
景観遺産でなく、景観“自慢”を詣でてきました。
■プロローグ
そろーり、そろり。
週末の朝は早起きして、ぬき足さし足しのび足。
気配を消してクローゼットにしのびこみ、ジョギングウェアとハーフパンツ、5本指ソックスを確保する。
えっと、最近買ったタイツはどこだ ──
と、こっそりあさっていたはずが、
「パパ!」
と、娘にさとられてしまった。
「やられた」
と諸手をあげるぼくに、娘は攻撃の手をゆるめない。
「これ、これ、これ!」
と、のべつまくなしに求めるのは、お絵描き用のおもちゃ。
彼女は最近、お絵描きに興味があるようです。
わかりますか、あの、マグネットのペンで絵が描けるおもちゃ(なんていうん名称なんだろう)。
それを持ってきてしきりに「これ!(何か描いて)」とせまってくる。
娘はそれを消して、ふたたび「これ!」と求めるので、同じ件をドキンちゃんとコキンちゃんとでやったりする。
ぼくがおしまいのそぶりを見せると、その場で反り返ってバタバタ転げまわるので、なかなか意固地な性分なんじゃないか。往く末は大丈夫なのか、と親としてすこし心配になったりする。
そうやってるうちに、時計の針が7時をまわってしまった。
「今から赤坂にいってかえってくると9時をすぎてしまうなあ」
とはいえ、近場でかえってこれそうな景観遺産がない。
ならば、景観“自慢”はどうか。
あった。
楽田町。
片道7kmだが、まあ、赤坂よりはまだ近いだろう。
そんなわけで急遽、目的地をきりかえ、景観自慢をめざしたのである。
■楽田町八幡神社夫婦松
八幡神社の境内にある2本の松が景観"自慢"。

1959年の伊勢湾台風で生き残った2本。

ストーリー性ふくめた景観自慢である。

ただ、景観遺産に昇格できないのは、本殿までのメンテナンスが行き届いていないからであろうか。

参道はながく、ポテンシャルを秘めているような気がする。

景観“自慢”とはいうものの、何となくもったいない印象をすくなからず受けてしまった。

■エピローグ
作戦を変更して景観“自慢”を詣でたけど、結局1時間半ほど走っていた。

ちょうどジョギングには気持ちいい季節なので、走ってるうちは、それはもうそのまんま、気持ちがいい。
けど、帰宅するころには尋常じゃないほどに汗がしたたっている。
「ただいまー」
と、帰ると、妻が
「おかえり、うわっ」
と反応する。
もう風呂場へ直行である。
シャワーを浴びて、朝ごはんを食べるわけだが、その前に忘れてはならないことがある。
ついでに風呂掃除をするのだ。
これ、家庭円満の秘訣ね。
ためになるだろう、あっぷりノート。
ただ、今回の最大の学びは、
「翌朝着るものは枕元に用意してから寝るべし」
という小学生レベルの教訓だとおもっているんだけれど。