こんな方にオススメの記事
もしかしたらスピード練習が足りないのかもしれません。
サブ4ができないなら、あえてサブ3.5を目指しちゃいましょう。
本記事はシリーズ第5弾です。下記、未読の方は順に読み進めてください。
そして、上述のマインドに同意いただける方は、ぜひ先を読み進めてください。
- なぜサブ3.5を目指すのか
- VDOTのおさらい
- 練習方法について
- スピード練習のメリット
- スピード練習の内容
- 練習のルール
- 初めてサブ4したときの練習記録
- 注意点
- リカバリーについて
- 筋トレについて
- トレーニング編のまとめ
なぜサブ3.5を目指すのか
サブ4がギリギリの走力レベル(VDOT 38前後)だと、理論上はサブ4できます。
けど、人は4時間のうちに
- 尿意
- 筋肉痛
- 脚攣り
- エネルギー切れ
などなど、さまざまな要素と戦い続けなければならず、理屈通りに走りきることはできません。
なので、仮に失速してもサブ4達成できるくらいの余裕がほしい。
その目安がサブ3.5、VDOT 45なのです。
VDOTのおさらい
すこしばかり前回のおさらいを。
理想のVDOTは45
距離ごとのタイムは下記のとおりです。
距離 | タイム |
---|---|
5km | 22分 |
10km | 45分 |
ハーフマラソン | 1時間41分 |
理想の感覚
また、走っている感覚としては下記のとおり。
ペース | 感覚 |
---|---|
5'37"/km | 2時間以上続けられる軽いジョグ |
4'40/km | キツいが、5kmまたは20分走り続けられるペース |
4'18/km | 10~15分しか持続できない、かなり速いペース |
これくらいのペース・感覚で走れるようになればサブ4は射程範囲内です!
練習方法について
脚力を鍛えるべき?
人によっては上記のタイムやペースは速く感じられるかもしれません。
が、ここまで読み進めていただいているアナタはラッキーです!
そんな方こそ、ここで紹介するトレーニング方法は有効だとおもいます。
サブ4ができない原因は、往々にして脚の筋力不足だと云われます。
息切れとかよりも単純に脚が棒になってしまい、走れなくなるのだと。
そこまでは賛成です。
しかし、そこでじゃあ脚の筋力を鍛えようとなるとキツイ。
え?筋トレするの?
それとももっと走れってこと?
個人的にはランニングの筋力は走ることでいちばん鍛えられるとおもっています。
もちろんちゃんとしたトレーナーについてもらい、器具をつかってトレーニングするなら効果があるかもしれませんが、なかなかそんな環境はありません。
一方でもっと走れとなると週末にも20~30km走って、平日も長い距離を走らなきゃいけなくなります。
さすがにそんな時間はとれませんよね?
やってもいいですが、たぶんケガします(私は肉離れになりました)。
ということで、別のアプローチもあるんじゃないかと考えてたどりついたのが「スピードを養うこと」です。
スピード練習をしよう
息切れではなく、脚が棒になってしまい走れなくなるなら
- 脚が棒になる前に距離を稼ごう
- 呼吸に余裕があるなら、すこし心肺に頼ろう
要は「スピード練習をしよう」ということです。
スピード練習をすれば速いスピードに慣れることができます。
キロ5分のスピードをラクに感じられるようになると、脚が棒になるまでに距離がだいぶ稼げるようになります。
- サブ4ペースで3時間走って脚が棒になると、距離は31km
- サブ3.5ペースで3時間走って脚が棒になると、距離は36km
だいぶ余裕ができたと思いませんか?
スピード練習のメリット
スピード練習には
- 速いペースに慣れることができる
- 全身の筋力がつく
- 心肺能力が高まる
- 安定したフォームが身につく
しかもスピードを出すだけあって、短時間で終わります。
同じ5kmを走るのでも、5'30/kmと4'30/kmじゃ、5分早くトレーニングが終了できます。
時短なんですよね。
これは特に朝ラン派にはありがたいことです。
スピード練習を平日の短い練習時間にこなして、長い距離(20~30km)は今までどおり、休日の時間がとれるタイミングで走りましょう。
スピード練習の内容
以下、私がサブ4を達成する前におこなっていたスピード練習を3つご紹介します。
短いレース参戦
「10km・ハーフマラソン編」の内容と重なりますが、いちばんのオススメは10kmやハーフマラソンへの参戦です。
ホントに大事だと思ってるので、再三申し上げます。
ざっくり要約すると、距離の短さゆえに
- ハードルが低い
- 数多くチャレンジしやすい
- 最高のポイント練習になる
- 実践さながらの予行演習ができる
- 大会の緊張感を味わえる
- 走力チェックになる
気になる方はおさらいしておいてください。
SIT
そして、ふだんの練習の中で個人的にゴリ推ししているのはスプリント・インターバル・トレーニング(SIT)です。
詳しくは上記の記事をご覧いただきたいですが、ざっくり要約すると以下のとおりです。
- ひたすら30秒ダッシュして、1~2分休むだけで
- 脚の筋力が鍛えられる
- 心肺機能も強化できる
- しかも短時間(10分弱)で
- 時間計測のみで完結できる(正確なトラック測定が不要)
これで、例の10kmレースやハーフマラソンのタイムをかなり伸ばせたとおもっています。
閾値走
サブ3.5のVDOT=44で換算すると、閾値走ペース(Tペース)は4'43"/kmです。
このペースで20分走る習慣をつけましょう。
このペースに慣れると、5'00"/kmのスピードがだいぶ楽に感じられるようになります。
長く走る必要はありません。
20~30分でじゅうぶんです。いそがしい朝にはありがたいですね。
練習のルール
筋肉痛でも走る
レースやポイント練習の翌日は休みたくなります。
でも、あえて走りましょう。
筋肉痛の中で走ることにより、フルマラソンの30km以降を想定したトレーニングになるのです。
副次的な効果として
- ほぐしになる
- どこにダメージが残ったか確認できる
- ダメージに追い討ちをかけないラクに速く走れるフォームが模索できる
というメリットもあります。
ダメージが残っているところは、筋力が足りないか、もしくは負担がかかるような走り方になっている証拠。
改善ポイントをみつけるチャンスになりますね。
密度を上げる
できるだけ、1回あたりの走行距離を長く濃厚にしたいです。
- 1回あたりが厳しければ“1日あたり”にする
- それでも厳しければ“2日あたり”にする
たとえば、2日間で2回5kmを走った合計10kmより、1日休んで残り1日だけで10km走った方がいい。
毎日ダラダラ走るのがよくない。それで私はケガをしました。
目的意識を持つ
上述のとおり、ダラダラ走るのが良くないです。
- SITなら「よし心肺を鍛えるぞ」「ハムストリングに効かせるぞ」とか
- 閾値走なら「持久力をあげるぞ」「ペースは大丈夫か」とか
- 30km走なら「フォームは大丈夫か」とか
- ジョグなら「痛いところはないか?」とか
毎回トレーニング目的を意識することが大事です。
筋トレをやるときも、どこの筋肉を鍛えているか意識するだけでも効果が変わってくるといいます。
それとまったく同じことがランニングにも云えます。
意識的にトレーニングを行えば、「走り足りないからもう少し追加で走ろう」みたいな非効率で過剰なトレーニングは避けられるでしょう。
初めてサブ4したときの練習記録
2019年11月10日にはじめてサブ4を達成しました。
そのときの練習記録を公開します。
「これくらいでサブ4が達成できるんだ」というイメージをざっくりつかんでいただければ幸いです。
3ヶ月前
- 週休2日
- SITと閾値走(4'45"/km)を交互に
- 週末に20kmを1本
8月は暑いので、長距離よりもスピード練習をメインにやりました。
2ヶ月前
- 週休1日
- SITと閾値走(4'30"/km)を交互に
- 週末に20kmを1本
10月13日のあざいお市ハーフマラソンに向けて、閾値走のペースを4'45/km→4'30"/kmへと少しずつ上げていきました。
1ヶ月前
- 週休1日
- SITと閾値走(4'30"/km)を交互に
- 週末に30kmを1本
- 週1で2部練(朝夜)を実施
予定していたハーフマラソンが台風で中止になってしまいました。
なので、代わりに30km走を敢行。
しかし、過剰なトレーニングにより軽い肉離れを発症し、一週間の休足を余儀なくされました。
休足中に
- ケトルベルスイング
- クロスバイクで山道ライド
- YouTubeでランニングフォームの研究
をし続け、アクティブレストしました。
当月
- 週休2日
- SITと閾値走(4'30"/km)を交互に
- 週末に20kmを1本
肉離れの再発を恐れ、長距離走はやめることに。
週休2日に戻す。
この頃は「テーパリング」という言葉を知りませんでしたが、今思えば図らずしてそうなったのかも?
幸い当日まで再発することなく、無事に42.195km を完走することができました。
案の定、30km以降は歩いたりジョグしてりの繰り返しでしたが、ギリギリ 3:54'39" (ネットタイム)でフィニッシュ。
詳しくは「レース編」で書くことにします。
注意点
やめる勇気
自分の実力以上の目標を据えることになるので、かなりカラダに負担がかかります。
不調を感じたらすぐにトレーニングを中止してください。
私はブレーキがかけられず軽く肉離れを起こしました。
反面教師にしてください。
月間走行距離
月間走行距離は気にしないでください。
それはあくまで結果であり、目標ではないので。
目標はサブ4、いやサブ3.5であることをお忘れなく。
練習とセットでリカバリーも心がけましょう。
リカバリー期には走行距離が減るのは当たり前です。
リカバリーについて
再三にわたり申し上げますが、サブ4未達でサブ3.5を目指すのは、かなり負担がかかることになります。
しっかりとカラダを労りなからトレーニングしましょう。
たとえば下記のとおり。
- ストレッチ
- マッサージ
- プロテイン・サプリ
- 休足日
- テーパリング
- 睡眠
- 温泉
ストレッチ
ストレッチの種類と実施タイミングを見誤らないようにしましょう。
- 運動前は、ダイナミックストレッチ(ラジオ体操、ブラジル体操)
- 運動後は、スタティックストレッチ(柔軟)
これはマジで大事です。ルーティン化してしまいましょう。
マッサージ
ストレッチ以上にマッサージには疲労回復効果があることを実感しています。
- 揉みほぐし
- 筋膜リリース
専用のローラーがあるといいですが、なければ硬式のテニスボールでもいいでしょう。
プロテイン・サプリ
トレーニング後はリカバリー系のプロテインを飲みましょう。
クエン酸配合のザバスアクアがおすすめです。
ハードなトレーニング後は免疫力が低下しがちなので、グルタミンでの補完も有効だとおもってます。
休足日
週6で走っていたときは、休まるときがありませんでした。
それが少なからず肉離れの要因になったとおもいます。
なので、週休2日は確保するようにしてください。
休む代わりに走るときは距離を延ばしたり、強度(スピード)を上げるなりしてメリハリをつけましょう。
テーパリング
詳しくは下記の記事をご参照いただきたいですが、本番を最高の状態でむかえるためのテーパリング(疲労抜き)を計画的にやりましょう。
スケジュールはGoogleカレンダーなどの手帳アプリで管理すると便利です。
睡眠
云わずもがな。
温泉
温泉に入ることで自宅のお風呂ではできないことが実現できます。
- 温泉の持つ効能
- 水風呂との温冷交代浴
- 機能風呂(泡風呂、電気風呂 etc.)
ただ温かいお湯につかってるだけでも、疲労回復効果は高いそうです。
筋トレについて
筋トレもやった方がいいの?という質問をいただいたことがあったので、補足として回答します。
結論からいうと、やらなくていいと思います。
その理由はまた「筋トレ編」にて詳しく書きますが、
- まずは走り込みのほうが大事
- 筋肉を使えるランニングフォームを身につけないと無意味
- 雨や故障等で走れないときにやる
- ランニングフォームの維持に体幹トレーニングを補助的に行うといい
このような感じです。
トレーニング編のまとめ
まだまだ「レース編」や「筋トレ編」を書く予定ですが、一旦整理します。
- レース後半で失速する前提で走る
- そのために前半で距離を稼ぐ走りが必要
- 距離を稼ぐにはスピード練習がいい
- SITや閾値走を意識的に行うこと
- 短い時間で効果的なトレーニングができる
- 但し、負担が大きいのでしっかりと体のケアをすること
以上。
有意義で快適なトレーニングを心がけましょう!