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曲目リスト付き!ランニングに打ち克つための脳内BGM【ゲーム音楽編】

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こんな方にオススメの記事
  • ゲーム音楽大好き

  • 安定したペースで走りたい

  • 負けられない戦いがそこにある!


  • プレイしたことがないゲームでも、かつてはサントラだけ入手して鑑賞していたゲーム音楽愛好家です。

    ようやくこの趣味をランニングに結びつけるときが来ました。


    以前、ランニングのための脳内BGM集として、V系・HR/HMを中心に邦楽・洋楽をご提案しましたが、今回はその「ゲーム音楽編」です。

    基本的な使い方は同じですが、ゲーム音楽ならではのメリットもあるのでゲーム好きのランナーは必見ですぞ\_( ゚ロ゚)

    前半は理屈っぽい話が多いので、曲目だけ興味があるという方は「目次」から飛んじゃってください


    まず、結論!

    今回の記事の概要はこの3つ!

    1. レースや閾値走において、脳内でBGMを再生することで、目標タイムをクリアしてきました
    2. ハイテンポ(180〜200bpm)の曲がハイペースのランニングに最適です
    3. 特にゲーム音楽は歌詞がなくて集中しやすいし、無限ループなので途切れることなく再生できます

    その理屈やオススメのゲーム音楽を紹介いたします。

    なぜ脳内BGMを流すといいのか?

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    さて、ゲーム音楽について語る前に、まず少しおさらいです。


    なぜランニング中に脳内BGMを流すといいのでしょうか?


    それは

    ピッチ(時間あたりの歩数)が正確に刻めるようになるから
    です。

    ただし、あくまで「脳内」BGMなので、原曲通りのテンポを刻めなくても構いません。
    引っぱってもらう意識、ケツを叩いてもらう意識で活用してみてください。

    「ピッチ」とは何か?

    ランニングにおける「ピッチ」とは

    1分当たりの歩数のこと
    です。

    ※「ケーデンス」と呼ぶこともあります


    ランニング時のペースは

    ピッチ(歩数)× ストライド(歩幅)
    で表現できます。

    速く走りたければ、ピッチを速く回すか、ストライドを大きく広げるかのどちらかになります。


    あえて分解するとそうなりますが、

    • ジョギングしているときは、ピッチはゆっくり・ストライドは狭め
    • ダッシュするときは、ピッチは速く・ストライドは広め

    というように意識せずとも自ずとそういう動きになっているはずです。


    今回は脳内BGMの力を借りて、そのピッチを安定的に速めようという話です。

    ピッチを支える音楽

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    ピッチの単位はspm(step per minute=1分当たりの歩数)です。

    一方、音楽のテンポはbpm(beat per minute=1分当たりの拍)で、両者とも「1分間に刻む」という点で同じなんですね。


    なので、音楽の拍のとおりに歩数を踏めば自然と狙ったピッチに近づけることができるようになります。


    多少の体格差はあるものの、一般的にマラソンランナーのピッチは180spm~200spmの範囲とされています。

    私もレースやタイムトライアル、閾値走のときによく180spm~200spmを意識します。


    ふだんあまり意識していない状態から、いきなりこのピッチで回せ!と云われると、かなり高速に感じる回転数です。

    が、この速さで刻めるのは経験的にもちょうど良いと感じています。


    じゃあ、ピッチが高速で刻めると何がいいのか?

    ピッチを高速で刻む3つのメリット

    ピッチを高速で刻むことには以下のように3つのメリットがあると考えています。

    • スピードを出しやすい
    • ペースが安定する
    • 脚を痛めにくい

    脚を痛めにくい

    いちばん推したいのは

    脚(特に小さい筋肉)への負担の少なくなること
    です。


    スピードを上げようとして無理にストライドを伸ばすと、故障のリスクが上がります。

    足を伸ばした結果かかと着地になって膝を痛めたり、クッションとなるふくらはぎや脛にダメージが蓄積しやすくなるのです。


    坂道を走って下るときを想像するとわかりやすいです。

    ストライド(歩幅)を大きくすると強烈な着地衝撃をうけますが、ストライドを狭めてその分ピッチを上げれば衝撃を抑えながら同じペースで走行できます。


    私がピッチを意識し始めたのはまさに峠走の下りで肉離れを起こしてから。

    それからというもの、クーパーテスト(12分間走)でも痛くなりがちだった脛がピッチを細かく刻むことにより痛まなくなりました。


    これはホントに効きます。

    ペースが安定する

    一定のリズムで刻み続けることは、すなわちペースの安定をもたらしてくれます。

    ペースが不安定だとものすごく疲れるからです。


    あえて緩急をつける変化走というトレーニングがあるくらいなので、負担なく走るにはペースは一定であるに越したことはありません。

    そういう局面で、脳内に一定のテンポで流れるBGMがあると心強い。ペースがぶれにくくなるのです。


    目標タイムを狙うレースやTTだけでなく、閾値走やインターバル走などの設定ペースを守るトレーニングにも活用していきましょう。

    スピードを出しやすい

    ピッチを高速で刻むことメリットをまとめると

    脚へのダメージが少ない × ペースが安定する = 総じてスピードが出しやすい

    という公式が成り立ちます。


    特にピッチの後ろ盾となる、テンポが速めの脳内BGMがあれば百人力とまでは行かないまでも三人力くらいにはなります。

    一人で走っていたとしても誰かが先導してくれている、後ろからケツを叩いてくれているという感覚になれるので。


     * * *


    もちろん、これらはゲーム音楽に限ったBGMではありません。

    しかし、ゲーム音楽にはさらなる利点があるのです。

    ゲーム音楽の利点とは?

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    愛好家として、ゲーム音楽には他の音楽ジャンルにはない利点があるとおもっています。


    ざっくり表にまとめるとこんな感じ。

    項目 ゲーム音楽 洋楽・邦楽 インスト
    曲数
    認知度
    BPM
    歌詞なし
    ループ再生

    ※あくまでイメージです


    解説します。

    曲数が豊富

    ゲーム音楽には泣かせる曲もありますが、高速な曲も多くあります。

    その理由を少し。

    「戦い」の表現

    ゲームの醍醐味は「バトル」です。

    バトルには激しいBGM、すなわちテンポが速めの曲がつきものです。


    ゆえに高ピッチのランニングと相性バツグンなんです。

    演奏ハードルが低い

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    今でこそ生音が使われるようになりましたが、過去のゲーム音楽はコンピュータによる演奏(打ち込み)なので、物理的に演奏できないようなメロディーでも再生可能でした。

    BPM180~200は音楽としては速い部類に入るので、演奏テクニックに長けたミュージシャンしか挑戦できないというハードルがあります。(もちろんスローな曲も、それはそれで別の難しさがありますが)


    それこそもはやスポーツです。

    ゲーム音楽界からハイテンポの曲を多くリリースできたのは、機械に任せることができたのも一因でしょう。

    ニーズと合致しやすい

    テンポの速い曲って一部のターゲットには刺さりまくるんですが、一般ウケしづらいんですよね。

    だから商業性を意識するとどうしても乱発はしづらい。


    しかしゲーム音楽であれば、ゲームの世界観の一部を表現する役目に変わるので盛り込みやすい。

    キャッチーな曲、聴かせる曲は他のBGMが担ってくれるので。


    ゆえにバリエーションが豊かになると考えています。

    歌詞がない

    BGMには歌詞がないほうが他ごとに集中しやすいです。

    作業用BGMが良い例ではないでしょうか。


    歌詞があると左脳を持っていかれる気がして、ながら作業に集中しにくいんですよね。

    なので、ランニングしながら脳内に流すBGMとしては、歌詞がないゲーム音楽のほうがランニングに集中しやすくなります。


    また、歌詞がないので「つい口ずさんでしまい、呼吸が乱れたーー」ってことになりにくいというメリットもあります。

    無限ループする

    たとえばアクションゲームのステージ音楽やRPGの戦闘曲を思い浮かべてほしいのですが、クリアするまで無限ループしますよね。

    これもランニングと相性がいい要因のひとつです。


    1番、2番、間奏とか変化に富んだ曲よりも淡々とループし続けてくれる曲のほうが、これまたランニングに向いていると思います。

    考えてみれば当たり前かもしれません、ある意味ゲームをプレイするプレイヤーを盛り上げるためのBGMなので、音楽が主張しすぎることはしません。
    (嫌でもカッコよくて気になる曲はありますが)


    同じようにゲーム音楽は、走るランナーを盛り上げるBGM役をも果たしてくれるのです。

    BPM別ゲーム音楽リスト

    さて、お待たせしました!

    いよいよ、BGMリストのご紹介です。


    個人的な趣味に偏ってしまってはいますが、云えることはアクションや格闘、レース等、テンポ(BPM)が速めな曲はジャンル問わず使われているということです。

    180〜190bpm

    高速回転の入門的なピッチ、180spm前半の曲を集めました。

    BPM 曲名 ゲーム作品名
    180 ビッグブリッヂの死闘 FF5
    180 最後の戦い FF5
    180 闘う者達 FF7
    180 The Extreme FF8
    180 名を冠する者たち Xenoblade
    182 危機 聖剣伝説2
    180 スカルマン ステージ ロックマン4
    182 ウッドマン ステージ ロックマン2
    180 戦い(VSジムリーダー) ポケモン 赤・緑
    183 戦い(VS野生ポケモン) ポケモン 赤・緑


    190〜200bpm

    やや上級者向けです。かなり速い回転数なので股関節がちぎれないように注意。

    BPM 曲名 ゲーム作品名
    188 Ken's Stage ストリートファイター2
    200 ダークマン ステージ ロックマン5
    190 神の誕生 FF7
    206 Moon Over the Castle グランツーリスモ
    210 決戦 FF6


    私の実例

    最近、私が活用した脳内ゲーム音楽と、そのトレーニング内容をカンタンに紹介いたします。

    クーパーテスト

    • ビッグブリッヂの死闘(BPM 180)
    • 平均 183spm

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    毎月1回のペースでは敢行しているクーパーテスト(12分間走)

    テストでは全力を尽くすため、毎回脳内BGMのお世話になっています。


    おかげで今回も自己ベスト更新できました。

    閾値走

    • Moon Over the Castle(BPM 206)
    • 平均 183spm 

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    ビルドアップだったため、平均は183spmですが、閾値ペースではそれを上回る回転数で巡航できました。

    なかなか200spm超えにはついていけませんでしたが、引っぱってもらえてる感覚は味わえました。

    ペース走


    • 名を冠する者たち(BPM 180)
    • 平均 177spm

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    インターバル走からのペース走だったため、平均値は下がっていますが、ペース走区間は180spm後半で推移しています。

    あまり思い入れのない曲だったので、ペースと共に脳内BGMのテンポもダウンしかけました。

    テンポを確認する3つの方法

    これはオマケですが、曲のテンポ(BPM)を確認する方法をご紹介します。

    • 楽譜
    • MIDI
    • メトロノーム

    尚、曲を探すときに共通して云えるのは、楽譜もMIDIも曲名を日本語で探すよりも英語で探した方が、圧倒的にヒット率が高まるということです。

    「ビッグブリッヂの死闘」ではなく「Clash on the Big Bridge」、「ロックマン」ではなく「Mega Man」というように。

    楽譜

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    いちばんカンタンな方法は楽譜で確認すること。

    現代ならわざわざ買いに行かずとも、楽譜がPDFでダウロードできたりもするので、楽譜が公開されている楽曲ならWEBで確認できる場合もあります。

    メトロノーム

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    もっとも原始的な方法。

    曲に合わせてメトロノームを鳴らすことで、正確ではないけどざっくりテンポを把握することができます。


    もし自宅にメトロノームがなくても、今ならスマホアプリも使えますし、ランナーならGARMINのCONNECT IQでダウンロードできますね。

    MIDI

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    すこし技術的な方法につき、あまりオススメはしませんが、MIDI(電子楽器演奏データ)として公開されたゲーム音楽を使う方法もあります。

    ゲーム音楽をMIDIで公開しているサイトからMIDIをダウンロードし、シーケンサーソフト(音楽制作ソフト)に取り込んでBPMを確認する──という方法です。


    シーケンサーソフトは無料で使えるもの(例えば、Dominoとか)もあるので、もしご興味があれば!

    注意点

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    ゲーム音楽に限った話ではありませんが、脳内BGMを使うときの注意点をまとめました。

    人気曲のアレンジ問題

    前述の曲目リストは原曲のBPMを記載しています。

    しかし、人気曲はいろんなミュージシャンによってアレンジされています。


    アレンジはテンポをいじっている可能性もあるため、アレンジ版ばかり聴いているとそちらがカラダに染みついてしまうかもしれません。

    ゆえに、個人的には原曲推奨です。

    思い入れのある曲を選ぶこと

    脳内BGMには、思い入れがあったり、聴き込んだ曲を選ぶことをオススメします。

    なぜなら「脳内」で再生するためには細部までありありと想起できなければなりません。


    カッコいいから、と昨日今日聴いた曲を採用しようとしても付け焼き刃は通用しないのです。

    ランニングのペースが落ちると曲のテンポまで落ちてしまうという状況になりかねません。


    よって、自分の細胞にまで染み込んだ曲を選びましょう。

    起伏走には向かない

    ペースが安定しないコースでは、脳内BGMの手法は通用しません。


    たとえば、起伏の激しい峠やクロスカントリーを走るとき上りと下りでピッチもストライドも変わります。

    にも関わらず、脳内BGMのテンポに合わせようとすると無理が生じて、最悪の場合ケガをします。


    脳内BGMはピッチを安定させやすい平地で使うようにしましょう。

    無理に合わせない

    そもそもピッチが走り方に合わない場合は、無理して合わせる必要はありません。

    一般的なピッチがあるとはいえ、万人に通用するわけではないので、合わなければ自分の走りに合ったBGMを探すまでです。


    また、ピッチを上げることは脚を痛めにくい反面、心拍が上がりやすくなるという弊害もあるため、決して無理はなさらぬよう。

    テンションが上がり過ぎないように

    好きな音楽だとテンションが上がりますよね。

    上がりすぎてランナーズハイにならないように、テンポを守ることが大事です。


    疲労がたまってペースダウンしそうなタイミングでアガる曲を持ってくるという作戦はどうでしょうか。

    なぜ「脳内」なのか

    最後に補足ですが、なぜ「脳内」を推すかを弁明しておわります。


    確実にテンポ(BPM)を守るのであれば、イヤホンをして原曲を実際に聴きながら走るのが理想的です。

    しかし、私はあえてイヤホンは装着せず、「脳内」を推します。


    理由は

    • 安全だから
    • 足音を聞くため
    • 身軽でストレスフリー
    の3つ。

    決してイヤホンランを否定するわけではありません

    堤防や農道でもいつ危険が迫ってくるかわからないし、腰が落ちてないか足音で気づけるし、充電する手間とか管理するコストがあるので。

    でも

    • 音楽をかけたほうがテンションが上がる
    • 別に準備が億劫じゃない
    • 安全確保されてる

    というような方は、問題無用。


    要は人によるってことです (;^0^A

    まとめ

    ゲーム音楽とランニングの相性の良さ、伝わったでしょうか。


    おさらいです。

    1. レースや閾値走において、脳内でBGMを再生することで、目標タイムをクリアしてきました
    2. ハイテンポ(180〜200bpm)の曲がハイペースのランニングに最適です
    3. 特にゲーム音楽は歌詞がなくて集中しやすいし、無限ループなので途切れることなく再生できます

    ぜひ、お気に入りのゲーム音楽を脳内に再生して、負けられない戦いに挑んでみよう。


    健闘を祈ります!