こんな方にオススメの記事
「自転車SIT」をしてみてはいかがでしょうか。
足に負担をかけずにゼェハァできます。
ということで、今回「自転車SIT」のやり方やメリット・デメリットをご紹介したいとおもいます。
思うように走れなくても、まだ強くなれる可能性が広がることうけあいですよ。
SITとは何か
SIT(スプリント・インターバル・トレーニング)とは何か?
詳しくは上記の記事を参照していただきたいですが、ここではサクッと説明しちゃいます。
SIT(Sprint Interval Training)は和訳すると
- Sprint 短距離ダッシュを
- Interval 周期的に繰り返す
- Training 練習
という解釈になります。
具体的な練習方法は下記のとおり。
- {30秒ダッシュ+2~4分休息}×6~8回
読んで字のごとく「短距離ダッシュを周期的に繰り返す練習」なのです。
めちゃくちゃキツいんですが、たった15分前後の練習時間で極限まで追い込めるので、時間のない市民ランナーにはうってつけなトレーニングです。
効果
SITはスポーツの研究機関でも研究されており、週3回程度のトレーニングで
- 筋力
- 心肺機能
- 競技のパフォーマンス
距離やペースの計測もいらないので、最悪ストップウォッチさえあればできます。
どこでも誰でもできるトレーニングなのです。
何より、練習時間が短いので睡眠時間をたっぷりとれるのがうれしいのでありますw
なぜ自転車を使うのか
SITについてはなんとなく理解いただけたでしょうか。
では次にやり方を説明する前に、「なぜ自転車が良いのか」を説明せねばなりません。
率直に云うと
専門のトレーニングだけでは十分に鍛えられない欠点を補うことが目的。
具体的には以下のようなメリットがあると考えています。
- ケガで走れない代わりになる
- 夏の暑さ対策になる
- 気分転換になる
※もうクロストレーニングは聞き飽きたよ!という方は読み飛ばしちゃってください
ケガで走れない代わりに
自転車はペダルをこぐ運動なので、地面からの着地衝撃をうけません。
よって脚(特に膝から下)へのダメージが少ないのがウリです。
それでいて、お尻や内腿、ハムストリングなどランニングで活躍する筋肉を鍛えられる。
また、ランニングのパフォーマンスを司る最大酸素摂取量(VO2Max)や無酸素性代謝閾値(AT)の改善にも効果があるなど、メリットは盛りだくさん。
膝やふくらはぎ、アキレス腱や脛などを故障しがちなランナーにはありがたいトレーニングなのです。
▼マラソンのための自転車トレーニングについて、この本が詳しいです
夏の暑さ対策に
SITは全力ダッシュなので、暑い時期にやればふつう滝汗をかきます。
しかし、自転車だといくぶんか涼しいんです。
もちろんワークアウト中は汗をかきますが、風を切って漕ぐぶん、風が体温を下げてくれるんだとおもいます。
特にクールダウンで漕いでるときは涼しいですね。
裏をかえせば、冬は寒いですのですが。笑
気分転換に
自転車にかぎらず、トレーニングにいつもと違う道具をとりいれるだけで気分が変わります。
思うように走れないときは、あえて思うように走らないという気構えも必要です。
また、ランのSITで限界を感じていても、自転車に乗りかえることで新しい境地を開拓できる可能性が広がります。
やってみると分かりますが、ランニングとは息の上がり方がかわるので、もしかしたら自転車のほうが追い込めるかもしれません。
自転車SITのやり方
おまたせしました!
自転車トレーニングのメリットはわかった。
いよいよ自転車SITの登場です。
じゃあ、自転車SITはどうやればいいのか?
その設定が、コレだ ──
- {30秒全力+2~4分休息}×6~8回
ん?
・
・
・
一緒やないかァーーーい (( `Д´)≡⊃)`Д゚)グハッ
そう、ランニングのSITと一緒なんです。
ただ、大きな違いもあります。
自転車にはギアチェンジ(変則)の概念があるんです。
おなじ全速力でも
- 重いギアでパワー重視の全速力
- 軽いギアで回転数重視の全速力
- 中間のギアでスピード重視の全速力
これを素人がいきなり絶妙なギアで走るなど、ハードルが高くなってしまいます。
なので、事前に軽く小手調べをしておくなり、走りながら調整するくらいで良いです。
とにかくオールアウト(疲労困憊)するまで全力で漕げればOKだと考えています。
事前準備
さて、自転車SITに臨むにあたり、事前準備をしておきましょう。
GARMINでワークアウト作成
もしランニングウォッチ等でワークアウトが設定できるならやっておきましょう。
私はGARMINの「ForAthelete 230J」で設定しました。
変速ギアの確認
前述したとおり、自転車には変速ギアの概念があるので
- 重いギアで盛りこぎするのか
- 軽いギアでたくさん回すのか
どうすればいちばんゼェハァできるのかよくわかっていませんでした。
ふだん、全速力で漕ぐことなんてないですからね。
私は自転車通勤なので、帰宅途中のあぜ道で2回ほど、30秒の全力漕ぎを試してみました、スーツ姿で。笑
空気入れ
自転車のタイヤに空気を入れておきましょう。
自転車の調子はトレーニングの質を左右します(っていうほど経験ありませんが ^^;)
というのも、自転車トレーニングをはじめる前に空気入れ用の変換アダプターが紛失した経験があったからです。
一般的な空気入れは英式バルブですが、ロードバイクやクロスバイクは仏式バルブなので変換しなければならない。
そのため、急いでホームセンターに買いにいった経験がありました。
「空気入れ」という見出しにしてしまいましたが、要は自転車のメンテナンスは不可欠です。
チェーンが錆びついているようであれば、おもうように高速回転させられませんからね。
逆にブレーキが利くかもちゃんとチェックしておきましょう。
やってみた
おはようございます!
— アオヤマユウキ🌵RECREATIONAL RUNNER (@you_key69) 2021年6月2日
🚴9.5K #朝ライド
・SIT x6
初めて自転車でSIT。まずはギア調節やコース全長を確認しがてら。
今のところ心肺より脚が先にくるのでVO2Maxより筋トレ効果を感じますが、もう少し続けて脚が慣れてくれば、心肺強化に期待できそうです😌
皆さま、良い一日を! pic.twitter.com/VgLyH89lmD
装備
- 自転車 CILVA(BRIDGESTONE)
- ヘルメット VICTGOAL
- シューズ GEL-DS TRAINER23(asics)
ヘルメット以外の基本的な装備はランニングのときと変わりません。
場所
場所は長めの堤防で決行。
堤防なら交差点もなく安全です。
アップがてら8分ほど自転車を走らせて向かいました。
自転車なので自宅から多少離れてても問題なし。
さっそく自転車のアドバンテージを発揮しましたね。
練習内容
- 全速力 30秒
- 休息 90秒
- インターバル数 6回
上記のとおり、設定はランニングのSITと同じです。
奇数回は向かい風で少しスピードが落ち気味。
2本までは余裕でしたが、3本目からジワジワ脚が蝕まれてきます。
ラストはペダルに乗せてる足がプルプル震えるほどオールアウトできました。
私の全力は39.1km/hのようです。
当面の目標は40km/h超かな。
自転車SITの感想
いままでさんざんランではSITをやってきましたが、自転車でのSITは初めてでした。
いくつか自転車ならではのメリットを感じたので、共有させていただきます。
学び
今回学んだのは、私の場合
- ランニングでのSITは「息が切れてもう走れない…」となる
- しかし、自転車の場合は「脚が売り切れてもう漕げない」となる
つまり、
これは伸びしろじゃないでしょうか。
今後が楽しみです。
汗かきにくい
自転車で全速力で漕ぎましたが、滝汗かいてキモチ悪い…という状況は免れられました。
クールダウンでも涼めたおかげで、帰宅してからシャワーを浴びたあと、汗のひきは早かったと感じます。
ランニングの場合、シャワー浴びてもしばらく汗とまりませんからね ^^;
アキレス腱痛まない
私はアキレス腱の故障がきっかけで自転車SITに手を出しました。
アキレス腱が痛んでは意味がないと覚悟して挑みましたが、疼くこともなくやり遂げられたので良かったです。
前傾して足の真裏でペダリングすることで膝から下で使うパワーは削減できますよ。
自転車のメリットを活かせる
自転車だと少し離れた場所まで練習にいけます。
また、ドリンクやスマホなどランニングじゃあまり持ち運びたくないものも自転車なら積んでいけます。
加えて、前述した涼しさとかの恩恵にもあずかれるんですよね。
注意点
故障を防ぎつつ高強度なトレーニングができる自転車SITですが、ランニングにはない注意点もいくつかあります。
チャレンジする前に、頭の中に叩き込んでおいてください。
自転車が要る
ランニングSITといちばん大きな違いは、これ。
自転車がないとはじまりません。
私は通勤用のクロスバイクでやっています。
そもそも自転車に乗るのがニガテなかたはやめておいたほうが良いでしょう ^^;
自転車がない場合
もし
という方にはスピンバイクという選択肢もあります。
スピンバイクは1万円台からあるので、クロスバイクを買うよりかは安い。
雨でも、道路がなくても、事故の危険もないので自転車の欠点がかなり解消されるとおもいます。
スピードに注意する
自転車を全速力で漕ぐと、30~40kmと原付き並みのスピードが出ます。
素人のわたしがやっても40km/h近く出るので、ガチライダーならもっと行くでしょう。
たった30秒とはいえ、自転車の場合はその後も惰性で距離は延びていきます。
ランニングでのSITと違って、12分間、そこれなりの距離を移動することになるので注意が必要です。
安全な道路で行う
ということで次の注意点ですが、自転車で30秒+90秒を走るとなると、それなりに長くて安全な道が必要になります。
今回、念のため1000mくらいの堤防でおこないましたが、ワークアウトの結果を確認すると
- 疾走区間 300m前後
- 休息区間 400m前後
1本あたり、合計で700mくらいの直線がいることがわかりました。
安心安全にトレーニングを行うためにも、交差点がなくて人通りの少ない堤防なんかがオススメです。
夜はキケン
暗闇からキケンがせまっていても急停止できないので、明るい時間帯に行うのが安全です。
人出の少ない早朝ならなおのこと安心だとおもいます。
天候に配慮する
雨の日はやめておくのが賢明です。
ランニングなら最悪濡れてもガマンできますが、自転車だと泥ハネもひどいし、スリップする危険もあります。
冬場など、サイクリングのオフシーズンも避けたようが良さそうですね。
ランニングフォームは鍛えられない
ランニングのための自転車SITであるので、最終的にはちゃんと走って鍛えるようにしましょう。
さすがに腕振りや接地感覚は自転車じゃ養えないので。
あくまでクロストレーニングなので、最終的にはメインのランニングに戻れるように調子を整えていきましょう。
まとめ
足に負担をかけずにゼェハァできる「自転車SIT」。
注意点を守りながら、体力の維持、むしろパワーアップを図りましょう。
走れないのではなく、あえて走らないトレーニングを。
「走る」を創ろう。