石川県の県章が仕上がったのでご覧いただきたい。
石川県で都道府県章の公募が始まったら抜け駆け間違いなしだ。
なぜいきなり石川県の県章なのか、これにはれっきとした理由がある。
それは学生時代に「まず最初に結論を提示してインパクトを残せ」とプレゼンテーションの講義でたたきこまれたから…
というのもあるけど、都道府県章に詳しいキミも、そうでない諸姉も、同じスタートラインに立つためにかんたんに都道府県章事情を説明しておこう。
「石川」をベースに石川県の地形を象り、日本海を青色で表現している。
でも「県章」はない。
何故ないのか理由は知るよしもないが、「ないものは作りなさい」とはわが人生の師、所ジョージの言葉である。
その進言どおり、わがしんぼる会(会員数1名)では一世一代のプロジェクトに乗り出した。
大した使命感もないまま石川県の県章を作ろう、というプロジェクトである。
都道府県章はシンボルだったら何でもいいわけではない。
少なからず県章っぽいデザインってのがある。県章っぽければ、ぽいほど採用されやすくなる。
試験勉強と同じように県章づくりにも傾向と対策が有効なのだ。
だからまずは各都道府県章から傾向をつかもう。
そして石川県の県章に採用されやすいシンボルを模索していこう。
※作ったわりに出番の少ないPDFは、ここからダウンロード可能です
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▼石川県の都道府県章事情
石川県には優れた「県旗」がある。 ***
▼お手本から傾向を学ぶ
まず石川県を除く46コの都道府県章をぶった切ってみる。・名産・名所
よくあるのは山・川・海。実に日本らしい。あと、名産物ね。そしてあまり知られていないが(というか僕は知りませんでしたが)、県の木・県の花なんてのがモチーフとして引っ張りだこに。(愛媛県:みかん・瀬戸内海・石鎚山でカラフル)
・抽象観念
未来とか躍進とか創造などあったが、それらはすべて「発展」に集約し、平和や団結などは「融和」に統合した。すると、ほとんどのシンボルが発展と融和をシンボル化していることになる。だから鋭利な流線形だったり、丸いわっかがベースにあるんだろうとも思ったが、発展と融和を願わない自治体がどこにあるだろう。「また、発展と融和を表す」それはこじつけかのように、ほとんどの標章に添えられている。(秋田県:この丸は別に融和を表してないらしい)
・地形
地形をシンボルに取り入れるのはかなりハイレベル。だって地形が決まっちゃうとシンボルの大枠がだいたい決まっちゃうからね。それだけに取り入れてるだけでポイントがかなり高い(何の…?)(青森県:とはいえ、地形のみで勝負に出た肝っ玉県章)
まさに奇跡。「とさ」をモチーフにしつつ、漢字の「土」の図案とも読み取れる。そしてネガ(空白)の部分は高知の「コ」を形成する。
「とく」を図案化。飛ぶ鳥をモチーフにした都道府県章も非常に多いが、中でも秀逸なフォルム。
地形と名所を巧みにシンボライズしている秀作。
「マ」が4つで「シマ」というダジャレ。この方式はよく色んな標章で採用される。
なかなかトリッキーな作品。「フクイ」を解読するのがそこそこ難易度高し。しかし、線の太さや間隔、色を指定しているあたり、美意識の表れだろうか。
県名も名産も融和・発展もすべて取り入れている優等生。でも優等生すぎると面白くなくなっちゃう。
一たび「カ」が由来とわかると、もう失墜している「カ」にしか見えない。左肩下がりだからだろうか。
▼お手本に倣って対策をうつ
さてさて、傾向はだいたいつかめた。・左上:ひらがなで「い・し」
・右上:篆書で「石川」
・左下:「イ」が4つで「いし」+真ん中に「川」の字
・右下:加賀藩の「賀」を角字で表現
名産・名所
・左上:兼六園の灯篭をピクセルアート化
・右上:輪島塗のアイコン
・左下:加賀前田氏の紋章「加賀梅鉢」
・右下:郷土の花「クロユリ」の紋章
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▼作った県章は活用してナンボ
新たに生まれた県章は活用されなければ意味がない。
▼あっぷりへんしょん ~都道府県章の作り方~
ご存知の方もいらっしゃるかもしれないが、この記事は過去2本分の記事の総まとめである。都道府県章づくりにテクニックは必要ない。必要なのは、傾向と対策とパッションである、ということが伝われば幸いである。