今回は「トレーニングの5原則」シリーズ第4弾。
【復習】意識性の原則
「反復性の原則」の説明に入る前に、前回の意識性の原則を復習しておきましょう。
狭義の意識性
トレーニングの効果を最大化するために
- 運動の目的・意味をよく理解すること
- トレーニング時にどこに効いているのか意識すること
広義の意識性
- 無意識になるまで意識的に繰り返す
- マンネリ防止へ意図的に変化を加える
- ランニングだけに偏らないように意識する
この意識性の原則の効果を最大化するために、今回の「反復性の原則」が大事になります。
── というのが本日のお話です。
反復性の原則
「反復性の原則」とは、読んで字の如く
- どんなに優れたトレーニングでも数回やっただけで効果は現れない
- 反復することで、はじめて効果が現れる
- 継続しよう
ランニングにおける反復性
こと、ランニングにおいては
- 練習メニュー
- フォーム
練習メニュー
反復性の原則に当てはめるなら 「ひとつやると決めたら、そのトレーニングを継続すること」
と同義といえます。
ビギナーの方
はじめのうちは、習慣化することが目的となるでしょう。
なので、まずは1日15分でもいいので、とにかく毎日繰り返し続けること。
疲れてる日はウォーキングでもOKです。
ひとまず騙されたとおもって2週間、続けてみてください。
うまく助走できれば、あとは惰性で続けられます。
歯磨きでもするかのように習慣化できたらこっちのもんです。
タイムを狙う方
タイムを狙う方はもう走り慣れていて、タイムを伸ばすためのトレーニングを模索していることでしょう。
意識性の原則に従い、目的を持ったトレーニングを続けます。
- 強度の低い、ドリル的なトレーニングなら毎日くりかえす
- 強度が中程度の練習なら毎週くりかえす
- 強度が高く、回復に時間がかかるような練習なら月1でOK
強度に応じて反復頻度を調整することをおすすめします。
フォーム
これも走るのが習慣化できてる人向けですが、
- ケガなく続ける
- 良いタイムを出す
というのは、すべてフォームにかかっていっているといっても過言ではありません。
自分のフォームを撮影して愕然としますが、直そうにも一朝一夕には直らないのです。
ひたすら愚直に
- お腹を上げて
- 骨盤はやや前傾
- 腕は後ろに引いて
など、直すべきところを意識しながらくり返し、カラダの一部にしていくしかないのです。
これぞ、反復性冥利につきるところかもしれません。
どれくらい反復すればいいのか
2回、3回でも反復といえば反復です。
しかし、効果が感じられるようになるにはどれくらいの反復すれば良いのでしょうか。
反復回数
経験上で恐縮ですが、効果が感じられるようになるのは
- 毎日やる練習は最低2週間
- 週1のメニューは1ヶ月
くらいだとおもいます。
いや、回数にはこだわらなくていいです。
大事なのはむしろ効果をしっかり測ることです。
効果測定する
効果があったのか確認できないと、まだ続けたほうがいいのか、やめるべきなのか判断がつかないからです。
トレーニングの効果測定としては、たとえば
- タイムトライアル
- クーパーテスト
- ソツケン(岩本式ビルドアップ)
特に公式レースが開催されない今、目標のタイムに到達しそうか、定点観測はよりいっそう大切さを増します。
効果測定があれば、そのまま続けてみましょう。
効果が出ないのはやり方が良くないか、よほど向いていないのか。別のアプローチはないのかを模索します。
フォームの場合は理想の走りに近づけているか、ムービーで撮るのもいいですね。
私の実体験
3ヶ月間、平日はSIT(Sprint Interval Training)だけを走るというルールを設けていた時期がありました。
その結果、
- 1500m 5分切り
- 5km 20分切り
- ハーフ 90分切り
と数々の目標を達成してきました。
しかし、10kmのタイムトライアルで40分切りを目指すころになると、伸びが鈍化してきたのです。
結果、スタミナ強化のトレーニングにシフトすることができました。
毎月クーパーテストを行っていたからこそ、続けるか切り替えるか、判断できた良い 例です。
意識性の原則との関係
冒頭の話に戻りますが、意識性と反復性にはどのような関係があるのか。
もうお分かりかもしれませんが、特に
- 無意識になるまで意識的に繰り返す
- マンネリ防止へ意図的に変化を加える
この2点が反復性の原則に深く関わっているといえます。
- フォーム
- 無意識になるまで意識的に繰り返す
- 練習メニュー
- マンネリ防止へ意図的に変化を加える
繰り返すことも大事ですが、効果測定を行い頭打ちになったら別のトレーニングにシフトすることも大事です。
繰り返しすぎて「飽きる」ということもありますが、これもメンタル的に頭打ちになったといえるでしょう。
幸いランニングには色んな走り方があるので、アプローチの仕方を変えて継続してみましょう。
ランニング以外の活動における反復性
ここまで聞いて、 そんなの当たり前のことじゃんとお思いかもしれません。
確かにランニングにおいては
- 練習メニュー
- フォーム
しかし、われわれに通用する反復性の原則はランニングだけではありません。
どういうことか。
- ランニングを取り巻く環境への投資活動
ランニングを取り巻く環境
たとえば、意識性の原則でピックアップした、下記のようなランニング以外の活動。
- 洗車する
- 公園で遊ぶ
- 掃除機をかける
- 歩く姿勢を正す
- 食べる姿勢を正す
- ランニングで見つけた場所に家族・友人を招待する
これらでさえ、反復することでランニングに取り組みやすい環境を作ることができます。
極端な話、ランニングばかりしていると「ランニング以外何もしてくれない人」というレッテルが貼られてしまいます。
そうなっては走りにくい。
反復性のためにトレーニングを繰り返した結果、皮肉にもトレーニングしづらい状況が生まれてしまいます。
なので、トレーニング以外のことも継続的に意識しましょう。
大事なのはたまにではなく、反復的にやること。
たまにしかやらないとどうしても不自然になっちゃうんですよね。
「どうしたの?」
「やましいことでもあるの?」
「何か欲しいものでもあるの?」
と疑われかねませんw
あくまでさり気なく。
自然とできないと、わざとらしさやぎこちなさが出ちゃうので。
プライベートだけじゃありません。
仕事でうまくいかないと食えなくなり、走ってる場合じゃなくなります。
あっ、大事なこと言っちゃった。これについてはまた、次回。
あっぷりへんょん ~諦めたら試合終了ではない~
私は昔から三日坊主癖がありました。
好奇心旺盛だけど飽き性。
このブログの過去記事を遡っていただくとわかりますが、3年以上前は音楽やおりがみ、ハンドクラフト系の記事が多かったです。
それで、何か面白そうなことをと反復的に探してきた結果、たどり着いたのがランニングでした。
反復性の原則にのっとると、 3日以上は続けなければなりません。
でも、頭打ちになったら別の方法へシフトするのも反復性の原則が教えてくれたことです。
そんな経験から「あきめたら試合終了ではなく、新しい試合の始まり」だとおもっています。
ランニングにはたくさん選択肢があります。
続けてみて自分に合えば繰り返し、合わなければ見切りをつける。
得手不得手がありますからね。
そうやって楽しんでいければいいと思います!