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「ヤッソ800」のやり方・注意点【陸上トラックが使えない方向け】

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こんな方にオススメの記事
  • 「ヤッソ800」って何?

  • 競技場が使えなくてもできるの?


  • ヤッソ800」というマラソン向けトレーニングをご存知でしょうか?

    元々は陸上競技場での練習を想定して開発されたトレーニングということもあり、耳慣れないランナーの方もいらっしゃるかもしれません。


    そんな由来から

    え?!ガチランナー向けじゃないの?

    と一瞬ひるんでしまうかもしれません。

    でも、大丈夫。むしろ私は初心者にこそ向いてるトレーニングだと感じています。


    ということで、今回は

    • ヤッソ800とは何か
    • ヤッソ800の面白いトコロ
    • ヤッソ800の使いドコロ
    • 陸上トラックを使わずに走る方法
    • なぜ初心者向きなのか
    を解説したいと思います!



    ヤッソ800とは何か

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    まず、特異なネーミングが気になりますが、発案者の名前に由来しています。

    米ランニング雑誌の編集者、バート・ヤッソ氏が考案したトレーニング方法で

    800mダッシュ+400mジョグを10セットする練習
    のことをいいます。

    なーんだ、ただのインターバル走じゃん。

    と、侮るなかれ。


    このトレーニングの面白いのは、走った結果からフルマラソンの完走タイムが予想できるという点にあるのです。

    そのため、トレーニングとしてではなくテストとして使われることも多い練習です。


    マラソンタイムの予想方程式は下記のとおり。


    フルマラソン●時間▲分 ={800m●分▲秒 + 400m●分▲秒}×10本
    ※リカバリーは疾走時間と同じ時間で半分の400mをジョグ(=ダッシュの半分のペース)

    例)

    • 800mダッシュ3分+400mジョグ3分を10本走れるランナーは、3時間で完走
    • 800mダッシュ4分+400mジョグ4分を10本走れるランナーは、4時間で完走

    という感じで試算できます。

    設定ペースの目安

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    ヤッソ800で肝心なのがペース設定です。


    疾走時間や合計時間は下記の通り、目標タイムによって異なります。

    マラソン目標タイム 800m ダッシュ リカバリー 合計時間
    3時間00分 3'00" 3'45" 7'30" 1:00'00
    3時間15分 3'15" 4'04" 8'07" 1:05'00
    3時間30分 3'30" 4'23" 8'45" 1:10'00
    3時間45分 3'45" 4'41" 9'22" 1:15'00
    4時間00分 4'00" 5'00" 10'00" 1:20'00
    4時間15分 4'15" 5'19" 10'37" 1:25'00
    4時間30分 4'30" 5'37" 11'15" 1:30'00


    疾走時間はVDOTでいうところのIペース(インターバルペース)かそれよりキロ当たり5秒~10秒程度落とした設定で良いとおもいます。

    リカバリー(休息)時間は、逆にかなりゆっくり、スロージョギング並みのペースまで落とします。


    1kmのインターバル走より200m短くてリカバリー時間が長いが、そのぶん本数が多い。

    それにどこまで耐えられるか。マラソンと同じように終盤は耐えるトレーニングになります。

    ヤッソ800の効果

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    ヤッソ800は、マラソンタイムが推定できるという面白い側面がありながらも、実質ダッシュ800m + リカバリー400mをくり返す、全長12kmのインターバル走です。


    なので、インターバル走と走行テストの両方を兼ね備えた効果が期待できます。

    • マラソンに向けた現状確認
    • スピード持久力の強化
    • 心肺機能の強化


    また、後述しますが、他の練習とも組み合わせることで、一石二鳥にでも三鳥にでもなります。

    どんなランナーに向いているか

    ヤッソ800は下記のようなランナーに向いています。

    • フルマラソン経験者でサブ4以上を狙うランナー
    • 初めてのスピード練習に臨むランナー
    • 400mトラックが利用できるランナー


    計測距離が800mや400mになっていることから、ヤッソ800は400mトラックでの実施が推奨されます。

    でも、もちろんトラックが使えなくてもOK。


    むしろ、本記事はトラックが使えない方を全力でサポートいたします(o^-')b

    400mトラックが使えない場合

    ということで、陸上トラックが使えない方へ。

    代わりに

    • 1200mの道路
    • ワークアウトの作成
    の2つを準備しましょう。

    1200mの道路を準備

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    トラックの代わりに全長1200mの道路はありませんか?

    以下の条件が理想的です。

    • 交差点や交通量がなく
    • 十分にすれ違える道幅
    • 起伏がほとんどなく平坦


    堤防や農道がふさわしいとおもいます。

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    1200mといったのはもちろん800m疾走 + 400mリカバリーを片道で1セット行うためです。

    そこを5往復すれば、合計10セットになります。

    ワークアウトの作成

    競技場でトラックが使えるなら、周回でラップを押せばOK。

    ですが、トラックがなくても(私もその一人)、GPSウォッチのワークアウト機能を使えば同じようにできます。


    下記はGARMINの一例ですが、

    800mと400mを交互に10セット
    のワークアウトを作成しておきます。

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    すると、ラップ切替えの5秒前からカウントダウンしてくれるし、自動的にラップを取得してくれるのです。

    ここの設定がいちばん大事です。経験者は語る( ̄へ ̄)

    私のほろ苦い初体験

    ここからはしばし私の甘酸っぱい初体験談をお楽しみください。

    ウォーミングアップは万全

    岐阜県の片田舎につき、気軽に借りられる陸上競技場がない。

    よって、最近よく世話になっている農道でチャレンジすることにした。


    短距離は得意なタイプなので、設定はすこし背伸びをしてサブ3(疾走3'45/km, リカバー7'30/km)で臨む。

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    しっかりウォーミングアップでも800m・3'45/kmを2本走り、感覚はつかめた。

    最初の2セットは順調

    いざ、出陣!

    アップで会得した3'45/kmのリズム、フォームを意識して走る。

    たまにウォッチにも目を配りながら、疾走時間はバッチリ。


    意外とリカバリーペースが難しかったが、スロージョギング並みにゆっくり、ペースが上がらないように抑えておさえて。

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    最初の2本はうまくいった。

    3セット目にまさかの…!

    よし、3本目…!

    カウントダウンを待ち、いざ出陣!と地面を蹴った瞬間

    ピーロリーロリーロリーロピーロリーロリ~♪

    GARMINのワークアウト終了音が虚しくこだましたのであった。

    え?

    と、肩透かしを食らうのと同時に、一瞬で己の犯したミスが頭を貫いた。

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    リピート回数、指定してない…orz

    さて、どうする?

    しかし、絶望にうちひしがれている時間はない。

    ここで、時間を食うとインターバル走の効果が無に帰してしまう。

    • スマホは持ってきてないので再編集はムリ
    • ウォッチでゼロからワークアウトを作成する余裕はない
    • かと云ってこのままDNFはネタとして盛り上がりに欠ける

    いろんな案が頭を駆けめぐったが、最初から答えは決まっていた。

    手動ラップで再開するんだ
    と。

    そして終幕へ

    気持ちはかなりうなだれていましたが、実際に手動ラップのための「再開」を決断したのは、ものの数秒だったと記憶しています。


    時間、ペース、距離すべてを気にしながら、 3本目。4本目…と走る。


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    しかし、体力が削られていくうちに時計を見続けることがてきなくなり、いつの間にか870mくらい走っていたりして、余計な体力まで削がれていく。


    6本目を走り終える頃には、

    これ以上続けても質の高い練習はできない…
    と、腹をくくりDNF(中断)を決意。


    6セットで終了となったのでありました。

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    ほろ苦い。

    注意点

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    ということで「ワークアウトの設定には十分注意しましょう」なんて、凡ミスすぎていえないので、失敗の中にも学んだことを代わりにお伝えしておきます。

    初めてヤッソ800にチャレンジされる方、とりわけトラックを使える環境がない方に向けての注意点です。

    まず小手調べしておく

    ワークアウトの作成が完了したら、いざ、出陣!といきたいところですが。


    まずは、1セットをウォーミングアップがてら、走ってみてください。

    ウォーミングアップの締めに、800mダッシュ+400mジョグをやってみるのです。


    行けそうならそのままいくし、その時点で苦しければ、設定タイムが守れず撃沈必至です。

    プライドは捨てて、設定を落としましょう。


    何度も言いますが、設定タイムを守ることより、自己肯定感を守ることのほうが大事なので!(←気に入ってるw)

    目印を決めておく

    全長1200mで400m区切りに何か目印があったほうが良いです。


    トラックなら目安がわかりますが、何もない堤防や農道だとゴール(目標)が分からないまま、モルモットが如く走ることになります。

    なので、

    • 標識の近く
    • 何本目の畦道とか
    • 遠くに見える電柱の何本目とか

    繰り返しおとずれるインターバルに耐えるモチベーション作りをしておきましょう。

    リカバリーの走り方

    意外と難しいのがリカバリー区間の走り方です。

    何が難しいって、そのペースに抑えることが難しいのです。


    サブ4設定で10'00/km、サブ3設定で7'30/kmです。

    ふだんあまりそのようなペースで走らない、というか早歩きに近いジョギングペースです。


    リカバリーなのにペース配分で疲れてしまっては意味がないので、あえて3分の1は完全に歩いてしまい、残り3分の2で徐々に上げていくくらいでも良いとおもいます。

    ヤッソ800の使い方・楽しみ方

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    最後にヤッソ800の使い方・楽しみ方についてのご提案です。

    ゲームに

    設定ペースをすべて忠実に守れるに越したことはありませんが、もし守れなくても大丈夫。

    最も遅かった疾走時間、またはリカバリー時間をフルマラソンのタイムにする
    というゲームにしてしまいましょう。

    たとえば、サブ4設定でコンスタントに5'00/kmで走っていても、ラストたれて5'20/kmになってしまったら、それは4時間15分だということです。


    マラソンもイーブンペースで走れるのが理想的ですが、温存したり力尽きて失速したりと、遅い区間に全体のタイムが引っ張られます。

    それと同じように、遅かったインターバルが全責任を追う、連帯責任ゲームにするのです。


    連帯責任にすれば、どのインターバルも頑張れるでしょ?(* ̄ー ̄)

    インターバル走の入門に

    インターバル走とは

    短いダッシュを繰り返して、限界まで追いこむトレーニング
    です。

    たとえば、一般的な1000mのインターバル走では

    • 疾走 1000m
    • リカバリー 60秒~90秒または200mジョグ
    • 3~5セット

    というような設定で走ります。

    一方、ヤッソ800は

    • 疾走 800m
    • リカバリー 400mジョグ
    • 10セット

    というように、セット数を除けばインターバル走より負荷は軽いのです。


    なので、ヤッソ800のセット数さえ、インターバル走と同じにしてあげれば、インターバル走の入門メニューの完成なのであります。

    うまくできるようになれば、

    • 疾走距離を伸ばす
    • レスト時間を短くする
    • セット数を増やす
    なりして、徐々に真のインターバル走へ寄せていけばいいのです。


    インターバル走を敬遠してチャレンジできていないという方は、ぜひヤッソ800のバリエーションから試してみてください。

    ガチユル走に

    ガチユル走とは

    インターバル走など(ガチ)でゼェハァして、糖エネルギーを使い果たしたあとに、ゆっくりジョグ(ユル)で脂肪エネルギーを使う練習
    のことです。


    ヤッソ800で追い込んでマラソン30km地点と同じ状況を作り出し、残り10km~15kmをジョグやBU(ビルドアップ)で耐えてみましょう。

    フルマラソン後半の粘りを鍛える練習になりますよ。

    まとめ

    ヤッソ800は

    • フルマラソンのタイム向上にも
    • フルマラソンのタイム推定にも
    • インターバル走の入門にも

    向いているトレーニングです。


    また、決して400mトラックがなければできないわけではありません。

    • 1200m道路
    • GPSウォッチのラップ計測のカスタマイズ
    を準備して、臨んでみましょう。


    ヤッソ800のあとに長めのジョグやペース走を入れておくと、モルモット感も緩和できるのでオススメです。


    ぜひ、ヤッソ800を存分にたのしんでください!