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「CVインターバル」とは何か?目的・やり方を解説します【マラソン・トレーニング】

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こんな方にオススメの記事
  • 10kmレースの記録更新を目指している

  • スピードを伸ばしつつ、スタミナもつけたい

  • CVインターバルって何?

  • あまり聞きなれない「CVインターバル」。

    新しい練習を知ることでトレーニングの選択肢が増えます。


    そして、いざという時のセーフティーネットにもなるのです。

    そこらへんを解説します。どうぞ!


    「CVインターバル」とは?

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    CVインターバルについて話す前に「CV」とは何かを簡単に説明させていただきます。

    CV(Critical Velocity)とは

    CV(Critical Velocity)とは

    臨海速度のことで、VO2Max(酸素最大摂取量)の約90%で走るペースのこと
    です。

    Iペース(インターバルペース)が100%、Tペース(閾値ペース)が80%だとすると、ちょうどその中間ペースといえるでしょう。


    全力10km走のペースとも云われます。(個人的にはそれよりやや速いペースだと感じていますが…)

    ざっと以下のようなペースで良いかと思います。

    LV VDOT Iペース CV Tペース
    SUB4.25 35.2 5'03 5'18 5'33
    SUB4.0 37.9 4'51 5'05 5'18
    SUB3.75 41.0 4'35 4'47 4'59
    SUB3.5 44.6 4'18 4'29 4'40
    SUB3.25 48.7 4'00 4'10 4'20
    SUB3.0 53.5 3'42 3'51 4'01

    ※ペースの単位は1km当たり

    CVインターバルとは

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    CVインターバルとは読んで字のごとく

    CVペースで行うインターバル走のこと
    です。

    • 疾走区間をCVペース(IとTの間)
    • 疾走区間の合計距離が6〜10kmになるように
    • 3〜10回のインターバル数に分割
    • レストは疾走時間の1/5をジョグ

    たとえば

    • 1km 6〜10回(レスト 200m)
    • 10分 3~5回(レスト2分 )

    というような感じで。

    CVインターバルが向いているランナー

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    CVインターバルはスピード持久力を上げる効果があると思いますが、具体的には下記の2タイプのランナーに向いていると思います。

    • Iペースは苦しすぎるがTペースでは物足りない
    • 10kmレースの記録更新を狙っている

    Iペースは苦しすぎるがTペースでは物足りない

    一般的にインターバルペース(Iペース)は苦しい。

    閾値ペース(Tペース)は、苦しすぎずラクすぎないペースで20~30分。


    Iペースはもうやりたくないと思えるけど、Tペースは頑張ればもっと走れてしまうという方もいらっしゃると思います。

    生理学的にはその負荷が適しているんだと思いますが、「まだ追い込めるんだけどな…」という気持ちで終えることになるので不完全燃焼になるのです。


    CVはTペースより高い負荷で追い込めます。

    けどIペースほどキツくなく、Iペースより長く走れるので、スピード持久力の養成にも効果が期待できるのです。

    10kmレースの記録更新を狙っている

    上記の通り、全力10kmと同等のペースであるため、

    10kmレース(またはTT)の記録更新
    に向いているトレーニングだと思います。


    いわば、「10kmレースの分割走」といえるでしょう。

    もちろん、10kmレースに参戦予定はなくても、結果的にVDOTは向上するので、マラソンのタイム向上も期待できるでしょう。

    トレーニング例

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    個人的にいろいろ試してみましたが、おすすめは以下のような設定です(難易度順)。

    低 CV 2km + JOG 400m * 4
    : CV 10分 + JOG 2分 * 3
    高 CV 2.5km + JOG 500m * 4

    閾値走からステップアップ

    もしご興味があれば、ふだんTペースで20~30分走る閾値走をCV10分2本または3本に変えてみることから始めてみてください。

    く、苦しい…

    けど、やり切ったときの達成感はひとしおです。

    10kmTTのための分割走

    ほぼ10km走のペースと同等なので、10kmの目標ペースを4~5分割にするイメージで走ってみてください。

    これが走り切れれば全力10kmの新記録を着実にたぐり寄せることができるでしょう。

    成功させるための1つのコツ

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    CVをうまく走り切るためのコツをひとつ紹介しておきます。

    それは、

    最初の1本はアップ兼ペース確認と割り切る
    ということです。


    CVペースは、それなりにカラダがCVを覚えていないと維持できないペースだと思います。

    なので、1本目でカラダに染みこませるのです。


    そして、冬季特有かもしれませんが、1本走ることでカラダが温まって2本目から急に走りやすくなるという効果もあります。


    1本目がうまく走れなくても問題ありません。

    確認作業だと割り切って、2本目から仕留めにいきましょう。

    CVインターバルをやることのメリット

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    あまり聞き慣れない「CVインターバル」ですが、こういうマイナーな練習を知っておくことに意義があります。

    というのも

    トレーニングに対しても、失敗したときに対しても選択肢が増えるから
    です。


    Iペースのインターバルが上手くいかなくても「CVインターバルだった」と言い張ればいい。

    CVが上手くいかなくても「クルーズインターバルにしよう」と切り替えればいい。


    ▼まさに今日の私 f^^;


    インターバルで3'50/kmで攻めようとして4'00/kmに失速してしまったとき、

    撃沈したァーー

    と嘆くのではなく

    CVインターバルにした

    と解釈を変えてしまいましょう。


    知識は価値を生みます。

    失速=別のトレーニング」へと変換できるのです。


    まるで何の変哲もなかった作品が、歴史を知ることで芸術品に映るかのように。

    そう、トレーニングは芸術なのです(暴論)。

    注意点

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    とは言え、キツいペースであることには変わりありません。

    やりすぎは禁物です。


    きつければ設定を落として閾値走に変えるもよし。

    持たなければ1kmのインターバル走に変えてしまってもよいです。


    ケガしないようにだけ、ご注意ください!

    まとめ

    IペースとTペースの間の絶妙なペース、CV(Critical Velocity)

    スピード持久力の養成に、10kmTTのタイム向上のために、一度チャレンジみてはいかがでしょうか?

    新しいトレーニングを知ることで、幅が広がり、万一のリスクヘッジにもなりますよ。


    「走る」を創ろう。