先日、Mi band 3での心拍ランのふりかえりをしていたときにMi fit アプリに表示されていた「最大酸素摂取量(VO2max)」という言葉が気になりました。
VO2maxについて
調べて、
計測して、
引き上げ方を考えてるうちに、VO2maxを測ればマラソンタイムが短縮できるんじゃないかという結論に至りました。
その理由を先に云っちゃいますと
- 自分の現時点の走力レベルと理想的な走力のギャップが明確に確認できる
- ギャップを埋めるためのトレーニング意識が高まる
- 計測行為自体が高強度のトレーニングになる
という3つの効果が期待できるからです。
どういうことか、順に解説していきます。
VO2max(最大酸素摂取量)とは
まず、そもそもVO2max(最大酸素摂取量)とは何なのか?
調べて分かったのは、ざっくり以下のとおり。
Volume = 量
O2 = 酸素
maximum = 最大
の略で、字のごとく「最大酸素摂取量」のことを云います。
体重1kgあたり1分間で酸素が最大で何ml取り込むことができるかを表します(単位は ml/kg/min)。
筋肉は酸素をエネルギーにして活動しますが、摂取できる酸素量が多いほど高い強度の運動ができます。
その個人の最大値が最大酸素摂取量、すなわちVO2maxです。ざっくり云うと。
これは、持久力の目安になっていて
- 日本人男子の平均43
- 日本人女子の平均35
- トップランナーは80以上
- 競走馬は140以上
って感じだそうです。
深掘りするとキリがないので、詳しくは「最大酸素摂取量とは」でググってみていただきたいですが、云いたいのは
VO2maxはマラソンのタイムと相関関係にあることが分かっている
つまり、理論上はVO2maxを上げればタイムも短縮できる
ということです!
そして、VO2maxを上げるためには
- 現時点のVO2maxと
- あるべきVO2max
を把握しておかねばなりません。
どうやるか?
計測方法
計測方法はいくつかあるようですが、精度が高い順で並べると以下の通り。
- 専用の機器・機関で計測
- 12分間走(クーパーテスト)
- 20mシャトルラン
- 1,500m・3,000m走やマラソンのタイム
- 最大心拍数・安静時心拍数
それぞれ簡単に補足しておきます。
専用の機器・機関で計測
エアロバイクやトレッドミル等、専用の測定機がある機関での測定が必要なので、ハードルが高い。
12分間走(クーパーテスト)
公式:VO2max = (12分間で走った距離(m) - 505) ÷ 45
最大心拍数・安静時心拍数
公式:VO2max = 15 × 最大心拍数 ÷ 安静時心拍数
12分間走(クーパーテスト)を実践
この中から一番手軽で精度が高そうな「12分間走」を試してみました。
必要なのは12分間で全力走して走った距離(m)です。
思いきって全力疾走したところ──
ガーミン J230
3.05km(3'57"/km)
Runkeeper
3.22km(16.03km/h)
いずれも3kmちょっと。
今回は(GPS精度が高いはずの?)ガーミンの方を信じましょう。
▲ちなみにMi band 3での心拍計測結果はこちら
いよいよ、VO2maxの算出です。
VO2maxの算出
12分間走での算出
測定した距離を公式におとしこんでいきましょう。
VO2max = (12分間で走った距離(m) - 505) ÷ 45
(3050 - 505) ÷ 45 = 56.56
ちなみにこんな公式もあるそうです
VO2max = 0.022 × 12分間で走った距離(m) - 10.39
0.022 × 3050 - 10.39 = 56.71
いずれも、56程度ですね。
最大心拍数からの推定
12分間走より精度は劣るらしいですが、最大心拍数と安静時心拍数からも算出が可能です。
VO2max = 15 × 最大心拍数 ÷ 安静時心拍数
15 × 185 ÷ 56 = 49.56
7ポイントくらいズレました。
寝起きにすぐ測ったつもりでしたが、安静時心拍数がやや高めだったのかもしれません。
で、話をもとに戻すと、私のVO2maxは56.5 ml/kg/minという数値になりました。
前述した通り、VO2maxはマラソンのタイムと相関関係にあるとのことですが、現時点の私のマラソン予想タイムはいくつなのでしょうか?
マラソン予想タイムの算出
VO2maxはマラソンのタイムと相関関係をわかりやすく表にまとめてくれているサイトを見つけたので、参考にしてみます。
- ハーフマラソン予想タイム 01:33:47
- フルマラソン予想タイム 03:18:35
ちょっと買いかぶりすぎてやしないですか?
私自身のPB(パーソナル・ベスト)と比べるとハーフマラソンで10分、フルマラソンでは一時間以上も乖離があります。
ポテンシャルはあるということなのでしょうか?
仮にハーフを1:33'47"で走るとして、試しにランナー電卓でペースを算出したら
4'26"71/km
むむむ…このペースで1時間半はしれるんでしょうか。
不安なので、もっとベースアップさせてから臨みたい。
じゃあ、どうやったらVO2maxを鍛えられるのか?
キーワードは「HIIT」です。
HIITとは?
HIITとは“High Intensity Interval Training”の略で、訳すと「高強度インターバルトレーニング」となります。
- 持久力をたかめる
- 体脂肪が燃焼しやすい状態を作り出す
ことを目的とした、かなりキツいトレーニングとして知られています。
HIITには色んな方法があるようですが、長距離スポーツのパフォーマンス向上であれば、「スプリントインターバルトレーニング(SIT)」が効果的だそうです。
内容は
・(30秒 全力スプリント+4~5分 休止)×4~6回
・それを週4回
※全力スプリントで尽き果てるまで力を出しきるのがポイント
※転ばないように注意
オリンピックレベルのアスリートのトレーニング方法として考案されたらしいので、そのままコピーするのは市民ランナーには酷です。
不慣れな人がやりすぎると故障の原因にもなるらしいので、最初は
- 全力運動の時間を短くする
- 休止時間を長くする
- インターバル数を減らす
- 週あたりの実施回数を減らす
等して徐々に慣らしていくのが良いそうです。
そして、やりっぱなしではいけません。
やってみたあとは、何事もかならず効果測定をしましょう。
VO2maxの測定がタイム短縮になる理由
ある効率的なトレーニング方法を研究している大学教授の論文では、2週間後にはSITの効果が如実にあらわれたという発表もあるそうです。
なので、私もSITを試してみながら、また2週間後に改めて12分間走でVO2maxを測定したいとおもいます。
いや、そもそも12分間走が血反吐を吐きそうなくらいキツかったので、それ自体が高強度トレーニングになってるような気がするんですけどね。
まさか3000mをキロ3分台で走れると思わなかったので。
VO2maxの測定は一回測って終わりじゃありません。
定点観測をするためには、今後何回も12分間走を走ることになるでしょう。
そうしていくうちにVO2maxの測定が新たなステージへ導いてくれてるでしょう、きっと。
長々と申し訳ありません!
最期にまとめます。
まとめ
繰り返しになりますが、VO2maxを測ることで
- 自分の現時点の走力レベルと理想的な走力のギャップが明確に確認できる
- ギャップを埋めるためのトレーニング意識が高まる
- 計測行為自体が高強度のトレーニングになる
という3つの効果が期待でき、それ則ちマラソンタイムが向上すると考えています。
その仮説が正しいかは、私が身をもって検証していきたいとおもいますので、引き続き見守っていただけると幸いです。
最後までご高覧いただき、ありがとうございました!