こんな方にオススメの記事
いきなり結論!
5kmを18分台(19分切り)で走れるようになるためには、どのような練習を積めばいいのか?
いきなり結論を書きます。
- 条件
- 10km 40分切りをクリアしていること
- トレーニング
- 週1,2回 SIT
- 週2回 15km以上(閾値走またはウェーブ走含む)
- 閾値走 20分(4'04/km)
- ウェーブ走 5セット(4'22/km⇔3'48/km)
- テスト
- 12分間走 3,250m(3'41/km)
というかたはコチラをご参照ください▼
という方は、引き続き読みすすめてください。
ちゃんと説明しますので!
5km・19分切りの難易度
すなわち、19分切って走るのはどれくらい難しいのか。
- 平均ペース 3'48/km
- 割合 上位5%前後
- VDOT 約53
ネットやSNSを徘徊していると、皆さんレベルが高すぎて感覚が麻痺してきそうですが、5km・19分切りは約5%程度のランナーが到達している領域です。
20分切り(19分台)の頃とはうってかわって、5kmを3分40秒台で走り続けなければならないので「苦しい思いをして、ようやく20分切れた」という時点では、想像を絶する難易度でしょう。
でも、大丈夫。
やれば、できます。
私も同じ苦難を乗り越えてきました。
しかも、サブ3のVDOTは54ですし、サブ3狙いなら19分切りはぜひとも通過しておきたい関門です。
攻略法
5km・19分切りを達成するには
つい、5km・20分切りしてから
となりがちですが、早まらないでください w(°o°;)w
冷静に考えると、20分切りの時より1kmあたり12秒もペースを上げなければなりません。
あの苦難を思い出すと、吐きそうじゃないですか? ^^;
なので、個人的な意見ですが、5km・20分切りしてすぐに19分切りを目標にするのではなく、むしろ一旦5kmから離れて考えたほうがいいとおもいます。
ロードマップ
マラソンランナーならば、5kmにこだわる必要はありません。
たとえば、
- ハーフのサブ90
- 10kmの40分切り
等、5kmとは違う角度からアプローチをしてみて徐々に18分台に肉迫していけば良いのです。
ダニエルズ式のVDOT的には
VDOT | 距離 | タイム | ペース |
---|---|---|---|
50 | 5km | 20分切り | 4'00/km |
51 | Half | 90分切り | 4'15/km |
52 | 10km | 40分切り | 4'00/km |
53 | 5km | 19分切り | 3'48/km |
の順にクリアしていくのが良いとおもいます。
何事も
小さいハードルを少しずつ超えていく中で、いつの間にか5km・19分切りに近づいていたという状況が自然に作れていると理想的ですね。
くり返しになりますが、フルマラソンのサブ3を念頭において、10km・40分切りはぜひとも達成しておきましょう。
10kmをキロ4分以内で走りきれると「5kmなら3'48/kmで走れるかも?」という自信にもつながるからです。
練習メニュー
5km・19分切りに限った話ではありませんが、目標タイムをクリアするにあたっては
- 短くても目標ペースよりも速く走る練習
- 遅くても目標距離より長く走る練習
- 目標ペースでカラダを慣らす練習
それぞれの目的は以下のとおりです。
- 3'48/kmを楽に感じさせるため
- 5kmを短く感じさせるため
- フォームを確認するため
なので、ざっくり
- 5km未満の距離を3'48/kmより速く走る
- 5km以上の距離を3'48/kmよりゆっくり走る
- 数百mを3'48/kmで走る
そのような考え方のもと、実際に私が励んでいたトレーニング例を紹介します。
スピードに慣れる「インターバル走」
まずは、3'48/kmを楽に感じさせるためにインターバル系のトレーニングでスピードを養います。
私は、SIT(Sprint Interval Training)信者なので、SITを週に1,2回やりました。
やり方は
短距離ダッシュが苦手な方は、もちろんほかのインターバル系トレーニングでも良いです。
たとえば
- ヤッソ800
- レペティション
- インターバル走
いずれにしても5km・19分切りはほぼ、VDOTでいうIペースで走り切ることになるので、設定どおりのインターバル走ができないと達成は厳しいです。
VO2Max(最大酸素摂取量)を高める!という生理学的な意識も大事ですが、とにかく感覚としてキロ3分台を当たり前にすること。
3'48/kmをラクに感じられるように速いスピードを出すことを日常的に繰り返し、慣れることに注力しましょう。
距離に慣れる「距離走」
一方で、5kmを短く感じさせるために、ふだんからある程度の距離も走っておくことも欠かせません。
週に15km以上は3回走っておきたいですね。
5kmのタイムトライアル(以下、TT)だけをターゲットにするならそれだけで充分かもしれませんが、最終的にフルマラソンを念頭においておくと、
- ミドル走(15km前後)週2,3回
- ロング走(20~30km)週1,2回
くらいは走っておいて、距離に対する耐性はつけておきたいです。
そして、ただ長めに走るのではなく、同時に負荷をかけることも忘れてはなりません。
閾値走
たとえば、スタミナをつけるためにやっておきたい閾値走。
これをミドル走に組み込みます。
19分切りのVDOT=53では、Tペース(閾値ペース)が4'04/kmです。
閾値走は20分以上走ることで効果が生まれると云われます。
そうです。
冒頭で5km20分切りのあと、一旦5kmから距離をおいたほうがいいといった理由は、ここにあります。
走力がつかないまま、このペースで閾値走を走るのは、日常的にはタイムトライアルを走っているのと同じような状態なるので、カラダへの負担が大きすぎるんですね。
そういう意味でも10km・40分切りを先にクリアしておくのは至極まっとうな選択なのであります。
オススメはビルドアップ走
さて、ある程度の距離を走りつつ、閾値走並みの強度を味わうのにオススメなのが「ビルドアップ走」です。
15kmを3分割して
①をウォーミングアップ代わりにして、②でMペースで慣らし運転、③でTペースを20分走れるので、気持ちよく負荷をかけていけます。
5kmTTに限らず、この閾値走は使い勝手がいいですよ ^^b
苦しい時はクルーズインターバル
4'04/km・20分の設定が苦しくて守れない場合は、閾値走を複数回に分けて「クルーズインターバル」にしてもOKです。
- やり方
- 閾値ペース(3分~15分)
- レスト(疾走時間の5分の1)
- 疾走時間が合計20分以上になるように繰り返す
- 例
- {4'04/km 7分 + ジョグ 90秒}x 3セット
- {4'04/km 10分 + ジョグ 120秒}x 2セット
徐々に分割回数を減らして、1セットで走り切れるように慣らしていきましょう。
ロング走
週に1, 2回は最低20km走るようにしておきたいです。
ペースはEペース〜Mペースで構いません。
30km走れると尚のこと良いです。
と思うかもしれません。
おっしゃる通り、確かに「いかに5kmが短い距離だと脳に刷り込めるか」も大事です。
が、一方で「盲目的に5kmTTをやってるわけじゃないよ」と定期的に訴えかける必要もあるとおもっています。
何度もいいますが、あくまでも最終目標はサブ3なので。
そういう2つの意味で、5kmのためにもロング走は欠かさず走り続けるべきなのです。
ペースに慣れる「ウェーブ走」
ウェーブ走
- 緩 4'22/km
- 急 3'48/km
緩1km⇔急1km x5セット
これはチャレンジ前に必ずこなしておいてほしい練習です。
レストをはさみつつ、単純にTTの距離を5分割してTTのペースで走るウェーブ走なので、ペースを揺さぶられるものの、これがこなせないと厳しいです。
これが走れる前提で、大事なのが
5回訪れるインターバルの中で「3'48/kmどうすればラクに走れるか」を習得できるかが、今後を左右します。
どこまで一般性があるか分かりませんが、私の場合は
- 腕をリズムよく、強めに振る
- 腿(もも)を上げる
- 前傾する
すると、勝手にスピードが上がる ── そういう感覚を養いました。
フォーム以外にもピッチをどこまで上げると呼吸が苦しくなるかというような点も、ここで確認しておくと良いでしょう。
ちなみに私の場合は180spmが最適でした。
実力テスト
上述のトレーニングを続けていくと、確実に下地は整ってきます。
いつでもTTに挑戦できるように、定期的に実力テストをして現在地を把握しておきましょう。
下記のいずれかのテストがクリアできれば、5km・19分切りが期待できるといえます。
クーパーテスト
これができればかなり自信になります。
この安心感は大きいです。
私もこのタイミングで19分切りに挑戦してみる気になりました。
3km走
クーパーテストは時間で区切れるので気に入っていますが、短い距離のタイムトライアルでもテストになります。
3kmを11分のペース(3'40/km)で走ることができれば、手堅いでしょう。
私の場合
恐縮ではありますが、私の実績も参考例として掲載させていただきます。
結果
まずは記録から。
- 2020年10月4日
- 曇・21℃
- 18'38"(3'43/km)
向かい風もなく、曇天で走りやすい日でした。
直近の練習スケジュール
直近1ヶ月間は結構バリエーションに富んだ練習をしていました。
- 月
- 休足
- 火
- ジョグ+WS
- 水
- 以下のいずれか含む15km
- ビルドアップ走
- 閾値走
- ウェーブ走
- 以下のいずれか含む15km
- 木
- SIT
- 金
- 休足
- 土
- クーパーテスト
- 5kmTT(失敗)
- 日
- 以下のいずれかを含むロング走
- Eペース 30km
- LSD 23km
- ファルトレク
- 以下のいずれかを含むロング走
特に大事にしていたのは、水曜日のミドル走と土日のセット練でした。
コース
クーパーテストで使っている1周約2kmの農道コースを使ってTTしました。
アップダウンもなく、道幅も広く見通しも良い天然のトレーニングフィールドです。
ウォーミングアップ
TTの前にはお約束的にやるウォーミングアップアップがこちら。
ジョグ
ジョグは特に時間や距離は決めていませんが、ゆるーく始めて、10分〜15分ほどでしょうか、自然とEペース辺りに上がるまで走ります。
意図的にペースを決めて上げるのではなく、カラダが自然と温まるのを待つ感じですね。
WS
ジョグより特に大切にしたいのが、WS(ウィンドスプリント)です。
30秒ないし200m程度の距離または時間を8割くらいの力でダッシュします。
このとき、3'30/kmくらいのスピードは出しておきたいです。
WSには以下の3つの目的があり、
- ウォーミングアップのため
- フォームの最終チェックのため
- 目標ペースをラクに感じさせるため
5kmに限らず、タイムトライアルに臨む前は、ぜひ上記3点を意識してWSを取り入れてみてください!
装備
- asics シングレット
- SKINS ハーフタイツ
- asics GEL-DSトレーナー23
なんだか、結局asicsが増えてきてしまいました。
ペース配分
ペース配分は、イーブンペースで。
20分切りのときに
- 後半あげるネガティブスプリットだと走力以上の出力が必要になる
- 前半突っ込むポジティブスプリットは後半ずっと辛いまま
という教訓を得たので。
イーブンペースで巡航し、ラスト1割くらいで余裕があれば上げるくらいの気持ちで良いとおもいます。
経験上、ハーフくらいまでの距離なら変なことを考えずにイーブンでOKです。
アラート
目標ペースは3'48/kmですが、少し保険をかけて3'45/kmを狙いました。
よってGARMINウォッチでも
出だしとラストスパートをかけた時以外は警告をくらうことはなかった気がします。
脳内BGM
ピッチ(1分あたりの歩数)は20分切りのときと変わらず180spmで刻みました。
脳内BGMは、相変わらずGLAYの『誘惑』です。
もうずっとこの曲のイントロが無限ループしています。
ラストスパートのみ、無心で走っていたので、記憶にございませんが ^^;
【マル秘】3つの必勝法
究極のトレーニングは「5kmTT」
はい。
結局のところ、何度もTTにチャレンジして失敗しておくことが大事だと思うんです。
おはようございます!
— アオヤマユウキ🌵MADANAO-RUNNER (@you_key69) 2020年9月26日
/
🏃5kmTT
⏱️19'25(3'53/km)
🛣アップ/ダウン他 計13.3K
\
19分切りならず!偶数周の向かい風に玉砕された儚きメンタル😭
PBは更新したものの、あたしゃ認めないよ!成長曲線的にはOKですが、気持ち的にNGなのでリベンジして上書き更新します💪
皆様も良い一日を! pic.twitter.com/EXS7Huatni
その失敗から要因をつかみ取ることがいちばんの近道なんですよね、実際は。
人それぞれ失敗要因は違うものなので。
成功すればラッキー。失敗しても、その経験と引き換えに確かな経験値が得られます。
しかも、これは5km走の特権ともいえます。
というのも、フルマラソンのために毎週42km走れとはいいませんが、ムチャさえしなければ5kmなら1週間でダメージは回復できるのです。
ちなみにムチャをしなければならないくらいなら辞めたほうがいいです。
目標達成するときは得てして余裕をもって上げられるときなので。
上げグセをつけておく
私が個人的に意識しているのが、
決していつもビルドアップしろとか、ネガティブスプリットでということではなく、ラスト数百mでいいので一本強めのスプリントを入れておくのです。
そうしておくと、スパートするためのエネルギーを予備タンクに確保しておき、いざというときに発動させるということが無意識的にできるようになります。
おかげで
- クーパーテスト
- 10km・40分切り
- 5km・19分切り
もすべてラスト上げてクリアすることができました。
これは一朝一夕では培えないので、普段から意識してみてください。
あえてこだわらない
何度も申し上げて恐縮ですが、あえて5kmにこだわらないところが意外と大事だと思っています。
先ほどあくまでマラソントレーニングだからともいいましたが、距離に縛られないほうが色んなトレーニングを取り入れる意識が働きます。
そして結果的にスピードもスタミナも総合的に鍛えられるというメリットもあると思うのです。
よって
- VDOTを上げるため
- 総合力を身につけるため
- フルマラソンに対する距離耐性のため
おわりに
最後にもう一度、結論です。
- 条件
- 10km 40分切りをクリアしていること
- トレーニング
- 週1,2回 SIT
- 週2回 15km以上(閾値走またはウェーブ走含む)
- 閾値走 20分(4'04/km)
- ウェーブ走 5セット(4'22/km⇔3'48/km)
- テスト
- 12分間走 3,250m(3'41/km)
この攻略法を実践できれば5km19分切りはほぼ手中に収められたと思っていいでしょう。
おめでとうございます!
しかし、ここでお終いではありません。
目標はサブ3!
VDOT | 距離 | タイム | ペース |
---|---|---|---|
53 | 5km | 19分切り | 3'48/km |
53.5 | 10km | 39分切り | 3'53/km |
54.5 | Half | 85分切り | 4'00/km |
次は10km・39分切り、そしてハーフのサブ85チャレンジですね。
偉大な目標に向かって、着実にステップアップしていきましょう!
武運を祈ります。