こんな方にオススメの記事
あります!
MGCランナーも取り入れている「プレクーリング(予冷)」を知っておきましょう。
- プレクーリングとは何か
- プレクーリングが効く科学的根拠
- 一般的なプレクーリングの例
- 庶民は手作りプレクーリング!
- なぜ手のひら冷やすといいのか
- 自作アイスボトルの5つのメリット
- デメリットと注意点
- あっぷりへんしょん ~プレクーリングを楽しもう~
プレクーリングとは何か
プレクーリングとは、
日本語でいうと「予冷」。
ランニングのパフォーマンスは体温上昇に強く影響されるので、あらかじめ体温を低下させておけば、限界までの余裕ができます。
その結果、ランニングの持続時間をも伸ばせるというロジックです。
プレクーリングが効く科学的根拠
これ、しっかりと研究もされており、実際にアスリートも暑熱対策にとりいれている手法なんです。
とある論文では
- プレクーリングを行った被験者グループのほうが行わなかったグループよりも高気温における運動持続時間が最も長かった
- 深部体温が40℃に達すると持続力が急落する
という結果が発表されています。
そのため、1996年のアトランタ・オリンピックの頃からは自転車、ボート、車イスの競技者の間ででは積極的にプレクーリングをとりいれるようになったそうです。
一般的なプレクーリングの例
アスリートたちが使っているプレクーリングには、例えば以下のようなものがあります。
- アイスベストを羽織る
- コアクーラーを着ける
- スラリーアイスを食べる
しかし、以下のリンクをご覧いただけると分かりますが、軽く手を出すにしてはハードルが高そうです。
長時間タイプ アイスベスト AITOZ アイトス Fサイズ ( 約4時間持続 アイスパック 4個付)
- メディア: ウェア&シューズ
そこで、昨年のMGCで服部勇馬選手が使っていた方法にヒントを得て、自作してみることにしました。
庶民は手作りプレクーリング!
もちろん、ガチな装備を準備してもいいですが、まず手っ取り早く始めるなら
困ったときは
- 手作りできないか
- 100円で解決できないか
材料
材料は
100円ショップで買えます(o^-')b
やわらかくて厚手のものがいいです。
私はキャップを回すタイプを使っていますが、ワンタッチでパカッと開くタイプのほうがストレスなくていいかもしれません。
多少漏れてもいいので密閉度より使いやすさ重視で選ぶといいとおもいます。
作り方
- ボトルに水を入れる
- 冷凍庫に投入しておく
朝ランは寝る前に、夜ラン派は仕事から帰ってきてからでも間に合うスピードだとおもいます。
使い方
使い方は以下のとおり。
- ひとつずつ手に握って走る
- 溶けきったらカラダにかける等して中身を空にする
- 空になったらポケットやポーチにしまって帰ってくる
以上。
外気やサイズにもよりますが、氷の持続時間は10~20分程度です。
「なーんだ、そんな程度か」と思うなかれ。
その冷却時間があるかないかで、その後のパフォーマンスにかかわってくるのが、プレクーリングです。
なぜ手のひら冷やすといいのか
プレクーリングでは体の色んな部位を冷やす実験がなされています。
その中でも手のひらを冷やすことが効果が高そうだと、近年の研究結果でわかってきたのです。
たとえば、スタンフォード大学の実験では手のひらや足の裏など、体の先端部分を冷やしたほうが深部体温を下げるのに効果があることをつきとめました。
引用:Wilderness Environ Med., 26(2) 173-9 (2015)
また、コアクーラーを開発したTEKION LABの受け売りですが 。
手のひらにはAVA血管という体温を調節する特殊な血管があり、この血管を冷やすことで深部体温を下げやすくなるそうです。
脳より遠い部位を冷やしたほうが、結果的に全身の体温を下げやすいようですね。
服部選手がMGCで好成績をおさめたのも、手に握った氷と無関係ではない気がしてならないのです!!
自作アイスボトルの5つのメリット
この天才的な発明のメリットを5つご紹介しましょう。
自作しやすい
やってみると分かりますが、作り方は至極カンタンです。
自作するにはうってつけです。
これなら冷たいスムージー(スラリーアイス)を作るより、アイスベストを作るより、 ずいぶんハードルが低そうじゃありませんか?
いろんな部位が冷やせる
冷やせるのは手のひらだけではありません。
想像していただければわかりますが、手にアイスボトルを持っているだけなので、熱くなってきたらそのまま
- 脇の下にあてがう
- 頬にあてがう
など、カラダのいろんな部位を冷やすこともできます。
豆知識ですが、額(おでこ)に氷を当てると気持ちいいですが、冷却効果はあまりないようです。
適度な冷たさ
冷たいミニボトルを握って走ることになります。
(素材にもよりますが)冷たすぎて持てないということはありません。
むしろ冷たすぎると逆に防衛本能で体温を上げようとしてしまうそうです。
なので、それなりに厚手で、氷の冷たさを直に感じにくい詰め替えボトルくらいがちょうどいいのです。
中身も使える
トラベル用の詰め替えボトルはだいたい20ml前後でしょうか。
合計で50ml程度ではありますが、氷が溶けたら頭や首筋にかけたり、手洗いに使ったり(自己責任ですが、飲んだり)と、水浴びに使えます。
砂漠にオアシスとはこのことですねw
空なら重量 ≒ 0g
中身を使い果たせば、重量はほぼゼロ。
ポケットにつっこんだり、ポーチにしまったりして持ち帰りましょう。
私の場合は、ランニングタイツのウエスト部分にはさんで帰ってきます。
軽いので邪魔になりません。
手荷物は増えますが、決してかさばる量ではないのです。
デメリットと注意点
もちろん、良いことづくめではありません。
何回か試してみた中で気づいたデメリットや注意点を書きとめておきます。
持ち物が増える
当たり前ですが、単純に持ち物が増えます。
小さいながらも手荷物が増えます。
そして予め冷凍しておく必要があるので、「準備がめんどくさーい」という方には不向きです。
個人的にはそこも含めて楽しみたいと思っていますが、思い立った時にすぐ走りに出たいという方には向いていないかもしれません。
落とすと面倒
一度経験があるのですが、手で軽く握ってるだけなので、手がすべって落としてしまうリスクがあります。
落とすと拾うために足が止まってしまうので、服部選手のようにゴムで留めるなり(?)落としにくい工夫が必要かもしれません。
あと、だんだん氷が溶けていくので中でカランコロン鳴ります。
小さいのであまり気にはならないと思いますが、念のため。
冷やしすぎない
冷やしすぎればいいというものではありません。
例えば保冷剤なんかを直でもつと手がキンキンに冷えてしまい、逆にカラダが体温を上げようとしまうリスクさえあります。
手のひらの場合、プレクーリングの推奨は12℃です。
自作ボトルで12℃を保つのは難しいかもしれませんが、冷やしすぎることは避けましょう。
あっぷりへんしょん ~プレクーリングを楽しもう~
アスリート並みのプレクーリングはできないにしても、工夫すればわれわれにも似たような対策はうてるはずです。
- 氷水を飲んで出発する
- ソフトフラスクを冷凍する
- 冷却タオルを首に巻いておく
- 手作りシャーベットを補給する
- ランニングポーチ自体を冷凍する
- ドリンクボトルに氷を入れて冷やす
- バッグに保冷剤を入れて疑似アイスベストにする
暑さに耐えるだけじゃなく、少しでも暑さを緩和できる方法を探す。
これも夏ランの楽しみ方のひとつだとおもいます。
プレクーリングで夏ランを楽しみましょう!