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完全休足派でも!知っておきたい「アクティブレスト」の心得

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こんな方にオススメの記事
  • 完全休息型ランナー

  • 休んでも疲れがとれない時がある

  • アクティブレストしたほうがいいのかなァ?


  • はじめに断っておきますと、本記事は完全休足を否定するものではありません。

    かくいう私も完全休足派なので。


    しかし、そんな完全休足派でも、アクティブレストの真意を理解しておくと、完全休足の回復力をいっそう高めてくれますよ、というお話です。


    概要は以下のとおり。

    • 休息のとり方にはアクティブとパッシブの2種類がある
    • 走り終えた瞬間からアクティブレストは始まっている
    • ダウンジョグもアクティブレストの内のひとつ
    • ダウンジョグでも必ずフォームを意識しよう
    • W(ダブル)レストで疲労に別れを!




    休んでも疲れがとれない

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    ランニングをしていると

    しっかり休んだつもりなのに疲れがとれない

    なんて局面に出くわすことがありませんか?


    これ、休息のとり方に問題がある可能性があります。

    2つの休息

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    一言に「休息」と云っても、大まかに分けて以下の2種類があります。

    • アクティブレスト
    • パッシブレスト

    どう違うのか?

    アクティブレスト

    アクティブレストは「積極的休息」の意。


    完全に休むのではなく、軽く体を動かして、心身ともにリフレッシュすることが目的です。

    • 血流を促進して疲労物質を排出すること
    • 筋肉をほぐすこと

    軽い運動をすることによって、カラダだけでなく精神面での回復をも促します。

    パッシブレスト

    もうひとつのパッシブレストは「消極的休息」の意。


    いわゆる安静や睡眠など、完全休足することを指します。

    動くと筋や腱が痛むなど、重度の疲労が溜まっているときは安静にしておくのが賢明でしょう。


    あと!眠たいときは寝る!これに尽きます。

    いっそのこと思いっきり休んで、「走りたい!」というフラストレーションをためてから爆発させたほうが精神衛生上も良いと考えています。

    アクティブレストの例

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    パッシブレスト(完全休足)をとっても疲労が抜けない方はアクティブレストを試してみるといいかもしれません。

    以下に

    • アクティブレストの種類
    • アクティブレストのとり方
    を紹介します。

    アクティブレストの種類

    アクティブレストといっても種類はたくさんあります。


    たとえば

    • WS
    • ヨガ
    • 縄跳び
    • 芝ラン
    • ハイキング
    • スイミング
    • ストレッチ
    • サイクリング
    • ウォーキング
    • スロージョギング

    etc.

    その場でできるものから道具がいるものまで多種多様ですが、ご自身の手近にあるものでリフレッシュできるものをピックアップされると良いでしょう。

    アクティブレストのとり方

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    ふだんランニングされている方にとって、結局いちばん手がつけやすいのは、走りながら疲労を抜くことです。

    中でもオススメなのは

    • Eペース後半のジョグ 25分
    • WS x8本(タバタ式)

    の合計30分前後のアクティブレストです。

    Eペース後半ジョグ

    ダニエルズ式のEペース(Easyペース)には、広めのレンジが設定されています。

    他のTペースやIペースと違って決めれた距離・時間を走るのではなく、自由に走ることを想定されているからです。


    参考までに走力別のEペースのレンジを載せておきます。

    VDOT 目安タイム E上限 E下限
    32 サブ4.5 06:48 07:27
    37 サブ4.0 06:20 06:57
    44 サブ3.5 05:37 06:10
    53 サブ3.0 04:51 05:21

    上記表の「E下限」あたりで走ると速すぎず遅すぎずちょうど「良い加減」のペースだと思います^^

    WS(ウインドスプリント)

    ウインドスプリント(WS)は、別名「流し」とも呼ばれ、

    全力の8割り程度のスピードで疾走すること
    を云います。

    通常、100〜200mくらいの距離を複数回走ります。


    このWSは、強度の高い練習前はフォーミングアップにも使えますが、ジョグの後の刺激入れにも役立ちます。

    タバタ式

    念のため「タバタ式」についても、補足しておきます。


    タバタ式(タバタ・トレーニング)とは田端教授が開発されたインターバルトレーニングの一種で

    {20秒の高負荷トレーニング+10秒の休息}x 8セット
    を行うトレーニングです。


    これをWSに応用します。

    ただの「流し」ではなく、時間制限があるゆえに緊張感あふれる超濃厚なWSができること間違いなしですw


    正確に20秒+10秒でなくても構わないので、手動でラップを計測しながら走っても良いですが、WSのみに集中されたい方は、GARMINのワークアウトに登録しておくと自動でカウントダウンしてくれるので便利です。

    アクティブレストの副産物

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    完全休息(パッシブレスト)の代わりにアクティブレストした場合、意外な副産物が得られることがあります。


    それは

    ケアに対する意識が高まること

    です。


    明日は完全休息だから ── と、休みの前日はついケアを疎かにしてしまいがちです。

    しかし、それをジョグやWSすると切り替えることで「少しでも走れる状態にしておこう」と意識が変わります。


    そのおかげで意外とちゃんとマッサージしたりストレッチしたり筋膜リリースしたりして、快調を維持できたりするのです。

    休んでも疲れがとれない方は、この点も少し意識してみてください。

    アクティブレストとしてのダウンジョグ

    じゃあ、やっぱり完全休足じゃなくてアクティブレストしたほうがいいの?

    と考えるのは早計です。

    ここは流儀にもよると思うので、貴殿貴女の流儀を侵すつもりは毛頭ありません。


    しかし、ひとつだけ認識しておいていただきたいのは

    走り終えた瞬間からアクティブレストは始まっている

    ということです。


    ふつう「休息日」「休足日」「休養日」「休脚日」とか「」に対してアクティブレストしようとします。

    もちろんこれも間違っていません。


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    でも、もっとミクロな視点でみると、走り終えた時点から休息日に向かって時は流れています

    すべてはつながっているのです。

    ダウンジョグ

    ちょっと怪しい宗教みたいになってしまいましたが、何が云いたいかというと

    休息日に向かう最中にしっかりダウンジョグをしておきましょう

    ということです。


    ダウンジョグとは「クールダウンするためのジョグ」です。

    ただし、クールダウンの効果については科学的根拠があるとかないとか賛否あるので、あくまでアクティブレストとしてのジョグという位置づけでご理解ください m(__)m


    オススメは

    トレーニング後の

    • 10分のジョグ
    • または1km程度のスロージョギング

    です。


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    30km走の後も、閾値走の後もダウンジョグ


    尚、ぶっ続けで走らなくても結構です。小休止して、アクティビティを分割してもOKです。

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    一方で、もともとアクティブレスト感覚で走る、ゆるジョグやWS(ウインドスプリント)の後にはダウンジョグは要りません。

    ダウンジョグで意識すべきこと

    ダウンジョグだからと云ってテキトーに済ませてはいけません。

    むしろここをちゃんとしておかないと成長を妨げるリスクさえあります。


    個人的にダウンジョグには疲労抜き以上に以下の点で有効だと考えています

    • フォームを意識
    • 疲労・痛みを確認
    • トレーニングの反省

    もしダウンジョグ中に余裕があるなら、以下の点を意識してみてください。

    フォームを意識

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    ダウンジョグに際して、特にフォームを意識するのは大事です。

    • 腰を落とさない
    • 猫背にならない
    • 目線を下げない

    短い時間ではありますが、疲弊したカラダをいかに支えるかを刷り込んでおくことによって、マラソン終盤の疲労にも強くなります。


    もし、疲弊しすぎてジョグできないなら止めるのが賢明です。逆に悪化させかねないので。

    疲労・痛みを確認

    高強度の練習のあと、どこに疲労が溜まっているか、痛むところはないか、ダウンジョグ中にチェックしてしまいましょう。


    また、このタイミングで確認しておくことで

    • ふくらはぎに疲労が溜まっているとき、腿を少し上げてみることで軽減されたり
    • 腿が筋肉痛のときは、接地の仕方を変えてみることで軽減されたり

    フォーム矯正すべきポイントが発見できることもあります。

    トレーニングの反省

    フォームや疲労度を確認しながら、頭の中も整理しておきましょう。

    • 何がよくて何が良くなかったか?
    • 明日は何のトレーニングをするか?
    • Twitterではどんな風に投稿しようか?w

    できた点は自分を褒めてあげて、できなかった点は伸びしろとして、いずれの場合でもポジティブに終了させましょう。

    注意点

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    もし今までダウンジョグをしていなかったランナーがダウンジョグを取り入れるようになると、単純にその分の時間確保が必要になります。

    そのために5~10分、早く出走しなければなりません。


    特に朝ラン派には痛手?かもしれませんね。

    何せ、朝の10分は貴重なので。


    しかし、時間的な意味でも身体的な意味でもダウンジョグの時間は長くとりすぎないほうがいいです。

    疲労抜きが目的なのにダラダラと続けて疲労を溜め込んでしまうのがいちばん良くありません。


    サクッと終わらせて、栄養補給したりシャワーを浴びたりしましょう。

    もちろん痛みを感じる場合は、即刻ワークアウト終了でOKです。

    理想はWレスト

    • ダウンジョグ、つなぎジョグやWSをアクティブレストと捉え
    • 完全休息はパッシブレストのまま休息をとる

    W(ダブル)レストが理想郷だとおもっています。

    「つなぎジョグ」ではなくアクティブレスト

    個人的な感覚で申し訳ないのですが、「つなぎジョグ」という呼び名に抵抗があります。

    おそらく「ポイント練習とポイント練習をつなぐジョグだから」という理由でそう名付けられたのだとは思います。


    しかしこの語感から、どことなくジョグが軽視されてしまっているように聞こえるんですよね。

    ジョグはジョグなりに目的があるはずなので、ポイント練習ありきの「つなぎジョグ」ではなく、ジョグ主体で呼んであげたいです。


    疲労抜きジョグとかほぐしジョグ…アクティブレストジョグはちょっと呼びにくいか f^_^;

    アクティブとパッシブの融和

    トレーニングの後のアクティブレストとしてダウンジョグを行い、完全休息(パッシブレスト)につなげる。

    完全休息中はしっかりとケアする。

    トレーニング再開前にアクティブレストのジョグ+WSで体をほぐし、次のトレーニングに向かう。

    完全休足の前もしっかりケアすることで、回復力を高める ──


    そうなってくると、もはや完全休息派とかアクティブレスト派とか派閥の垣根を越えて、互いに融和するユートピアが成立するようになるのです?

    ちょっと何云ってるか分からなくなってきたので、手前味噌ではありますが、私のW(ダブル)レストの例を挙げさせていただきます。

    私のWレスト例

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    つい最近の話で恐縮ですが、私は以下のようなレストを計画的に行うことで、ロング走のダメージから復活することができました。

    • 日 30km(ダウンジョグ1km)

       ↓

    • 月 完全休足(パッシブレスト)

       ↓

    • 火 ジョグ+WS(アクティブレスト)

       ↓

    • 水 閾値走(復活!)

    アクティブレストとパッシブレストを組み合わせることで、見事にユートピアを我がものにすることができたのです。

    文字に起こすと休んでばっかりに見えますが、トレーニングの日にしっかり負荷をかけることで、メリハリの利いた練習ができます。


    おかげで閾値走も設定どおりこなせるように復活しました。



    まとめ

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    疲労が抜けないからと云って、わざわざ休足日をアクティブレストにしなくても結構です。

    単に、ふだんの

    • ダウンジョグをアクティブレストと捉える
    • つなぎジョグをアクティブレストと捉える

    ことで、完全休足時の回復力を高めることができます。


    アクティブレストでほぐしつつ、パッシブレストで疲労を回復させましょう。

    しっかり休めばしっかりトレーニングできるようになるので、必ず強くなれます。


    メリハリつけていきましょう!