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「サブ4」達成のために「サブ3.5」を目指すべし【フォーム編】

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こんな方にオススメの記事
  • 陸上競技未経験者

  • どうしてもサブ4を達成したい

  • なのに、どうしてもサブ4が達成できない


  • サブ4ができないなら、あえてサブ3.5を目指しちゃいましょう。


    本記事はシリーズ第3弾です。下記、未読の方はお先にコチラをとうぞ。

    マインド編
    10km・ハーフマラソン編

    そして、上述のマインドに同意いただける方は、ぜひ読み進めてください。


    今回は「ランニングフォーム編」です。

    ランニングにおける最大のケアは、正しいフォームで走ること

    これに尽きます!


    いかにラクに走るか

    10km・ハーフマラソン編」で綴ったとおり、下記のペースで走るのはサブ4を目指すランナーにとっては酷です。

    距離 タイム ペース
    10km 46分 4'36"/km
    ハーフ 1時間42分 4'50"/km

    今までどおり走ったら息は上がるし、脚が攣って終わります。


    本来は先に「トレーニング編」をお届けしようと思っていたのですが、このスピードを目指していきなり練習してしまうと、故障のリスクが高まります。

    なので、もう少しラクに速いペースで走る“走り方”にまずはフォーカスしたほうがいいと考えました。

    サブ4達成のための効率の良い練習はないと思っていますが、“効率の良い走り方はある”と思っています。

    ケガしても責任はとれませんが、せっかく参考にしていただいたにも関わらずケガされてしまうのも忍びないので、できる限りのお膳立てはしたいとおもっています。

    ランニングフォームの分かりにくさ

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    ということで、ラクに速く走るにはどうするか?ですが、
    ランニングフォームを見直す
    これにつきます。


    フォームについては、いろんなランニング本に書いてあります。

    でも、

    骨盤を立てて、腰の位置を高く、肩甲骨は絞めるて、重心の真ん中で着地する──

    みたいなことを云われてもサブ4を目指すランナーには分かりません。


    「骨盤って何?」「重心ってどこ?」みたいな。


    陸上競技未経験の私もそんな反応でした。


    なぜそうしたほうがいいのか、分解することで、理解してはじめて意識できるようになりました。

    フォームを分解する

    たとえば。

    片足を上げて立ってみてください。
    膝を腰の位置くらいまで上げます。
    姿勢を正したまま、みぞおち(お腹の上)を
    前に倒してください。

    脚が自然と前に出たとおもいます。


    これが「走り方」の一歩目です。

    • 姿勢を正して
    • 腿を上げて
    • 前傾になり
    • 足裏の真ん中で着地する

    歩き方とはまた違いますよね?

    使うべき部位・使ってはいけない部位

    ラクに走るためには以下の基本ルールを知っておくといいとおもいます。

    • ハムストリング(腿裏)や大殿筋(お尻)の大きい筋肉を使う
    • ふくらはぎ等の小さい筋肉はできるだけ使わない
    • 膝への負担となるカカト着地はしない
    • ふくらはぎへの負担となるつま先着地はしない
    • 腕を振ると、連動して脚が前へ運びやすくなる

    あとはそのルールに従って各所を動かせばいいのです。

    ランニングフォームの基本

    各所の動かし方は、よくランニング指南本に書かれています。

    でも、すこし難解なことがあったので、代わりにもう少し分解してみます。

    「前傾になる」とは?

    前述のとおり、“走る”という行為は

    • 片足を上げて前傾になると、自然と足が一歩でる
    • 前傾姿勢を保ったまま着地して、また反対の足をあげる

    ──その繰り返し。

    その自然な重心移動がムリのない基本動作。


    やってみるとわかりますが、前傾させないと着地した足で無理やり体を引っ張らないと、重心が移動させられません。


    そんな走り方をしてたんじゃサブ3.5はおろか、サブ4も叶いません。

    「骨盤を立てる」とは?

    厳密には同義ではありませんが、「骨盤を立てる」というのは「背筋を伸ばす」ことと思ってください。ひとまず。


    後ろに反っていたり猫背だったりすると、脚の付け根から脚が上げられません。


    脚を上げずに、足先を伸ばそうとするとカカト着地になる。
    カカト着地を繰り返すとヒザ痛の原因になる。

    故障してしまっては、大会への参加すら危ぶまれます。

    そういう意味でもまず普段の姿勢から矯正するようにしましょう。


    よく云われるのは「頭の先から糸が出ていて、空からその糸で引っ張られているイメージ」。

    個人的には「お腹のみぞおちの辺りを高くするイメージ」がしっくり来るかなとおもっています。

    「股関節を稼働させる」とは?

    脚の付け根、すなわち股関節から脚を動かすことで、

    • 大殿筋
    • ハムストリング

    の大きい筋肉をメインに使って走ることができるようになります。


    股関節が広がらないと、代わりに着地位置が近くなり、その分ふくらはぎで蹴ることにパワーを要するようになってしまいます。

    ふくらはぎのような小さい筋肉はすぐにエネルギーが切れてしまうので、足攣りを引き起こしやすいです。


    脚が攣ってしまうと一気にペースダウンします。下手したら肉離れを起こすリスクさえあります。

    なので、股関節を大きく使えるように意識し、トレーニングを重ねましょう。


    ふだんから股関節のストレッチは大事なのは、そういうことなんです。

    「肩甲骨を閉める」とは?

    肩甲骨を閉める、つまり左右の肩の骨どうしをくっつけようと意識すること。

    「内旋(ないせん)」とも云います。


    腕の動きは脚と連動しているので、脚が疲れているときは腕を振ることで脚の動きをサポートすることができます。


    肩甲骨の柔らかさで、タイムも変わります。

    走る前のウォーミングアップに肩甲骨をほぐす動作は必ず入れましょう。


    また、肩甲骨を閉めてみるとわかりますが、胸を大きく張ることになります。

    それにより肺を大きくすることができ、 酸素をたくさん取り込んで呼吸することができるようになります。


    肩甲骨はまじで大事ですね。

    「下制する」とは?

    肩甲骨を下げること。

    これもやってみるとわかりますが、胸を張りつつ

    • 肩を上げたまま腕を振る
    • 肩を下げて腕を振る

    のとでは、後者のほうが肘(ひじ)が引きやすいとおもいます。


    腕の可動域が広がることによって、脚の運びをサポートしやすくなり、結果的に脚の負担が減ることになるのです。

    「重心の真下で着地」とは?

    フォアフットとかミッドフットとか聞いたことがあるかもしれません。


    でも、あれはあくまで結果論なので意識しなくて結構です。


    それより、お腹の位置を高くして、股関節を広げられるようになると、自ずと着地位置は前になっていきます。

    着地というより膝から下は無意識でいいでしょう。


    着地の大切さは、階段を下りるときに試してみると分かりやすいです。

    • かかとから下りると膝に衝撃がくる
    • つま先から下りるとふくらはぎに衝撃がくる

    だから脚の裏全体で受け止めたほうが、カラダへのダメージが緩和されるのだと。


    間違っても流行りに乗ってサブ4未達のランナーがフォアフットの真似事をしてはいけません。

    1年後、1kmあたり4分を切れるようになってきたら試してみてください。

    理想と現実

    いろいろ理屈では理解できても、なんだかんだ云って「理想的なランニングフォーム」のイメージが思い描けるかで変わってきます。

    そこで、理想と現実を知っておくことは大事です。

    YouTubeでフォローしよう

    やはり学ぶためには、お手本や教科書は必要です。

    なので、自分の理想とするフォームを持つ先生をフォローしましょう。


    私にとっては

    • 大迫傑 選手
    • 桐生祥秀 選手
    • モハメド・ファラー 選手

    です(一部短距離選手ですが)。


    とにかく走ってる様を目に焼き付けること。

    走りながら彼らの走りが脳裏に浮かべられるように目に焼き付けましょう。

    自分のランニングフォームを撮影しよう

    一方で自分のフォームを知っておくことも必要です。

    ためしに撮影してみましょう。

    凝った機材がなくても大丈夫。

    カメラ以外はぜんぶ100均で揃います。
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    • スマホ
    • スマホ用三脚
    • (あれば)広角レンズ

    ただ、覚悟しておいてください。


    自分のフォームのダサさに、ガッカリさせられるので


    でも、それがモチベーションになります。

    まだ自分には伸びしろがあるんだ!と。


    現実から目を背けず、すこしでも理想像に近づけるようお手本をコピーするように、憑依するくらい真似てみましょう。

    無意識でできるように

    フォームを矯正するのは時間のかかることです。

    何せ自分のクセを直す作業になるわけですから。


    それでも、知っているのと/知らないのとでは大違い。


    まずは意識するところから始めましょう。

    意識を継続することで、習慣化できます。

    習慣化できると無意識にフォームが整うようになります。

    無意識にできることで、ラクに走れるようになるんです。


    コツコツ積み重ねですね。

    貯“筋”しよう

    少し私の失敗談を話しますが、サブ4が達成できなかった頃のランニングフォームは「走るのが辛くなってきたら、正しい姿勢にトランスフォームする」というような走り方をしていました。

    辛いときに姿勢を正せばラクになるのでは、と誤解していたからです。


    でも、実際その時点でほとんど貯金を使い果たしているので、フォームを維持するエネルギーも枯渇しており、まったく持ちません。


    やはり、ランニングフォームは辛くなったら変えるのではなく、最初から意識しておき、辛くならないようにカラダをケアし続けてあげる行為なんだとおもいます。


    それが貯金ならぬ“貯筋”になるのです。

    フォーム改革のメリット

    ちょっと話はそれますが、ランニングフォームはサブ4達成以外にもメリットがたくさんあります。


    フォームを意識する前は下記の問題に悩まされていた時期がありました。

    • 肩こり
    • 膝の痛み
    • 有痛性外脛骨
    • ふくらはぎの痙攣

    しかし、フォームを意識するようになってからあらゆる問題が解決しはじめました。


    過剰なトレーニングもあるかもしれませんが、ランニングによる故障原因の大半はフォームにあるんじゃないかとおもっています。

    あっぷりへんしよん ~最大のケアはランニングフォーム改革~

    最後にもう一度云います。

    ランニングにおける最大のケアは、正しいフォームで走ること

    サブ4のためにサブ3.5を目指すとなると、必ずカラダに負担がいきます。


    高強度なトレーニングをはじめるまえに必ずフォームを整えるようにしましょう!