一週間続けたら疲れ果ててしまったというのでは、長い作品は書けない。


集中力持続力

これは小説家にかぎらず、必要なチカラである。

素質があるのに集中力がない子を見ると、もったいない気がしてしまうし、そんな僕も持続力があるほうではないので、たまに自分を怨めしくおもったりしてしまう。

でも、悲観的になることはない。

このような能力(集中力と持続力)はありがたいことに才能の場合とは違って、トレーニングによって後天的に獲得し、その資質を向上させていくことができる。毎日机の前に座り、意識を一点に注ぎ込む訓練を続けていれば、集中力と持続力は自然に身についてくる。


そう。集中力と持続力は鍛えることで、資質を補える可能性があるのだ。

そこで、走ることにつながっていきます。

これは日々ジョギングを続けることによって、筋力を強化し、ランナーとしての体型を作り上げていくのと同じ種類の作業である。刺激し、持続する。刺激し、持続する。この作業にはもちろん我慢が必要である。しかしそれだけの見返りはある。


日々走ることで、集中力と持続力が鍛えられるというのである。

これは僕にとって大きな後ろ楯になることだろう。

世界の村上がそういうならまちがいない。

僕は走ることで集中力と持続力を高めているんだと、おのれに言い聞かせながら走りたい。

与えられた個々人の限界の中で、少しでも有効に自分を燃焼させていくこと、それがランニングというものの本質だし、それはまた生きることの(そして僕にとってはまた書くことの)メタファーであるのだ。


僕はまだランニングをはじめて1年も満たないが、それでも得たものは多くある。

それに加えて集中力と持続力のオマケ付きである。

これは走り続けるしかないんじゃないか。


才能がない、集中できない、長続きしない…とお悩みのかたは是非「走ること」を検討されてみてはいかがでしょうか。