こんな方にオススメの記事
いきなり変な質問をします。
- マラソンは1人で走りきらねばならないと思っていませんか?
- もし、2人で走れるとしたらどうでしょう?
なんとかサブ3.5達成できそうな気がしませんか?
アナタの中の魔法使いを喚びおこし、恐るべきモンスターを退治しにいこう。
(最後におまけのクイズもあるよ!)
サブ4とは違う壁
サブ3.5を狙うにあたって、ご自身がサブ4を達成したときのこともう一度ふりかえってみましょう。
- 終始イーブンペースで走り、後半上げてフィニッシュできた
- 30km以降失速したけど、それまでの貯金があったので何とか達成できた
サブ4は得意分野だけで勝負できる
サブ4は自分の強みを伸ばせば、ニガテを克服しなくても、何とか得意分野だけで勝負できました。
スピードタイプなら、速めのペースで30kmくらいまで貯金を作っておいて、残りは歩いたりジョグしたりしながらゴールすれば達成できなくはない。
スタミナタイプであれば、ゆっくり温存しながら4時間ジョグできれば超えられなくはない壁。決してゼーハーするほどスピードは上げなくても達成できる。
ニガテと向き合うサブ3.5
しかし、サブ3.5ともなるとそう簡単にクリアはできなくなります。
ニガテ意識をもったままでは立ち向かえない相手なのです。
自分は何がニガテなのか、真摯に向き合い、分析をするところからはじまります。
私の場合
以下、恐縮ですが、私の実例から比較をさせていただきます。
サブ4
- タイム 3:54'36
- 前半5'00/kmペース
- 28kmから急激に失速
サブ3.5
- タイム 3:27'29
- 前半4'45/kmペース
- 35kmから急激に失速
相違点
いずれも前半つっこんで、後半歩いたり走ったりしながらフィニッシュを迎えています。
走行ペースも1キロあたり15秒ほど速いかもしれませんが、そんなに大きく変わっていません。
しかし、決定的な違いは失速ポイント(俗にいう「30kmの壁」)の来るタイミングです。
もしアナタがこういう後半失速タイプであれば、以降の「RPG大作戦」は壁攻略のヒントになるんじゃないかとおもいます!
RPGに例えてみよう
例えばこんなゲームの世界観をイメージしてみます。
- スタートと同時に獲得ポイントが減っていき、ゴールタイムが速いほうがレベルアップしやすく、遅いほどレベルが上がらないとする
- ゴールは42.195km先にある
- アナタ(主人公)は戦士で、仲間に魔法使い見習いが同行している
- 道中、幾度かにわたってザコキャラが襲ってくる
- 終盤には地獄の門番がボスとして立ちはだかっている
終盤のボスまでをどうやって進むか、ボスをどう乗り越えるかで獲得ポイントが変わってくる。
そんなRPG(ロールプレイイングゲーム)だとしましょう。
サブ4の戦い方
サブ4は戦士の剣だけで挑むのと一緒なんですよね。
最初はそれだけでも結構勝ち進める。
でも終盤、体力が削られてる状態でボスと対峙することになるのでボロボロに打ちのめされてしまう。
最後は這うようにゴールです。
- 基本的にソッ君一人で戦う
- チーちゃんは戦力外
- ボスが30km手前で出現
- 疲弊しているソッ君はあえなく撃沈
サブ3.5の戦い方
一方、サブ3.5の戦い方は戦士一人ではなく、魔法使いと二人で挑みます。
序盤はサブ4と同じように戦士の腕力でねじ伏せていきます。
しかし、やはり終盤にボスが待ち受けています。
サブ4と違うのは、魔法使い見習いに魔法が使えるようになっていることです。
これが大変ありがたい、おかげで体力が温存できます。
そして、サブ4のときより戦いやすくなるのです。
もちろん、無傷では帰れませんが。
- 前半はソッ君がメインで戦う
- ボスは35km地点で出現
- チーちゃんの魔法で攻撃
- 苦戦を強いられるも何とかクリア
サポート役を育てる
冒頭の質問にもどります。
- マラソンは1人で走りきらねばならないと思っていませんか?
- もし、2人で走れるとしたらどうでしょう?
さすがに2人では走れません。
でも、カラダの中に2つ人格があるんだとおもってみてください。
- 戦士としての人格
- 魔法使いとしての人格
もしくは。
- 短時間しかもたないけど素早く走れる人格
- ゆっくりだけど長時間走れる人格
どちらかひとつではなく、誰もがかならず2つの人格をもっています。
ただ、その割合が違っていて、その結果
- スピードタイプなのか
- スタミナタイプなのか
が分かれたりするだけなのです。
そこを自分のタイプだけで勝負できたのがサブ4。
苦手なタイプも補強しなければならないのがサブ3.5。
だから、戦士タイプのあなたは自分の中の魔法使いを育てれば、サブ3.5できる!ということなんです。
敵を手なづける
じゃあ、どうするか?
味方を育てつつ、もうひとつやるべきことがあります。
敵を手なづけることです。
どういうことかというと ──
/
— アオヤマユウキ🌵MADANAO-RUNNER (@you_key69) 2020年5月16日
マラソンにおける敵は誰か?
\
必勝法は秀吉が後世に教えてくれています。
戦わずして勝つ「調略」です
もし敵が“30kmの壁"だとしたら何度も「壁」との対話を重ね、手なづけましょう。
つまり、たくさん30kmを走りにいけばいいのです😌
そうすれば相手も貴方に譲歩してくれることでしょう。 pic.twitter.com/2uEuwkqtSc
秀吉がごとく「調略」しましょう。
会った回数と親近感は比例します。
最初は恐ろしかった“壁”も、何度か会ううちに話をきいてくれるようになるんです。
会いに行くのは大会本番だけじゃダメです。
しっかり練習中に会いにいきましょう。
大会のときにだけ会いに行っても、“壁”は練習中に会いにいった人のほうに優しくします。
信頼関係がちがいますから。
同じ人や物に接する回数が増えるほど、その対象に対して好印象を持つようになる
これを心理学では「ザイオンス効果」といいます。
なので、厳しい現実ですが、何度も30km走を重ねるしかないのです。
ちなみに、“壁”につたえるべきことは「もう少し後に出てきて」です。
そうすれば、30km地点ではなく、徐々に33km、35kmと登場を遅らせてくれるようになります。
本当は戦わないのが理想なんですが…それはさらに上のレベルへ行ったときの楽しみにとっておきましょう。
具体的なトレーニングは?
さて。サブ4からサブ3.5へのステップアップには
- サポート役を育てること
- 敵を手なずけること
じゃあ具体的にマラソンのトレーニングとしては何をすればいいんでしょうか?
この両方を一挙に実現できるのが「33km走」です。
33kmをオススメする理由
なぜ33km走なのか?
それは
33km走は、読んで字のごとく33kmを走るトレーニングです。
しかし、もちろん単にのんべんだらりと33kmを走るだけではダメです。
壁にぶち当たったら、振り返って、また次回に気をつけることを書き出す。
たとえば、
- ペース
- フォーム
- 補給食と摂るタイミング
等。
そして次回ためしてどうだったか確認するんです。
/
— アオヤマユウキ🌵MADANAO-RUNNER (@you_key69) 2020年1月25日
実験するようにトレーニングしよう
\
ほぼ同じ33kmコースを2回走ってみて
🔽前回
・Mペース
・BCAAを携行
→速いけど30kmで撃沈
🔽今回
・Eペース
・マルトデキストリン携行
→遅いけど33km持続
🔽次試すべきは
・Mペース
・マルトデキストリン携行
これは最速になる組合せを探すゲームだ😌
お分かりかと思いますが、1回じゃダメです。
慣れるまで、恐怖心がなくなるまで、何度もなんども挑むのです。
私の33km走と月間走行距離
私がサブ3.5を達成したのが3月1日でした。
サブ4を達成していたのが11月10日だったので、そのちょうど4ヵ月後。
33km走は2ヶ月まえの1月から開始しています。
- 1月
- 月間走行距離は229.km
- 33km走(近似含む)3回
2月も継続。
- 2月
- 月間走行距離は185km
- 33km走(近似含む)3回
2月の最終週はテーパリングに入っているので、月間走行距離としてはそんなに長く走っていないほうだとおもいます。
当時はセット練やガチユルという概念も知らなかったし、二部練みたいな練習もやっていませんでした。とにかく33km偏重。
故障しないためにも、平日はすくなめ、休日に長めというメリハリも大事ですね。
私の33km走に対するこだわりは別記事に書いているので、よろしければご覧ください。
ゲームを続けることで得られるもの
とにかく33kmを走っていたわけですが、仮説と検証をくりかえすゲームのようなものです。
その過程で、30kmをぶち抜くために最適な
- 筋力
- ペース
- フォーム
- 補給食と摂るタイミング
を身につけていく。
それがとりもなおさず、アナタの中の「魔法使い」です。
そして30kmの壁に何度も挑戦することで、“壁”にも慣れる。
それによって
- スタミナがついてボスの出番を遅らせられる
- ボスと対峙する恐怖心を和らげることができる
という効果が発揮されるのです。
これが、チーちゃんが魔法で門番ベーカを倒してくれる所以なのでありますw
その他の敵
もし30kmの壁以外にアナタを阻みがちな敵(=ニガテ)があるなら克服しておきましょう。
他の不安要素もつぶせるに越したことはありません。
たとえば、サブ4達成したときこんな状況はなかったでしようか?
- トイレに行ってしまう
- 息が上がってしまう
- お腹が空いてしまう
- 脚が攣ってしまう
何とかサブ4は達成したけど、この課題はつぶしてかなきゃなァ…
というのが次、重点的に対策をうつべきトレーニングになってきます。
たとえば、さきほどの例でいうと
- トイレに行ってしまう → 水分補給を工夫する
- 息が上がってしまう → スピード練習をする
- お腹が空いてしまう → 補給食を考える
- 脚が攣ってしまう → フォームを見直す
RPGでいうところの
- 装備
- レベル上げ
- 回復アイテム
ですかね。
万全を期して臨みましょう。
私のサブ3.5
本番
最後に参考までに私のサブ3.5した当日の記事を貼っておきます。
ペースや補給食、装備などの参考にしてください。
試験
本番前に不安を払拭するための、試験用トレーニングもあります。
その名も「卒検(ソツケン)」。
15kmのビルドアップです。
本番に臨むまえに、ぜひお試しください。
あっぷりへんしょん ~サブ3.5はゲームだ~
最後にまとめます。
- サブ3.5の戦い方
- 二重人格で戦う
- 強敵30kmの壁に何度も挑んでおく
→効果的な練習法は「33km走」
サブ3.5を目指してひたすら33kmを走り続けていた頃、
- 30kmの壁にチャレンジしては挫けて
- 別の方法を試してようやくクリアして
まるでゲームみたいだなとおもっていました。
この記事から少しでもその考え方が伝わると嬉しいです。
サブ3.5に限らず、楽しみながらレベルアップを図っていきましょう!
おまけのクイズ
文中に出てきた登場人物名
- ソッくん
- チーちゃん
- ベーカ
- ツリリン
の由来はわかるかな?
さあ、みんなで考えよう!