こんな方にオススメの記事
恥ずかしながら、ランニングを止めてから4ヶ月で体脂肪率が3ポイント増しになってしまいました。
ぐぬぬ…
スピンバイクでSITを繰り返してもやっぱりランニングには敵いません。
ランニングの偉大さを痛感する毎日でございます。
しかし、後悔しても仕方がありません。
走れなくてヒマなので、体脂肪率がマラソンタイムにどのような影響があるかを調べてみました。
今回は
- 体脂肪率とマラソンタイムに関わる論文
- マラソンタイム試算ツール
- 体脂肪率1%のタイム差
タイム別マラソンランナーの体脂肪率
まず手始めにランナーの平均的な体脂肪率を調べてみました。
タイム | 男性 | 女性 |
---|---|---|
サブ3 | 10.6% | 13.5% |
サブ3.5 | 13.1% | 18.7% |
サブ4 | 14.4% | 19.4% |
サブ4.5 | 17.2% | 20.6% |
サブ5 | 17.2% | 21.8% |
これはタニタ社がランネット経由で行ったアンケート調査を元に発表した報告書「ランニング愛好家と体脂肪」に基づいているそうです
皆さんはこの表に当てはまってますか?
マラソンタイムと体脂肪率に関係はあるの?
私は上記の表にまったく当てはまりません。
サブ3.5したときでも15.5%だったし、自己ベストの3時間11分のときに至っては16.2%でした。
というか、体脂肪が15%を下回ったことない気がします。
BMIは20未満なので、単純に筋肉なさすぎなんですよね。
そのせいでケガをした疑惑、あると思います。
論文紹介
全体の平均は判りましたが、もっと個に密接な根拠はないかと探して出会ったのが
正式には2012年に発表された、"Running speed during training and percent body fat predict race time in recreational male marathoners"というタイトルとなっています。
実験内容
被験者は2010年と2011年、スイスのバーゼルで開催されたマラソン大会に参加した126名の男性市民ランナー。
完走タイムは3時間20分~4時間23分。
気温は16.9℃~17.5℃と結構暑く、風速は1m/sとほぼ無風だったようです。
タイトルでは「練習時の走行スピード」と「体脂肪率」が要素として掲げられていますが、
- 年齢 Age (years)
- 体重 Body mass (kg)
- 脚の長さ Length of leg (cm)
- 骨格筋 Skeletal muscle mass (kg)
- 週走行距離 Weekly kilometers ran (km)
- 週あたり走行時間 Hours ran per week
- 週あたり最大距離 Maximal distance ran per week (km)
などなど、いろんな要素で比較した結果、マラソンタイムは練習時の走行スピードと体脂肪率との相関が強かったという結論になったようです。
いきなり結論!
ということで、いきなり結論です。
Low body fat alone may not be sufficient to achieve a fast marathon race time.
A recreational male marathoner aiming to achieve a fast marathon race time needs to run during training at a speed close to that of the race.
直訳すると、こんな感じ↓
マラソンタイムの向上を目指すなら、結局レースに近いペースでトレーニングしなきゃいけないっぽいよ。
当たり前ですよね。
体脂肪率に依存するなら体脂肪率4%のボディービルダーが速いのかというとそんなわけありません。
そして、トレーニングもできるだけ速いスピードで走ることに慣れることですよね(もちろんケガしない範囲で)。
いちおう公式…
- Race time (minutes) = 326.3 + 2.394 × (Body fat percentage, %) − 12.06 × (Running speed in training, km/hour)
直訳すると、こんな感じ↓
- マラソンタイム (分) = 326.3 + 2.394 × (体脂肪率 %) − 12.06 × (トレーニング時の平均時速km/h)
相関係数(correlation)は「0.75」とのことなので、わりと信頼性は高そうです。
なんでそんな当たり前のこと取り上げたんだ
そんな声が聞こえてきそうです
す、すみません…
これがやりたかったからです↓
ツールで計算してみよう
Javascriptを駆使して「マラソンタイム試算ツール」を作成したので、ぜひ試してみてください。
時速:
予想タイム:
※すみません、男性ランナー限定です ><
「練習時の走行スピード」とは何か?
結論のとおり、影響が大きいのは練習時の走行スピードですが、「練習時のスピードって何?」って思いますよね。
これ、論文にも正確に書いていなかったので、憶測なんですけど…
また、怒られるかもしれませんが…
「Tペース」だと思うんですよね。
※もしくはキツイけどそこそこ長く頑張れるペース
自分のタイムで確認
というのも、自分自身のタイムで確認してみても
※当時のタイムは3時間11分、体脂肪率は16.2%
Tペースがしっくりきますが…
Eペースや月間の平均ペースだったとすると
ぜんぜん合わないんですよね。
体脂肪1%あたりのタイム差は?
それならVDOTでもレースタイムが計算できるじゃないか!
まあ、まあ、落ち着いてください。
この方程式には、もっと大事なことが隠されています。
この部分です↓
- 2.394 × (Body fat percentage, %)
ここに体脂肪率1%あたりのタイム差がさり気なく書かれていました。
2.394分、ということは
実際に上記のツールで同じペースのまま体脂肪率だけ1%変えてみるとその差が確認可能です(秒は四捨五入)。
体脂肪率は全然カンケーないのか、というとそうでもなくて、よく云われる
- 体重1kg減で3分速くなる
みたいに
- 体脂肪率1%減で2分速くなる
と云えるかもしれません。
目標タイムに2分の壁で跳ね返されている方は、体脂肪率を1%落とすと良いかもしれません。
結局、トレーニングしろ、ということになっちゃいますが ^^;
まとめ
今回は
- 体脂肪率よりトレーニング強度の論文
- マラソンタイム試算ツール
- 体脂肪率1%で約2分のタイム差
冒頭に示した「タイム別平均体脂肪率」は適切なトレーニングを行った結果、速いランナーは体脂肪率が低いのであって、体脂肪率が低いから目標タイムが達成できるわけじゃないですよね。
本末転倒にならぬよう、トレーニングをしながら体脂肪率を落としていきたいものです。
体脂肪とマラソンタイムの研究は他にもあるようなので、引き続き読みあさってみたいとおもいます。
ヒマなので。