あっぷりノート

Fix the Bits | あっぷり工房

旅、ギア、サプリ、マインド、トレーニング ── “走る”は創れる

30km走のVDOT⇔目標タイムを計算するツールを作りました。

f:id:you_key69:20220126215157j:plain



こんな方にオススメの記事
  • マラソン代わりにガチで30km走したい方

  • 30km走ったので、VDOTどうなのか知りたい方

  • 30kmという距離はVDOTの計算ではスタンダードではなさそうだったので

    • VDOTから目標タイムを算出
    • タイムからVDOTを算出
    するツールを作成しました。

    f:id:you_key69:20220126223242j:plain
    ↑こんな感じの

    これから30kmのトライアルに臨まれる方30kmをガチで走ってきた方はぜひチェックしてみてください ^^b

    「タイムからVDOTを算出」については、VDOT計算機の「その他」から手入力で算出できることを作ってから気づきました…恥


    30kmのVDOTがスルーされる問題

    f:id:you_key69:20220126185940j:plain
    ランニングフォーミュラのVDOT表


    30kmってわりとスタンダードな距離にも関わらず、『ダニエルズのランニングフォーミュラ』にもなければ、VDOT計算機にも載ってないんですよね。
    (ランニングフォーミュラはVDOT計算機を基準にしているので、当たり前っちゃあ当たり前)

    f:id:you_key69:20220126181221j:plain
    ハーフの次はいきなりフル

    ダニエルズ博士曰く、30kmはEペースで走ればトレーニング効果はじゅうぶんとのことですし、30kmのトライアルでもMペースで走ってフルの事前確認みたいな使い方をされるランナーも多いので、ガチる距離ではないのかもしれません。


    しかし、

    • フルマラソン中止の代わりに30kmのトライアルで記録を狙う、とか
    • 一旦ガチで走って現時点の走力を確認しておきたい、とか
    • フルは未経験だけど30kmまでなら何とか…

    というランナーも少なからずいらっしゃるはず(?)なので、ニッチかもしれませんが、30km専用のVDOT計算機を作ってみました。


    ▼VDOTって何?VDOT計算機とは?という方はコチラをご覧ください

    30km専用 VDOT計算機

    f:id:you_key69:20220123100529j:plain

    ということで、計算ツールをご紹介します。

    • VDOTから目標タイムを設定
    • タイムからVDOTを逆算
    • 早見表

    コンテンツは上記のとおりです。

    VDOT→タイム


    VDOT


    30km 予想タイム:

     


    タイム→VDOT


    30km 走行タイム

    時間

     

    VDOT:


    30kmのVDOT早見表

    今回、VDOTを算出するにあたって使った表に、30kmのタイムを追加したので載せておきます。

    VDOT 3km 5km 10km Half 30km Full
    30 0:17:56 0:30:40 1:03:46 2:21:04 3:24:43 4:49:17
    35 0:15:45 0:27:00 0:56:03 2:04:13 3:00:22 4:16:03
    40 0:14:03 0:24:08 0:50:03 1:50:59 2:40:49 3:49:45
    45 0:12:40 0:21:50 0:45:16 1:40:20 2:25:14 3:28:26
    50 0:11:33 0:19:57 0:41:21 1:31:35 2:12:47 3:10:49
    55 0:10:37 0:18:22 0:38:06 1:24:18 2:02:37 2:56:01
    60 0:09:50 0:17:03 0:35:22 1:18:09 1:53:55 2:43:25


    5の倍数しかないので実用性は低いですが、参考までに。

    VDOTの予測と実績を比較

    もはや過去の栄光でしかありませんが、昨年、一昨年とガチ30km走をしたのでその結果を自作のツールで確認してみました。

    ついでに30km走の前に走ったハーフマラソンのVDOT、30km走の後に走ったフルマラソンのVDOTも載せておきます。

    2020年

    • 12/15 ハーフ
      • 1:33'24(4'25/km)VDOT 48.8
    • 2/16 30km
      • 2:15'54(4'32/km)VDOT 48.7
    • 3/1 フル
      • 3:27'29(4'55/km)VDOT 45.2

    おおがきマラソン(ハーフ)と庄内緑地LD(30km)の流れから、東京マラソンへ!のはずが、直前で中止に泣かされた2020年。

    2021年

    • 12/13 ハーフ
      • 1:25'05(4'02/km)VDOT 54.4
    • 1/23 30km
      • 2:08'38(4'17/km)VDOT 51.9
    • 2/27 フル
      • 3:11'29(4'32/km)VDOT 49.7

    前年の流れを汲み、すべてのレースが消し飛んだため自前でGPS計測。

    ガチではありませんが、サブ3ペースでイケるかの確認で、結果イケませんでした苦笑

    計算式の根拠

    以降は

    なぜド素人のオマエが計算ツールなんて偉そうに作れるんじゃぃ!

    というツッコミ対して、自作VDOT計算機がつむぎ出す数字の根拠を記しておきたいと思います。


    つまり、計算が合っていなかったときのための言い訳ですね ^^;

    ※興味ない方は、そっと閉じてください

    タイムは距離に相関

    f:id:you_key69:20220126221856j:plain

    • タイム(秒) = -0.06667 * Vdot ^3 + 12.75476 * Vdot ^2 - 909.5119 * Vdot + 29889.16667
      • 相関係数 0.99965

    方程式は上記のとおり。

    もう2年前になりますが、サブ3.5を狙っていた30kmをガチでトライアルした当時(VDOT=46)、VDOTにおける距離とタイムは累乗近似の相関係数=1(つまり100%の信頼性!)だったことは覚えていました。

    ※当時は累乗近似を採用しましたが、今回はすべて三次方程式に基づいています


    そのとき分かったのは、VDOTは

    • ある方程式のxに距離を代入すれば、yとしてタイムが算出できる
    • 但し、その方程式はVDOTごとに違う
    という性質を持っていることでした。

    f:id:you_key69:20220126221943j:plain

    VDOT別にグラフ化してみると、距離とタイムがきれいに相関していることがわかりますね。

    f:id:you_key69:20220126221956j:plain

    なので、各VDOTの式さえ導き出せければ、30kmのタイムを算出することはわりと容易いです。

    距離別タイムはVDOTに相関

    f:id:you_key69:20220126221833j:plain

    • VDOT = -9 * 10^-11 * Time ^3 + 3 * 10^-6 * Time ^2 - 0.0416 * Time + 222.72
      • 相関係数 0.9996

    方程式は上記のとおり。

    別の切り口から、距離別にVDOTとタイムをグラフ化してみます。


    すると、これまたキレイに相関していることが判明しました。

    ここから「距離とタイムを代入すればVDOTが算出できる」というロジックにたどり着くわけです。

    傾向から公式を導く「帰納法」

    f:id:you_key69:20220126220321j:plain
    すべて、Excel頼り

    このように

    • タイムは距離の累乗に相関
    • 距離別タイムはVDOTにも相関
    という2つの傾向から、色んなVDOTの距離、タイムを分析しまくると30kmの場合はどんなタイムになるか、傾向が見えてきます。

    いわゆる「帰納法」ってやつですね。

    本家VDOT計算機の数値と若干ズレるのは、本家が「演繹法」であるのに対して、当家が「帰納法」を使っているから、と説明できます。

    …と、カッコつけて云っていますが、数式ニガテなので完全にExcelに頼っています。

    なんせ、文系なので ( ̄∇+ ̄)v ヒラキナオリ-


    ゆえに、ロゴを創るにも、計算ツールを創るにもExcelに全幅の信頼をおいているのです。

    みなさんも困ったら、まずはExcelを訪ねてみましょう。

    VDOTをグラフ化してわかること

    f:id:you_key69:20220126222651j:plain

    VDOTにおける距離別のタイムは近似曲線で表せることは判りましたが、傾きを見る限り、ほぼ1次関数なんですよね。
    (これは文系出身でもスグに気づいた)

    でも、実際走ってみると、よほどスタミナタイプでもない限り距離が長ければ長いほど合わなくなるとおもいます。


    なので、単純にVDOTを盲信して、よーしフルマラソンはMペースだ!って走ると事故ります

    VDOTはあくまでポテンシャルであり、実際は後半にタレないスタミナを養うことがあるってことです。
    (あらためて当たり前のことを云ってみた)


    そのスタミナが、先日論文で紹介した体脂肪だったり週間走行距離だったりするのかは…

    まだまだつき詰めていく必要がありますね ^^


    Good luck!