こんな方にオススメの記事
ハーフマラソンでの90分切り(1時間30分切り)を「サブ90」といいます。
サブ90は21kmを平均4'15/kmのペースで走り続けなければならないので、数字だけを見ると腰が引けてしまいます。
無理もありません。
サブ90の達成は上位5%くらいの割合と云われています。
それくらい難易度は高いです。でも、そのぶん名誉なことでもあります。
ぜひサブ90を達成して、その栄光を手にしてみませんか。
- サブ90の壁
- 私のサブ90
- サブ90を達成して得られるコト
- サブ90に対する意識
- トレーニング内容
- ゼッタイやっておくと良いこと
- TTをやるべきたった1つの理由
- キロ3分台に慣れよう
- 意外と大事なこと
- シューズや補給食は?
- まとめ
サブ90の壁
まずサブ90を狙うランナーは、ハーフ(21km程度)を走るのはお茶の子さいさいで、サブ100をクリアしているレベルとは思います。
しかし、サブ100との大きな違いは
1kmあたり4分台前半で走るのってキツいですよね。
それを21km走り続けるなければならないんです。
しかし、もちろん達成できないレベルではありません。
その心理的なバリアを打ち砕くのが私の役目だと思っているので!
私のサブ90
私がサブ90を達成したのは、2020年の非公式ぎふ清流ハーフマラソンでした。
サブ100したのが2019年のぎふ清流ハーフだったので、ちょうど一年ごしの達成となりました。
サブ90を達成して得られるコト
「サブ90を達成して得られるコト」と云ったものの、具体的には
- フルマラソン、サブ3への希望
- プライベートの充実
- ダメージ軽減
- 悦び
すこし補足します。
サブ3が射程範囲に入ってくる
「夢のまた夢」と思っていたフルマラソンのサブ3(3時間切り)が少し届きそうな夢になってきます。
サブ90と同じペースでさらに2倍走ればサブ3なので。
もちろんそんな簡単には達成できません。
VDOT的にはサブ3はハーフでのサブ85相当なので。
とはいえ、キロ4分前半で巡航できる実力がついたのは紛れもない事実なのです!
あと少しなのです!
プライベートが有意義になる
一見、サブ90とプライベートにどう関わりがあるのかと思うかもしれません。
でも、ちゃんと理由があります。
単純に21kmを90分で走れる下地ができると、長い距離を走りにいっても早く帰ってくることができるようになります。
かつては家族との朝食時間に遅れてしまっていたロング走も家族が起きる前に帰ってこれるようになるのです。
そのおかげで家族と過ごす時間も長く確保できるようになりました。
もちろん家族じゃなくてもいいです。
トレーニング以外の時間を有意義につかってください。
ダメージが少なくなる
「ダメージ」とひとくくりにいいましたが、私の場合は脚の痙攣(こむらがえり)です。
情けない話、サブ100のときまではフィニッシュ後に毎回脚が攣っていました。
それが今回攣らなかったのです。快挙!
初めてハーフマラソンで2時間を切ったとき、両足が盛大に攣り、速いランナーがピンピンして帰っていくのを横目に「いつかああなってやる…」と静かに闘志を燃やしたおぼえがあります(忘れもしない、2017年のぎふ清流ハーフでした)。
それが今、ようやくそのレベルになれたかな、と。
悦び
あと、やっぱり単純にうれしいですね。
目標が達成できるのはいくつになってもうれしいものです。
「自己実現欲求ってこうゆうことかァ~」というのが実感できます。
ランナー以外からはもう相手にされませんが、ランナーの方からは祝福してもらえます。
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— アオヤマユウキ🌵MADANAO-RUNNER (@you_key69) 2020年4月25日
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ひとりぎふ清流ハーフマラソンの結果
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⏱️1:29'45(av.4'14/km)
🛣️21.1km #ラン寄付
🏅祝・新記録!
念願のサブ90達成! 12月のように脚も攣らなかったし、確実に強くなれてると実感。素直に嬉しい。何より家族が起きる前に帰ってこれたことが😁
応援いただいた方、ありがとうございます! pic.twitter.com/KO6aWzXXHS
皆さま、ありがとうございます!
サブ90に対する意識
サブ90を狙うにあたって、トレーニングも大事ですが、トレーニングに対する意識も大事です。
サブ90の達成率は上位5%と云われます。
その上位5%にくいこむためには、サブ100の頃よりも高い意識を持つ必要があります。
今想うと信じられませんが、例えば
- 日頃のトレーニング強度を徐々に上げていくこと
- 1回1回のトレーニングに目的意識を持つこと
- VDOTを指標にすること
徐々にトレーニング強度を上げること
いきなり悲報ですが、残念ながらこのトレーニングをやれば確実にサブ90達成というウラ技はありません。
はっきり云って、内容はサブ100の時と大きくかわりません。
ですが、同じメニューでも少しずつ負荷を増やしていくことで、確実に目標に近づいていけます。
マラソンのトレーニングって、そういう小さな積み重ねだとおもうのです。
トレーニングの原則のひとつに
読んで字のごとく「少しずつ負荷を上げていくこと」で、走力がアップするというものです。
個人的な経験則ですが、距離や時間よりもスピードを上げる練習に取り組むのが効果的だったと感じています。
目的意識を持つこと
日々の練習でも、これは何のための練習なのかを意識することで、よりタイムを縮めやすくなります。
- 何のためのインターバル走なのか
- 何のためのガチユル走なのか
- 何のためのセット練なのか
- 何のためのジョグなのか
- 何のための休足なのか
後述しますが、私の場合、きっかけは平日のSITでした。
「トレーニング」の語源は「引っぱる」を意味するラテン語"Trahere"
転じて、列車が客車を引っぱり導く様子から"Train"という語が生まれ、目的を達成に導く行為を"Training"と云うようになったそうです。
すなわち、目的のないトレーニングはトレーニングではないということです。
VDOTを指標にすること
サブ100を達成したとき、今では当たり前に使っているVDOTという指標をまったく意識していない、それどころか知りもしませんでした。
その事実に気づいたとき衝撃的でした。
意識するためにはまず知識も大事ですね。
VDOTを指標にできるようになると
- 日頃の練習ペース
- トライアルの目標タイム
が設定しやすくなります。
サブ90のVDOTは約51。フルマラソンを3時間7分くらいで走れる走力が目安になります。
VDOTのおかげで設定どおりにクリアできたか定点観測し、着実にサブ90に近づけているんだと自己肯定感を高めていくことができました。
トレーニング内容
そんな中でも私がサブ90を狙うために取り入れたトレーニングはざっくりこの2つです。
- 平日 SIT
- 週末 セット練
平日 SIT
平日にSIT(Sprint Interval Traning)を週3回、行いました。
SITは下記のような練習ですが、
- 平日はコレだけしか走っちゃダメ
- 筋肉痛で走れないなら完全に休足すること
という自分ルールを課しました。
これが見事に奏功するんですが、詳しくは以下の記事をご覧ください!
週末 セット練
セット練については下記の記事を参考にしていただきたいですが、ざっくり云うと
セット練はふつうフルマラソン向けに長い距離を2日に分けてダメージを抑えつつ持久力を養うためにする練習です。
しかし、平日はSITしか走れません。
馬車馬のように走る毎日です。
なので、せめて休日は長めの距離(15~25km)を走ってレースペースを確認したり、文化財を巡る楽しさを堪能しておきたい気持ちが芽生えるのです。
おかげでかなりメリハリか利きました。
セット練は以下のようなパターンが多かったですね。
パターン | 1日目 | * 2日目 |
---|---|---|
1 | SIT + 15kmBU | 20km JOG |
2 | 1000バル *3 + 15kmJOG | 20km JOG |
3 | 5kmTT + 12kmJOG | 20km JOG |
4 | 10kmTT + 7kmBU | 20km JOG |
※BU:ビルドアップ
※TT:タイムトライアル
※JOG:4'45~5'15/kmペース
1日目 ガチユル風
1日目はガチユル風に。
ここでまずガチとしてインターバル走やTTでスピード練習しつつ、糖分を使い果たします。
そのまま、10km~15kmくらいのジョグやBUに入り、今度は脂肪をエネルギー源として燃焼させながら長く走る練習をします。
ここでは無補給で走りましょう。
2日目 旅ジョグ
2日目は花見や城を巡りながらゆっくりJOG。
糖分不足に陥っている朝が理想的です。
もちろん朝食をたべる前に。
しかし、念のため補給食は持っていったほうがいいです。
さすがに連日のロング走ともなると、途中でエネルギー切れを起こすリスクがあります。
私はそれで一度エライ目にあいました(^-^;
あと、ジョグだけだとマンネリ化しそうなときは、合間に20分の閾値走を挟んだりもしました。
月間の練習記録
参考になるかわかりませんが、私のサブ90する前の練習記録を貼っておきます。
練習開始時のレベルは3月1日時点でサブ3.5でした。
3月11日から平日SITをルールを開始し、その反動で週末のセット練を行うようになりました。
サブ90を達成したのは、2020年4月26日でした。
ゼッタイやっておくと良いこと
そんなセット練の中から絶対やっておくといい練習をあげておきます。
それは
以下のようなタイムトライアル(模擬試験)をVDOTに基づいて確実に達成しておくのです。
- クーパーテスト
- 5kmタイムトライアル
- 10kmタイムトライアル
クーパーテスト
クーパーテスト(別名、12分間走)は
12分で、3200m(3'45/km)走れれば御の字でしょう。
5kmタイムトライアル
VDOT的には19'36でフィニッシュできると理想です。
まあ、ざっくり20分が切れるといいでしょう。
私は叶いませんでしたが(/-\*)
10kmタイムトライアル
VDOTとしては40'39が理想ですが、こちらもざっくり41分が切れるといいでしょう。
理想通りではありませんでしたが、なんとか41分切りは達成していました。
卒検
あと、できることならフルマラソン向けの卒検(岩本式ビルドアップ)もやっておくとかなり自信がつきます。
ハーフマラソンのサブ90と同じVDOT=51のフルマラソンタイムは3時間7分です。
なので、卒検としては
~10km 4'14/km
~15km 3'56/km
▲サブ3.5を目指していた頃の卒検です
TTをやるべきたった1つの理由
なぜここまでTTをゴリ推しするかというと、ひとえに
レースの理想は徐々にペースを上げていくネガティブスプリットです。
でも最後にいつもスパートをかけてラスト1kmで失速して、脚が攣る…というパターンを繰り返してきました。
ほとんどのハーフマラソンでそうだったんじゃないかな…(-ω- ?)
しかし、今回5kmや10kmのTTをやっていたことで
- 残り10kmになったときも4'05/kmで刻めてた自信
- 残り5kmになっても4'02/kmで刻めた自信
が、ラストを後押ししてくれるんです。
おかげでネガティブスプリットに成功しました。
キロ3分台に慣れよう
サブ90向けのタイムトライアルをやっていて思ったのが、いかに平均4'15/kmで走ることをラクに感じれるように慣らせるかが大事だということでした。
そのためには1kmでもいいからキロ3分台で走ることに慣れておくこと。
3km走れるとなお良し。
5kmならさらに現実味が増します。
これはサブ100時代には考えられなかったスピードでした。
そのためにSITをしまくる。
それによりTTを制し、サブ90を手中に収められるように なるはずです!
意外と大事なこと
簡単だけど意外と忘れがちな心構えとして、
自分にとってはサブ90はあくまでプロセスであり、サブ3への通過点でしかない
という考え方があります。
サブ90を最終目標にしてしまうと、例えば
- 4'15/kmで走れる距離を延ばしていこう
- 練習で走る距離はMAXで21kmまで
とか、意外と自分で自分の限界を決めちゃってることがあるんですよね。
でもサブ3ランナーの練習を見ていると、普通に軽く走ってきたって感じでサブ90しています。
なので、サブ90に固執するのではなく目標をさらに高く据えることで
- 3'45/kmで3kmを走る
- 4'30/kmで30kmを走る
で、「気づいたらいつの間にかサブ90してた」くらいのスタンスで臨めると理想的だなァ、なんて。
難しいかもしれませんが、ほとんど自己暗示でできるし意外と効果あるので、ぜひ試してみてください!
シューズや補給食は?
シューズや補給食は以下の記事に詳しく書いていますが、結論からいうと特別なものは用意していません。
サブ100時代と同等でした。
シューズ
ASICSのDSトレーナー23です。
サブ100のときから同じのを履いています。
正確に云うと、 サブ100のときに履いていたのが初代で、同じのを買い替えて2代目でサブ90を達成しました。
補給食
補給はスタート30分前にツゥランを補給。
開始45分後(約11km地点)でアミノショットを補給しました。
気温にもよりますが、無給水でイケます。
まとめ
長くなってしまいましたが、私がサブ90を達成するためにやったことをすべて詰めこみました。
あくまで私のケースなので、万人に通用するワケではありませんが、
- 日頃のトレーニングの強度を徐々に上げていくこと
- 1回1回のトレーニングに目的意識を持つこと
- VDOTをうまく活用すること
- タイムトライアルすること
- 通過点と捉えること
このアドバイスが貴殿・貴女の栄光をつかむ一助になれば、幸いです!
ガンバロウ!