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ペース走とは?走り方・使い方を改めて見直そう

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こんな方にオススメの記事
  • 「ペース走」ってよく聞くけど…ぶっちゃけどんな練習か分からない

  • ジョグやLSDとは違うの?

  • どんなときに使えばいいの?


  • 分かっているようで、よく分からないペース走。

    便利なようで、使いどころが難しいペース走。

    カンタンなようで、難しいペース走。


    今回はそんなペース走の走り方・使い方をご紹介します。



    ペース走とは何か?

    ペース走とは、そのまんま

    一定のペースで長時間・長距離走ること
    です。
     
    ペースランニング」や、略して「ペーラン」と呼ばれたりもします。


    走る前に距離とペースを決め、同じペースで走り続ける。

    もうそれだけです。

    ペース走が簡単のようで難しいワケ

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    一見、単純なペース走。

    でも、いざやってみよう思うとどうしたら良いかがよく分からなくなってしまうのは、その自由度の高さにあるんだと思います。


    なぜなら、どれくらいのペースで距離を走るかは、その人がメインに据えている競技によってまったく異なるからです。

    1500m~5000mが主戦場の人と、ハーフやフルマラソンがメインの人とでは、ペース走で走るペースも距離も違います。


    このブログは、マラソンランナー向けですが、それでも走力や走る時期によってペースも距離もまちまちです。

    それでも少しは基準があるはず!と思い、整理してみました。

    ペース走の走り方

     
    前述したように、ペースも距離も自由ですが、マラソンのための練習においては、大まかに

    • 10km~30kmくらいの距離を
    • EペースからMペースくらいの範囲で

    走るイメージで問題ありません。

    時期に合わせたペースで

    ペース走は時期によって、走るペースや距離を変えます。


    たとえば、

    • 脚づくりの時期ならゆっくり、長めに
    • スピード養成期なら速めに、短く
    • タイムトライアルなら速めに、長めに

    など、時期により設定ペースは変えられます。


    VDOTでいうところの

    • 速め=レースペース(Mペース)
    • ゆっくり=楽に走れるペース(Eペース)

    です。


    ペースはざっくりこんな感じ。

    目標タイム 速め ゆっくり
    サブ5 7'00 8'00
    サブ4.5 6'20 7'20
    サブ4 5'40 6'35
    サブ3.5 5'00 5'45
    サブ3 4'15 5'00


    距離は往々にして

    • 短めなら10km~20km
    • 長めに走るなら20km~30km

    くらいでしょうか。


    ペースと距離が決まれば、自ずと走る時間も決まりますね。

    もちろん、時間から逆算して距離を決めてもOKです。

    平坦なコースで

    高低差にアップダウンがあるとペースが乱れます。

    できるだけアップダウンや信号が少ない平坦な道を選びましょう。


    堤防や農道がオススメです。

    一定のリズムで

    ペース走は別名「テンポ走」と呼ばれます。

    その名のとおり一定のテンポ・リズムを刻むことが大事です。


    私がよくお世話になるのは、脳内BGM。

    このテンポの曲だと、これくらいのペースで走れるな

    という曲をいくつか頭の中にストックしておくと便利でしょう(o^-')b

    ペース走の効果

    ペース走はペースの上げ下げがないので、比較的疲労がたまりにくいトレーニングです。

    しかし、この中でもしっかりトレーニング効果は期待できます。

    持久力の向上に

    同じペースで走っていても、長時間走ることで次第に疲労がたまっていくので、相対的に後半は辛くなります。

    失速しそうなところを同じペースで耐えることによって、終盤に踏んばるための持久力が養えます。

    集中力の養成に

    すっと同じペース、同じフォーム、同じピッチで走ることを意識します。

    最初はランニングウォッチやアプリを確認しながらペースを確認しますが、その後はできるだけ頼らずに感覚で走るのがポイントです。


    どれくらいのピッチ(歩数)、ストライド(歩幅)で刻むと、設定ペースを守れるのかつかめるとペースを見続けるストレスから解放されるからです。


    そのためには、集中し続けること。

    これがいちばん難しいんですけどね^^;

    ペース走の使いドコロ

    それなりに快適なスピードで距離を稼ぎ、それなりのトレーニング効果が期待できるペース走ではありますが、唯一の欠点が

    単調で飽きること
    にあると思っています。

    なので、いろんな練習と組み合わせることで、より有意義に取り組めるようになるでしょう。


    たとえば、

    • マラニックと組み合わせる
    • SITと組み合わせる
    • セット練にする
    • 予行演習にする
    • 複数人で走る
    上記のとおり、あえて本末を転倒させるのも一手です。

    マラニックと組み合わせる

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    マラニックとは「マラソン+ピクニック」を組み合わせた造語。

    本来、時間やペースは決めず、食べたり飲んだりしながら行きたいところを目指すランニングのことをいいます。


    私からの提案は、そこにペース走を組み合わせることです。

    ジョグやLSDほど時間をかけず、ある程度の負荷をかけながら行きたいところへ行けるので、遊びとトレーニングが両方楽しめます


    個人的にいちばん気に入っているトレーニングです。

    行きたい場所にもよりますが、片道5km~20km程度、合計10km~30kmくらいの距離が目安でしょうか。

    SITと組み合わせる

    ペース走をSIT(Sprint Interval Training)など、インターバル系のトレーニングと組み合わせて、マラソン後半のスタミナを養う方法もあります。

    • SIT 6~8セット
    • ペース走 10~15km

    前半に糖を使いきって後半は脂肪を燃焼しながら走る、いわゆるガチユル走です。

    フルマラソンでいう30kmの疲労困憊した状態を擬似的につくりだして、そこから残り12kmを耐える目的にペース走は使えます。

    セット練

    2日連続で強度の高い練習をすることをセット練といいます。

    • 1日目 インターバル走や閾値走、峠走など
    • 2日目 ペース走15km~20km

    考え方はガチユル走と同じです。

    1日目の練習でカラダを追い込み、完全復活する前にペース走で追い打ちをかけましょう。

    レースの予行演習

    一定のペースで走り続けることは、レースで集中力を切らさず耐える練習になります。

    飽きることに、あえて耐えることでトレーニングになるのです。


    また、レースより短い距離をレースペースより少し速めに走り、負荷をかけていくという使い方もできます。

    複数人で走る

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    一人で走る(単独走の)場合は、ペースの上げ下げは自由ですが、複数人で走るときは、ペースを定めたほうが、全員が走りやすいです。

    これはレベルが異なるメンバーでも、一緒に走れるメリットがあります。


    たとえば、サブ3.5のランナーにとってのMペースとサブ3ランナーにとってのEペースはほぼ同じです。


    ただし、その場合は必ずレベルが高い方が休息のタイミングをコントロールすること。

    同じペースで走っていてもかかっている負荷はそれぞれ違うので。

    自由度の高さを利用する【裏ワザ】

    最後に裏ワザをご紹介して終わります。


    よくも悪くもペース走にはその自由度の高さが特徴であることが、お分かりいただけたとおもいます。

    もしうまくペース走ができなかったときは、それを逆手にとりましょう。

    たとえペースを守れなくたって、成功したことにしてしまうのです。

    どういうことか。

    Mペースを狙っていたのに、Eペースになってしまった…orz

    そんなの、他人は知ったこっちゃありません。


    それよりも

    Eペースでのぺーラン成功 ( ̄ー ̄)v

    と切り替えたほうが、自分も周りも気持ちがいいものです。

    たとえば、こんな感じに。


    逆に設定が甘ければ、ラスト上げて気持ちよく終わることもできます。


    トレーニングで大事なのは設定を守ることではありません。

    自己肯定感を守ることです。


    良いこと云っちゃった (*/∀\*)

    まとめ

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    自由度が高いがゆえに使いドコロが難しいペース走ですが、

    • 時期によってペースと距離を変える
    • 他の練習と組み合わせる

    ことで、だいぶ使いやすくなるとおもいます。


    中には、

    なーんだ、今までやってたのがペース走じゃん
    という方もいるかもしれません。


    それくらい身近で単純ですが、「ペース走」であることを意識すると、よりトレーニングに深みが出てくるとおもいます。

    意識が変われば、効果も変わります。


    ぜひ、ペース走を自分のものにしてしまいましょう!