こんな方にオススメの記事
2020年8月、初めて月間走行距離が300kmを超えました。
月末月初が土日だったおかげ説がささやかれますがw
いずれにせよ未知の領域に思えた300kmも、生活に支障を来さずに狙えるラインであることは確認できたので、ひとまずここで
- どのようなメニューで
- どのようなスケジュールで
到達したかを共有させていただきます。
マラソンタイムと月間走行距離の関係
そもそも、
気になるところです。
マラソンタイムと月間走行距離の関係については、様々な機関が調査をおこなっています。
- ランナー調査研究レポート(京都マラソン2014、同志社大学)
- ランナー世論調査2015(アールビーズ社)
- ビッグデータ調査(ロンドンマラソン2016、STRAVA)
厳密な平均値ではありませんが、おおよそ以下のような傾向にあるようです。
- サブ4 150km~
- サブ3.5 200km~
- サブ3 250km~
とはいえ、月間150kmでサブ3の方もいらっしゃいますし、200kmだからってサブ4できるとは限りません。
当たり前ですが。
なので、走行距離は目標ではなく、あくまで目安として考えておくくらいがいいでしょう。
走行距離が必要な理由
走行距離のテーマになると必ず出てくるのが
という指摘です。
おっしゃる通りだと思います。
量より質を高めていかないと結果はついてこない。
トレーニングにおいては、今、巷で避けられている「密」を追求しなければなりません。
しかし、一方でいきなり密度の高い練習を求めるのも酷だと思っています。
サブ4を目指してた当時、何をどうしていいか分からずガムシャラに距離を積んでいたこともありましたし、サブ3を目指す今も何が最良の練習か確信できていません。
とくに孤独にトレーニングに励む市民ランナーはそうじゃないでしょうか?
つまり
量をこなさないと、何が良くて何が良くないか、取捨選択ができません。
よって、試行錯誤した末に生まれた走行距離は、何ら非難されるべき筋合いはないと私は考えています。
一方で何をすべきか分かっている成熟したランナーは走行距離をコンパクトにまとめられます。
すれ違いはそういうところから生まれるのです。
決してケガをしてはなりませんが、走行距離は努力の現われでもあるので、努力は褒めてもらいましょうw
月間300kmのスケジュール例
しかし、ある程度の走行距離が必要とはいえ、「木を見て森を見ず」になってはいけません。
ただ闇雲に走っても疲労ばかりがたまって、強くはなれないので ^^;
例1.毎日10km走る
月間300kmは平均すると1日約10kmです。
ただひたすら月間300kmを求めるなら毎日10kmジョグするだけで達成できます。
が、お分かりの通りそれだけではマラソンタイムを伸ばすことは難しいです。
毎日ポイント練習だ!と、10kmに強烈な負荷をかけてトレーニングするなら話は別ですが、そんなことしたら故障します (T▽T)
なので、以降の例のとおり、
- ムリなく
- 距離耐性をつけつつ
- 休むときはしっかり休む
例2.メリハリをつける
私の例で恐縮ですが、300km超を走った2020年8月の実績がこちらです。
基本ルールは以下のとおりでした。
- 週休2日
- 1時間以上走るのは週3日
- 2日は時短練習(SIT)
スケジュールはほぼ下記のパターンで決まり。
曜日 | 内容 | 距離 |
---|---|---|
月 | 休 | 0 |
火 | SIT | 6.5 |
水 | ウェーブ+閾値 | 17.5 |
木 | SIT | 6.5 |
金 | 休 | 0 |
土 | 峠走 or ロング走 | 20超 |
日 | ペース走 or BU | 15超 |
※土日はセット練で合計35以上40未満
上記パターンでこなし続ければ
- 週間走行距離 66km前後
- 4週間で約264km
- うまく土日が月末月初に重なれば300km
もちろん、もろもろの仕事や行事次第で流動的にはなりますが、警報が出ない限りはシャワーランもします。
メニューの目的
強くなるためにもケガしないためにも、メリハリは大事ですが、なにより目的意識を持つことを大切にしています。
メニューの目的は以下の通りです。
- SIT(Sprint Interval Training)
- VO2Maxの向上のために
- 坂でやるとハムストリング・臀部の筋トレにも
- ウェーブ+閾値走
- 無酸素性代謝閾値の底上げのために
- ウェーブはその日の体調に合わせて調整
- セット練
- 土曜日に峠走やロング走で痛めつける
- 日曜日に疲労を残したまま長めに走る耐性をつける
- 休み
- 月・金は基本的には完全休足
- たまにネタ的にアクティブ・レスト
スピード、心肺、スタミナ、筋力、距離耐性をバランスよく鍛えた上で、しっかり休みもとれるスケジュールだと自負しています。
なので、はじめて月間300kmラインを狙う方は、丸パクりしていただいてもOKですよ (^-^)b
唯一がんばる水曜日
唯一がんばるのは、毎週水曜日です。
出勤前にミドル(15~18km)を走るので4時台に起きなければ仕事に間に合いません。
生活に支障を来さないことをコンセプトに掲げていますが、「平日、一回だけは頑張ろう」と決めています。
これが私なりの志です。
しかし、早朝ランは夏だと明るいものの、日が短くなるとライト等の装備も考えなければなりませんね。
30km走を入れると安定
あわよくば8月にもロング(30km超)を入れようと企んでいました。
が、暑すぎてあきらめました。
しかし、ロングを入れなくても300kmは到達可能です。
これから涼しくなり、ロングが入れられるようになると、より安定的に300kmを目指せるかもしれません。
テーパリングすると未達
レースの2週間前からテーパリング期(※)に入ると、強度は同じでも距離は減ります。
※本番に向けた疲労抜きのために徐々に走行距離を減らしていくこと
私のメニューの場合、本番で走る距離にもよりますが、テーパリング期は200km後半に落ち着くんじゃないかとおもいます。
走ること以上にケアを!
月間300kmを走るランナーって、10kmやハーフくらいの距離ならもう走り慣れていて、30kmだって気合い入れれば走れちゃう。
そんなレベルだと思います。
いや、むしろ月間250kmくらいでもそうかもしれません。
しかし、月間250kmから300kmにスライドしていく中で変わったのは「ケアに対する意識」でした。
ケアに対する意識
矛盾するようなことを云いますが
どういうことか。
ここでは「休む=走らない」という意味ではありません。
「休む=よくほぐす」ということ。
ほぐしてあげないと、翌日には凝り固まって連日長くは走れなくなります。
なので、 週休2日をとりながらも、毎日走るくらいの気持ちでケアをしましょう。
走りながらほぐすことで結果、距離も伸びるというサイクルに入るのです。
ウォーミングアップ
走行距離が短かった時は、ほとんどアップもなしにいきなりSITにつっこむというムチャな練習もできました。
しかし、間にロングやミドルを入れるとさすがに筋肉が張っていたり、関節や腱に違和感があったりと万全の状態ではなくなります。
いきなり全力でつっこむなんて怖くてできなくなるのです。
ウォーミングアップの時間をしっかりとることによって、1回のSITでも走行距離が2.5kmから6.5kmと4kmほど伸びました。
こういう心がけも走行距離の底上げに貢献していますね。
アクティブレスト
基本的に週休2日制を設けています。
が、たまにアクティブレスト(積極的な休養)と銘打って軽く走りに出ることがあります。
ワラーチラン
走れるサンダル「ワラーチ」によるスロージョギングです。
ゆっくり普段使わない筋肉を呼び覚ますイメージで、楽しみます。
芝生ラン
膝に負担のかからない、柔らかい不整地でのジョギングです。
脚へのダメージが少ないですが、 接地が安定しない分、バランスをとるための体幹が鍛えられます。
峠走
一見、アップダウンの激しい山道はレストに不向きと思えますが、スピードを落として走ってもそれなりの負荷がかけられます。
しかも、涼しく走れるのが何よりのメリットですね。
クールダウン
とある実験で、ダウンジョグを10分した被験者グループとしなかったグループを比較したところ、疲労の抜けかたに有意な差が出たそうです。
それこそ今までSITの後にたいしたダウンジョグをしてきませんでしたが、それを聞いてからなるべく長めにクールダウンを取り入れるようになりました。
アイシング
以前ポストクーリングの記事でもご紹介した保冷剤を使ったアイシングです。
玄関にクーラーボックスを置いておき、そこから保冷剤を取り出して脚を一気に冷やすハックです。
玄関前でも冷やせるし、浴室では保冷剤を洗うついでに脚を冷やしてしまえます。
一度やると病みつきになるので、ぜひお試しください ^^
シャワー
冷温交代浴ができれば理想的ですが、温泉もめっきり行けてないし、そもそも朝そんな時間はない!
ということで、冷水を浴びて、熱湯で血流促進して、石鹸で洗いながらマッサージをします。
ボディソープの泡が潤滑油となり、ほぐしやすくしてくれるので、カラダを洗いながらのマッサージは大変オススメです。
筋膜リリース
いまやフォームローラーがお友達です。
歯磨きしながらも
ブログ書きながらも
ツイッターしながらも
ローラーでグリグリ。
これをするのとしないのとでは、その後のストレッチの効き方が違うと感じるのです。
腕にはめてロックバスター!とかもできます。
ストレッチ
最後はスタティック(静的)ストレッチで、ゆっくりとじんわり伸ばします。
ふくらはぎなどの小さな筋肉やアキレス腱は丁寧にほぐします。
朝ランの後も、仕事中でも、寝る前にも。
いつでもどこでもできるのが、ストレッチの強みですね。
3つの注意点
月間走行距離300kmを目指す上で大切にしたい心構えを3つお話しします。
- 努力の基準をもつ
- ゆるやかに狙う
- カラダの声を耳を澄ます
努力の基準をもつ
距離については、五輪メダリストの野口みずきさんが2005年のベルリンマラソンで優勝を飾ったときの言葉が有名です。
この名言がキャッチーだったので「距離」という言葉ばかりが先行し浸透してしまいました。
しかし、野口みずきさんご本人もインタビューで
走った距離とは言ってますけど、努力は裏切らない。
走った距離もそうですけど、毎日の積み重ねがすごくものを言う競技だと思うので。
と、語っていらっしゃいます。
つまり、距離は努力がたまたま可視化しやすいのであって、目的ではないということですね。
確かに距離ありきになると無理をしてケガしかねません。
なので、例えば「走行時間」でもいいと思うんです。
遠くまで走った!ではなく「長い時間走った」でも。
努力に対する戒め
とはいえ、それが正しい努力なのかはアンテナを張っておく必要があります。
これは私の戒めとしているキングコング西野氏の言葉ですが、
努力量が足りていない努力は努力ではない。
誤った努力もまた努力ではない。『革命のファンファーレ』より
ちなみに私も300kmを超えたとは云え、サブ3の走力を身につけられたとは到底おもえません。
自覚してるんで、そこはそっとしておいてくださいw
ゆるやかに狙う
月間300kmはそれなりの疲労を伴います。
300km超えたとたん、故障したという話も聞くくらいです。
なので、狙うにしてもゆるやかに狙うようにしましょう。
私の場合は幸い、毎月順調に伸ばすことができました。
突然、思い立ったかのように狙うとケガします。
仮にムリして達成できたとしても「よっしゃ300km達成!」と燃え尽きてしまうかもしれません。
それでは何のために頑張っていたのかわからなくなります。
まさに「木を見て森を見ず」になってしまうわけです。
このように距離を前提にしてしまうと、いろんなところで弊害が出始めます。
なので、距離ありきではなく「必要な練習を積み上げた結果の距離」となるように現実的な距離を設定してみてください。
カラダの声を耳を澄ます
距離至上主義ではなく、積み上げた結果がたまたま300kmに到達した場合、
走行距離は単なる目標ではなく、過負荷のバロメーターにもなるのです。
確かに市民ランナーの中でも500km, 600kmとか走られる方はいらっしゃいます。
でも、彼らの努力は想像を絶します。走ること以上に尋常じゃないケアをされてるはずです。
一般的なランナー調査でも400km以上というカテゴリーがあまり見られないことを考えると、やはり300kmは市民ランナーが支障なく走れるひとつのボーダーラインなのかなという気がしてきます。
なので、図らずしてこの指標に到達してしまった方は、カラダに不調はないか一度この機会に見直して見てください。
私もそうします。
まとめ
月間走行距離300kmは生活に支障なく到達できるラインであることは確認できました。
しかし、それなりに負担もハードルも高い距離です。
なので、距離ありきにせず、まず目的意識をもったトレーニングを積み上げること。
その上で、絶対にケガしないように、日頃のケアを怠らないように、チャレンジしてみてください。
健闘を祈ります!