
前回「1回に走っても良い上限距離」を算出しました。
では、次に「1回の距離をもっと長く走れるようにするにはどうすれば良いか?」を考えたいとおもいます。
無理なく走行距離を増やすルール

前回同様、ジャック・ダニエルズ博士の受け売りですが、以下のように提言されています。
- 一定の走行距離を4週間以上継続してから距離を増やす
- 週間練習回数×1マイル(≒1.6km)の分だけ週間走行距離を増やす
- 増加分は最大で週間10マイル(≒16km)とする
ただ、相変わらずややこしいので(笑)自動計算ツールを作りました。
現在の月間走行距離と週間走行回数(平均でOKです)を入力して[計算]ボタンを押してください↓
【計算ツール】走行距離は何km増やして良い?
週間走行距離: ___ km
■増やして良い週間距離: +___ km
- 目標週間距離: ___ km
- 目標月間距離: ___ km
例えば
たとえば、以下のランナーの場合、週間・月間どこまで練習量を増やして良いか?
- 月間走行距離 100kmのランナー
- 週間走行距離 約23km
- 週間走行回数 平均3回
- 増やして良い週間走行距離 = 週3回×1.6km = 4.8km
- 週23km + 4.8km = 28km
- 月間121kmまで増やして良い
- 月間走行距離 200kmのランナー
- 週間走行距離 約47km
- 週間走行回数 平均5回
- 増やして良い週間走行距離 = 週5回×1.6km = 8.0km
- 週47km + 8.0km = 55km
- 月間237kmまで増やして良い
どこまで月間走行距離を伸ばして良いか、ざっくり週間走行回数(横軸)×月間走行距離(縦軸)に一覧表にまとめました(単位はすべてkm)
| 月間距離 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 75 | 82 | 89 | 96 | 103 | 109 | 116 | 123 |
| 100 | 107 | 114 | 121 | 128 | 134 | 141 | 148 |
| 125 | 132 | 139 | 146 | 153 | 159 | 166 | 173 |
| 150 | 157 | 164 | 171 | 178 | 184 | 191 | 198 |
| 175 | 182 | 189 | 196 | 203 | 209 | 216 | 223 |
| 200 | 207 | 214 | 221 | 228 | 234 | 241 | 248 |
| 225 | 232 | 239 | 246 | 253 | 259 | 266 | 273 |
| 250 | 257 | 264 | 271 | 278 | 284 | 291 | 298 |
| 275 | 282 | 289 | 296 | 303 | 309 | 316 | 323 |
| 300 | 307 | 314 | 321 | 328 | 334 | 341 | 348 |
一週当たりの距離を伸ばす前に、週間走行回数を伸ばした方が良さそうなことが判りますね。
ダニエルズ博士のランニング講義
上記の根拠はジャック・ダニエルズ博士が講義を行っている『週間走行距離の増やし方(Increasing Your Weekly Mileage)』という動画で説明された計算式に基づいています。
動画
以下、日本語訳と原文(英語)を載せておきますが、長いのでスルーして頂いて構いません。
全文(日本語訳)
▼日本語訳(クリックして開く)
ジャック・ダニエルズ博士: 週間走行距離の増やし方
走行距離を増やす際、私はアスリートに週のランニング回数に応じて週の走行距離を増やすように指導します。
たとえば、週に5日走るなら、週の走行距離を5マイル増やせます。週に7日走るなら、週の走行距離を7マイル増やせます。もし、1日2回のランニングを週7日行っている場合、私は10マイルだけ増やすようにさせます。14マイルではなく、10マイルが上限です。そして、距離を増やす前に最低でも4週間は同じ量の走行距離を維持させます。
よく「週の走行距離を週に10%増やす」というルールを目にしますが、私はそれが最も愚かなルールの一つだと思っています。たとえば、今週20マイル走った場合、来週は22マイル、その次の週は24.2マイル、さらにその次の週は26.8マイルなど、そんな計算をする必要があるでしょうか?4週間20マイルのままでいて、その後に30マイルに増やした方が良いのではないでしょうか。
最終的には同じ場所にたどり着くことになりますが、距離を増やす前に長く同じ量でいることで、体が一定のストレスに適応する時間を与えることができます。毎週ストレスを変える理由はないでしょう。たとえそれが10%の増加だとしても、なぜ毎週体にかかるストレスを変えなければならないのでしょうか?
全文(原文)
▼原文(クリックして開く)
Dr. Jack Daniels: Increasing Your Weekly Mileage
To increase mileage, I would let an athlete increase their weekly mileage by as many miles as the number of runs they go on each week.
If they're running five days a week, they can increase their weekly mileage by five miles. If they're running seven days a week, they can increase their weekly mileage by seven miles. If they're running twice a day, seven days a week, I only let them increase by ten miles, not fourteen. So ten is the maximum, and I make them stay with one amount of running for at least four weeks before they go up.
You read this all the time: "increase your weekly mileage by 10% a week." To me, that is one of the dumbest rules I've ever heard. What does that mean? If you did 20 miles this week, next week you can do 22, and the week after that you can do 24.2, and the week after that you can do 26.8 or something. Well, why don't you just stay at 20 for four weeks and then go to 30? I mean, it doesn't make sense.
You're getting to the same place eventually, but by waiting longer at the same amount before going up, you're letting your body adjust to a certain amount of stress before changing it. Why should I change the stress my body has to deal with every week, even if it's only 10%? Why should I do that?
その他のルール
ダニエルズ博士が上述の動画でも批判的だった「10%ルール」含めて、練習量の増やし方には以下のような方法・ルールがあります。
- 10%ルール
- 月間ランナーズ
- ドルコスト平均走
少しだけ解説させてください。
10%ルール
10%ルールとは、走行距離を伸ばすために推奨されている「1週間ごとに走行距離を10%増やす」という基準です。
この基準に沿ってトレーニングすれば、怪我のリスクを抑えつつ耐性をつけることができると言われていますが、ダニエルズ氏が否定的なのは
- この10%ルールはランニング初心者を対象にしている点
- 走行距離が増えるごとに怪我のリスクが跳ね上がりやすく、月に何百キロも走っているランナーが毎週10%も増やしていくのは危険
とリスクがあるためです。
RPGと一緒で、レベルが上がるほどたくさんの経験値を獲得しないとさらに上のレベルへは到達できませんもんね。
私もそりゃそうだと解釈していたのですが、よくよく調べてみると ──
The rule states that you should never increase your mileage more than 10% from week to week.<RUN|The Myth of the 10 Percent Rule より>
10%を目標にせよと言っているわけではなく「前の週より走行距離を10%以上増加させるべきではない」とむしろ警告していることが判ります。
確かにダニエルズ氏は「距離を増やす前に長く同じ量でいること」を重視しているため、思想は異なりますが、決して「週の走行距離を週に10%増やす」という意味ではないことを我々も鵜呑みにしてはいけないと思います。
月間ランナーズ
『月刊ランナーズ』では、以下の3つのルールが原則とされているようです。
- 15~20%ずつ増やすなら右肩上がりに増やしてOK(週、月単位とも)
- 1.5倍以上増やす場合は、1ヵ月回復期間を入れる
- 「一度に走る距離」と「頻度」を同時に増やさない
具体的にいうと ──
- 15~20%ずつ増やすなら右肩上がりに増やしてOK(週、月単位とも)
- 例
- 月間100km走っている人が
- 翌月120km(20%増量)
- 翌々月144km(20%増量)
- 1.5倍以上増やす場合は、1ヵ月回復期間を入れる
- 例
- 月間100km走っていた人が
- 翌月150km(50%増量)
- 翌々月100km(もとに戻して回復)
- 翌々々月以降 150km(50%増量)
- 「一度に走る距離」と「頻度」を同時に増やさない
- 例
- 1回の距離は同じで頻度を増やす
- 1回の距離を増やして頻度を戻す
- 頻度と距離を増やす
1つ目のルールはダニエルズさんに叱られそうですね笑
ドルコスト平均走

「ドルコスト平均走」とは、私が編み出した走り方ですw
誰もシロートの意見なんて聞きたかねぇよ!!と殴られそうですが… 落ち着いてください ^^;
実はダニエルズ式とランナーズ式をそれぞれ良いトコどりをしています。
- まず回数を増やす(ランナーズ式)
- それを4週間続ける(ダニエルズ式)
- 慣れてきたら距離を増やす(ランナーズ式)
まず回数を増やさないと耐性が養われず、すぐにリセットされてしまうんです。
週1で走っても毎回筋肉痛になっておしまいですが、週3で走ると超回復の力を利用して少しずつ強くなれます。
現に私はその方法で復活してきました。

2023年6月、4kmを3日に1回(月間50km)

2023年7月、4kmを2日に1回(月間60km)

2023年8月、4kmをほぼ毎日(月間88km)

2023年9月、5kmに伸ばす(月間115km)
その調子で週末は10kmに伸ばしたりメリハリつけたりしながら、年末には月間160kmと確実に成長できたので、人体実験では実証済みです笑
走行距離グラフもきれいに整うので振り返ると気持ちがいいですよ^^
↓詳しくはこちらの記事をどうぞ!
さいごに

さて、色々語ってきましたが、上記はあくまで参考値です。
そもそももっと走りたいのに走る時間が取れない、という人(今年の私※)には当てはまりません。
※いや、もっと志が高ければ雨でも嵐でも走るんだろうけど、地域の役員やら子どもの習い事という外部環境の変化、走りこむとアキレス腱が音を上げるというフィジカルの弱さ、それらが相まってそこまでモチベーションが上がっていないというのもある
しかし、数値を見ると少し冷静になれます。
| 月間距離 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 75 | 82 | 89 | 96 | 103 | 109 | 116 | 123 |
| 100 | 107 | 114 | 121 | 128 | 134 | 141 | 148 |
| 125 | 132 | 139 | 146 | 153 | 159 | 166 | 173 |
前掲の一覧表から抜粋しますが、週4回・月間100kmを維持しつづけ、少し頑張って月間128kmへステップアップを図るんです。
なぜ、128kmか?
前回の「6分の1の法則」で学びました。
- 一度に走ってもいい距離は月間走行距離の6分の1
- 月125kmの人にとっての6分の1は、ハーフマラソンの距離
つまり、2025年のおおがきマラソンに向けてハーフが普通に走れる耐性をつけるためです!
おれはまだ、諦めてないぞー
Fix the Bits.