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【書籍】もし本を読まない人にドラッカーを贈るなら │ 経営の哲学

ぼくはがんばる人に本を贈りたい質(タチ)である。


では、相手が普段あまり本を読まない人だった場合、何を贈ればよいだろうか。


やっぱ、ドラッカーでしょ。


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ドラッカーの名言集はとっつきやすい

会社の先輩が独立する。


公私ともにお世話になってる方だ。


彼は数百冊のマンガを所有しているらしいが、本はいっさい読まないらしい。


そんな彼にどんな本を贈ろう?


大きなお世話かもしれない。


けど、経営者なら本一冊くらい読んでてもおかしくないだろう。


そんな本を読まない経営者のためにうってつけなのが、ドラッカーの金言集である。


金言集なら、1ページ目から読む必要はなく、どのページから読んでもいい。


読みきりマンガのようなとっつきやすさがある。


ドラッカーの金言集はいくつか世におくりだされているが、中でも読みやすく心を打ちやすいのではないかとおもうのが『経営の哲学』である。


しかし、贈るのはいいが、単なる大きなお世話にならないか?


お役に立てるだろうか?


再読してみた。


経営の哲学 (ドラッカー名言集)

経営の哲学 (ドラッカー名言集)


経営の哲学

まず、結論から云うと、心配は無用だった。


やはりドラッカーの言葉は重みがちがう。

組織が存在するのは組織自身のためではない。自らの機能を果たすことによって、社会、コミュニティ、個人のニーズを満たすためである。組織とは、目的ではなく手段である。

企業の使命と目的を定義するとき、出発点は一つしかない。顧客である。顧客を満足させることが、企業の使命であり目的である。

日々必死になりすぎて、近視眼的になりがちな経営者に警鐘をならしてくれる。


事業の定義は、組織が目標を達成したときに陳腐化する。目標を達成したときとは、お祝いをすべきときでなく、事業の定義を見直すべきときである。

事業の定義の見直しに成功する人は、予期せぬ失敗を部下の無能や偶然のせいにしない。システムの欠陥の兆候と見る。

環境に応じて、事業の再定義をくりかえそう。


事業の目的として有効な定義は一つしかない。顧客の創造である。

キャデラックを買う者は、交通手段を買っているのか、富のシンボルを買っているのか。

最も重要な情報は、顧客ではなくノンカスタマ(非顧客)についてのものである。変化が起こるのは、ノンカスタマの世界においてである。

あくまで、顧客からはじめよう。


販売とマーケティングは逆である。同じ意味でないことはもちろん、補い合う部分さえない。何らかの販売は必要である。だが、マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。

究極のマーケティングである。これ、ホント理想。


独占者がリーダーシップを失うのは、顧客に選択権が与えられていなかったからである。

イノベーションの戦略では、既存のものはすべて陳腐化すると仮定する。

慢心や油断は禁物である。


生産性向上のための最善の方法は、他人に教えさせることである。

コスト削減の最も効果的な方法は、活動そのものをやめることである。

限られた資産は有効につかうべし。


意思決定における第一の原則は、意見の対立を見ないときには決定を行わないことである。

意見の対立を促すには理由がある。もっともらしいが不完全であったり間違っている意見によって、騙されることをふせぐため。検討の対象とすべき代案をてにするため。行なった意思決定が実行の段階で間違っていたり不完全であることが明らかになったとき、途方に暮れなくてもすむため。自分自身や他の人の想像力を刺激するためである。

避けがちな対立にも大きな意味がある。


目標管理は、マネジメント全体の方向づけや仕事の一体性のためには不要としても、自己管理によるマネジメントのためには不向きである。目標管理の最大の利点は、支配によるマネジメントを、自己管理によるマネジメントに代えることである。

なぜ、こんなことやらせるんだろうと思うこと。自分のためだったんですね。


組織構造は、あらゆる者が組織全体の仕事を理解できるものでなければならない。自らの仕事が組織全体のどこに位置し、全体の仕事が自らの仕事、貢献、努力にとって何を意味しているかを理解できなければならない。

マネジメントの階層が増えるごとに、組織は硬直性を増す。階層の一つひとつが意思決定を遅らせる。(中略)情報量は、階層の数が一つ増えるごとに半減し、雑音は倍になる。

組織のフラット化とは、そういうことなのである。


企業は、社会や経済の許しがあって存在しているのであり、有用かつ生産的な仕事をしているとは見なされるかぎりにおいて、存続を許されているにすぎない。

いつ消されてもおかしくない社会に生かしていただき、ありがたき幸せ。


企業はその存続のために、もっとも有能にしてもっとも教育のあるもっとも献身的な若者を引き入れなければならない。そのためには、キャリアや、生活の保障や、経済的な報酬では不十分である。ビジョンと使命を与えなければならない。

報酬だけではない、使命。やりがい。


あっぷりへんしょん ~人に本を贈ると身がひきしまる~

人に本を贈るのは、自分も本の内容を理解しているからこそ贈るはずである。


「この人にはこの本が合ってるから」と。


なので、贈るからには理解していないと面子がたたない。


いつか彼と「ドラッカーもそう云ってたよな」という会話ができるとうれしい。


彼が気に入ってくれれば、の話ではあるが。