こんな方にオススメの記事
大丈夫。
すぐには衰えません。
しかも、筋トレをしておくことで
- 走力の落ち幅を抑えることも
- ランニングに復帰しやすくすることも
おすすめはダニエルズ博士直伝のサーキットトレーニング。
今回はその中から「レッグリフト」をご紹介します。
- どこでも自重でできる
- 短時間で体幹全体に効く
- 下腿へのダメージがゼロ
これをこなしておくことで安心して休みに専念できるでしょう(*^^)v
故障で休むと走力は落ちるのか?
結論から云うと
それはダニエルズ先生も名著『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』で証明してくれています。
以下は「休養日数別のVDOT調整指数」からの抜粋です。
休養日数 FVDOT-1 FVDOT-2 5日以内 1.000 1.000 6日 0.997 0.998 7日 0.994 0.997 10日 0.985 0.992 14日 0.973 0.986 21日 0.952 0.976 28日 0.931 0.965 ※FVDOT-1:脚を使った有酸素性トレーニングなし、FVDOT-2:脚を使った有酸素性トレーニングあり
参考:ダニエルズのランニング・フォーミュラ(第15章)より一部引用
最初の一週間はほとんど落ちず、休養日がのびるにつれて徐々に下降していくイメージです。
故障中でもトレーニングをする理由
しかし、すぐに落ちないからひと安心とはいかないのがトレーニングのおもしろいところ。
ランニングは休んでも、運動は続けたほうが良さそうです。
理由は以下のとおり。
- 走力劣化の抑制
- 体重増加の抑制
- 故障の再発防止
- 運動習慣の維持
落ち幅を下げる
さきほどの「休養日数別のVDOT調整指数」の表をグラフにすると以下のようになります。
この表で大事なのはFVDOT-2(赤色)の折れ線です。
FVDOT-1(青色)に比べて落ち幅が少なくなっています。
FVDOT-2(赤色)はランニングは停止するが、筋力トレーニングやバイク等のクロストレーニングを継続した場合の下げ率です。
たとえランニングは停止したとしても、補助的なトレーニングを継続することで走力の落ち幅を緩やかにできるということです。
体重増加を抑える
ダニエルズ先生はわれわれの体重のことまで気にしてくれます。
- 元の体重の体重を(A)とする
- 元のVDOTを(B)とする
- (A)×(B)を(C)とする
- (C)÷現在の体重を(D)とする
- (D)が体重調整後のVDOTである
上記の式に元の体重60kg、VDOT=50だったランナーが体重63kgに増えるとVDOTは47.6。
フルマラソン3時間11分くらいだったのが、3時間20分くらいになっちゃうのです。
体重1kgで3分速くなるってホントなんだ…
というように、休養期間中に体重が増えちゃうと走力に影響がでるよ、と博士は警鐘をならしてくれているのです。
そういう意味でも体重が増えないように、ほどほどに運動しておくことは大事といえますね。
ケガの再発を防ぐ
故障明けに筋力が落ちている状態で休養する前と同じ強度でトレーニングを再開してしまうと、筋力不足が原因で負荷に耐えられなくなります。
そしてケガを再発させてしまったり、別の部位を痛めてしまうリスクが上がってしまうのです。
先生もこう仰っています。
筋力トレーニングの一番の効果は、主だったランニング障害に対する耐性ができることにある。
つまり、筋力トレーニングによって走力が向上するというよりは、ケガに対する耐性ができるために、故障せずに走る量を増やしたり、スピードを出したりできるということだろう。
筋トレは走力を上げるというよりかは、ケガしない体づくり、継続的にトレーニングを積める土台づくりに貢献してくれているのです。
運動習慣を維持する
個人的にいちばん気にしているのが、ココですね。
人間というのは適応力が高いもので笑、3日も休むともう休むのに慣れてしまいます。
いちど休みグセがつくと、今度は重い腰が上がらなくなってしまうので。
せめて筋トレでもいいから運動を続けることで「サボってるわけじゃないんだよ」と脳に訴えかけることが大事だとおもいます。
朝ラン派が連続休足するリスクは走力が落ちることではない。早起き習慣がなくなることである。
— アオヤマユウキ🌵RECREATIONAL RUNNER (@you_key69) 2021年5月26日
しかし、冷静に考えれば「早起き」とは自分が何を大切にしているかの指標である。
言い換えれば、起きれないのではなく睡眠を大事にしている証拠なのだ。寝よう、寝たいなら。
──リトル・アオヤマ pic.twitter.com/aO4sNHj2Zx
ダニエルズ直伝のサーキットトレーニング
もちろん先生は言いっぱなしではありません。
どんなトレーニングをすればよいかも提案してくれています(ただし、第3版以降に限る)。
それが下記のサーキットトレーニング。
- 腕立て伏せ(プッシュアップ)
- 1分間最大回数の半分
- サイドレッグリフト
- 片脚10回ずつ
- ハイニー(腿上げ)
- 片脚30回
- クランチ(腹筋)
- 1分間最大回数の半分
- リカバリーラン
- 1分間走または400m走(速くなくて良い)
- ストレッチ
- 2分間
- スクワットスラスト(バーピー)
- 10回
- レッグリフト
- 片脚10回ずつ
- アーム・レッグフラッピング
- 上下20回
- リカバリーラン
- 2分間または800m走(速くなくて良い)
な、長ぇ…
しかも、これを
- 1週間に2,3回
- 1回あたり3セット
走ったほうがマシ…と思えるほどですw
しかし、
とも云えます。
全部やらないにしても、ニガテな部分は真摯に向き合ったほうが良さそうです。
何せ「補強」は弱点を補って強くすると書きますからね。
というわけで、それなりにランニングしていると自負していた私が、
とおもった「レッグリフト」(赤で囲ったトレーニング)をご紹介します。
レッグリフトのやり方
ダニエルズ先生はレッグリフト(レッグレイズ)を仰向けとうつ伏せの2パターンを指示されています。
仰向け
上記の動画は両脚を上げるレッグリフトですが、ダニエルズ先生は片脚ずつのレッグリフトをサーキットトレーニングに組み込んでいます。
- 仰向けになり、前腕で身体を支え、臀部を床から離す
- 片脚を曲げてバランスをとり、その高さ以上に、もう片方の脚を上げる
- 片脚10回ずつ行う
ただ寝ころがって下半身を上げるだけ…
にみえますが、見た目以上にキツいです。
これだけで腹筋と背筋にダブルで効きます。
うつ伏せ
- うつ伏せになり、前腕部で身体を支える
- 片方の脚はまっすぐ水平に伸ばしたまま、もう片方の脚を辛くならない程度まで引き上げる
- 片脚につき10回上げる
これまたキツい…
カラダの硬さが祟ってだろうか、内腿が攣りそうになります f^^;
脚の回転を支える内転筋ですね。
これだけの動きで効くのは驚きです。
レッグリフトのメリット
- 自重でできる
- 短時間で体幹全体に効く
- 下腿にダメージを与えずにできる
自重でできる
体幹をつかって下半身全体を持ち上げるのでめっちゃ効くんです。
下半身は全体重の33%~40%を占めると云われているので、仮に体重が60kgだとすると、22~24kgほどのおもりを持ち上げていることになります。
こりゃ12kgのケトルベルを振り回すより効くかもしれません。
短時間で体幹全体に効く
たった10回 × 3セット。
にもかかわらず、腹筋と背筋をダブルで攻められます。
寝っころがって下半身を持ち上げるだけなのでどこでもできますが、めっちゃ効くんです。
こんなにコスパの高い筋トレはないでしょう。
下腿にダメージを与えずにできる
ケガを助長しないこと。
これが負傷者にはいちばん大事なことです。
患部を悪化させてはいけませんからね。
常に下腿(アキレス腱やふくらはぎ、脛)は宙に浮いている状態なのでダメージを受けません。
注意点
ただひとつだけ注意点があります。
筋トレはあくまで筋力の維持を目的とし、ゆるやかにトレーニングに復帰するためのものです。
ここで悪化させてはむしろマイナスでしかありません。
カラダと相談しながら慎重にこなしていきましょう。