こんな方にオススメの記事
SIT(Sprint Interval Training)は 30秒の短いダッシュを繰り返して、心肺を鍛えるトレーニングだ。
そのトレーニング時間は15分にも満たない。
果たしてそれだけでマラソンタイムが伸びるのか?
さすがに横着しすぎでは?
ということで「平日SITチャレンジ」で実験を開始。
結末は、意外にも
SITの不安
一度やってみていただくとわかると思いますが、SITを行ううえで襲いかかってくるのは
- 確かにキツい
- けど、こんな単純なトレーニングで本当にマラソンが速くなるのか
という漠然とした不安です。
SITとは
SITは短いダッシュを繰り返して、心肺を鍛えるトレーニングで、ざっくり云うと
という練習です。
▼詳細はコチラをご参照ください
こんなシンプルな方法でいいの?
たとえば、{30秒ダッシュ+2分休憩}×6回のSITを行ったとすると
- ダッシュ時間 計3分
- 休息時間 計12分
- トレーニング時間 合計15分
閾値走でも20分以上走ることが推奨されているのに、たったダッシュ3分でいいの?
シンプルすぎて不安になるレベルでした。
実験のチャンス
でも、失敗してもいい。
笑い者になればいい。
目標としていた『ぎふ清流ハーフマラソン』は1年後に延期になったことだし。
もし上手くいかなきゃ、この方法じゃダメだということが証明できたことにもなるし。
このレースがことごとく中止になっていく2020年は、ある意味突飛で非常識なトレーニングを検証していくチャンスなのかもしれません。
平日SITルール
そんなSITの効果を検証するために、平日は毎回SITだけ走るという実験を行うことにしました。
実験内容
あらためて実験内容を説明させていただきます。
- 毎週平日3日間はSIT(Sprint Interval Training)しか走ってはいけない
- 休足日は週2日
- 週末(土日祝)は自由練
これだけ。
実験期間
下記のツイートを皮切りに実験を開始しました。
今期のフルは終了したので、4月末にハーフのサブ90を達成すべくスピ練に切り替えます。
— あおやまゆうき🚩4/26ぎふ清流Hマラソン (@you_key69) 2020年3月10日
そこで、秘策☝️
/
4月まで、平日はSITだけ走る!
\
実験です。失敗したら盛大に笑ってください😅
よろしくお願いいたします!#しばらくはラン月に貢献できません#ちなみにハーフのPBは1_33_24です pic.twitter.com/UsgvOsXMQw
実験期間は
- 3/18 ~ 4/26
の約1ヶ月。
冒頭でお話したとおり、4/26の『ぎふ清流ハーフマラソン』が1年後に延期(実質上の中止)になってしまいました。
なので、ひとりハーフを走り、サブ90達成するために実験を開始することにしたのです。
トレーニング効果
で、結果どうなったか?
すでに別記事で報告済みなので、あっさりオチを云いますが、サブ90は無事達成できました。
ありがとうございます。
ですが、それだけでは自己満になってしまうので、伸び具合を引き合いに出して、もう少し一般性を持たせたいとおもいます。
ハーフマラソンの結果比較
まずハーフマラソンの改善効果ですが、先日ご報告したとおり、
- SIT前 1:33'24
- SIT後 1:29'16
というように、4分短縮できました。
VDOTにすると
- 48.8 → 51.5
と、2.7ポイントもの改善です。
目標タイムにもよりますが、フルマラソンならば約8分~10分の伸びが期待できる数値です。
クーパーテストの結果比較
こちらも報告のとおり、12分間のダッシュで
- SIT前 3120m
- SIT後 3200m
で、VO2Maxを2ポイント上げることができました。
こちらも理論上はフルマラソン8分くらいの短縮になります。
さすがにガチでフルを2本走れないので机上ですが。
タイムトライアルの結果比較
期間中に5kmと10kmのタイムトライアルも取り入れました。
距離 | SIT前 | SIT後 |
---|---|---|
5km | 20'26 | 20'13 |
10km | 41'20 | 40'53 |
5kmあたり13秒くらいの伸び。
VDOTでいうと、
- 5km 48.6 → 49.2
- 10km 50.0 → 50.6
というように、それぞれ0.6ポイントの改善。
微々たる伸びではありますが、少なくとも走力が落ちないことは証明できました。
効果のまとめ
SITのような短いダッシュをくりかえす練習は5kmや10kmの短い距離なら効果があるのかな?と期待していました。
が、結果的にハーフマラソンのほうが伸びが良かったのです。
これは面白い。
もしかしたらフルマラソンにも本当に効果が期待できるかもしれません。
その他のメリット
短い時間で
これの何がいいって、時間対効果が高いことです。
※もう聞き飽きたかたはすみません、スルーしてください
私のやり方はレストを1分にしているので、1回あたりの練習時間が9分。
アップダウンを入れても13分でした。
SITチャレンジを始めるまで、平日は
- 30分ジョグしたり
- 閾値走20分走ったり
- 早起きして10kmのビルドアップをやったり
していました。
朝・夜の二部練を行った日もありました。
しかし、平日SITに切り替えることで生活習慣が変えられました。
- たくさん睡眠が確保できる
- 家族との時間がたくさん持てる
今、子どもたちが休校期間中なので同じ時間をたくさん共有できるのは貴重です。
短い距離で
所要時間も短ければ走行距離も短いです。
1回のトレーニングで約2km程度。
心なしか1000mを3本走るインターバルよりもラクに思えました。
強度は高いけど、距離が短い分ダメージは残りにくいのかもしれません。
4月の走行距離は4/28の時点で146kmでした。
これで平日SITを2回こなしたとしても150kmくらいなので、サブ90レベルするにしてはなかなかコスパの高い練習じゃないでしょうか?
注意点
際立つモルモット感
もともとジョギングで文化財を詣でたり、草花を愛でたりするのが楽しくて走りはじめました。
平日の早朝に10km走って、新鮮な空気を吸ったり、澄んだ景色を拝んだりするのは気持ちが良いです。
しかし、それが毎朝30秒ダッシュを6セットくりかえす日々を送るようになると、モルモット感がハンパなくなるのです。
私はもともと覚悟の上でチャレンジを始めたので、ぜんぜん気になりませんでしたが「何のために走ってるんだっけ?」って思ったら負けです笑
速くなることで自己肯定感が上がり、時間も有効に使えるようになります。
そのための投資だとおもって、ぜひ試してみて下さい。
過信しないように
今回はハーフマラソン以下のレースにおいて、スピードアップが確認できました。
しかし、フルマラソンだとどうかは未確認です。
SITはインターバル走の一種なので、糖を早めに枯渇させてしまいます。
そのため、糖を温存しながら脂肪をエネルギー源にして長い時間走るというようなフルマラソン終盤に向けたトレーニングは向いていません。
平日はSIT、休日はロング走というようにバランスよく練習しましょう。
ケガしないように
トレーニング時間は短いものの、相当ハードなトレーニングです。
筋肉や関節を痛めないように、アップとダウンはしっかりやりましょう。
また、ダッシュによって足がからまったり、滑ったり、石につまづくいて転ぶなんてことにも気をつけなければなりません。
これで怪我をしてしまっては本末転倒ですからね。
まとめ
ということで
理論上は8~10分程度フルマラソン のタイムが伸ばせるかも?
その根拠は
- ハーフマラソン、タイムトライアルでのPB更新
- VDOT、VO2Maxの改善
ベストな方法ではないかもしれませんが、15分で濃密な練習ができるSIT。
時間が足りない市民ランナーにはうってつけの効率的なトレーニングです。
騙されたとおもって、週3回を1ヶ月続けてみよう!