先日発足した「親ぼる会」。今のところ会員は僕一人。
目的は、シンボルの成り立ちを体系的に捉え、未来のシンボル創造に寄与すること。
要は、今あるシンボルを知って新しいシンボルづくりに役立てましょう、ということだ。
今回はその前半部分「シンボルの成り立ちを体系的に捉え」ます。
(後半はまた今度)
さて、どこから取りかかるか?
範囲が有限な都道府県章がいいと思う。
47個なら一人でなんとかなるだろうし。
(結局は46個だった。理由は後述。)
・文字
・名産・名所
・抽象観念
・地形
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・高知県
(後半はまた今度)
(結局は46個だった。理由は後述。)
▼47都道府県章をぶった斬っちゃう
まず都道府県章ざっと眺め、それぞれの成り立ち・意図を「文字」「名産・名所」「抽象観念」「地形」の切り口でぶった斬ってみた。・名産・名所
よくあるのは山・川・海。実に日本らしい。あと、名産物ね。そしてあまり知られていないが(というか僕は知りませんでしたが)、県の木・県の花なんてのがモチーフとして引っ張りだこに。(愛媛県:みかん・瀬戸内海・石鎚山でカラフル)
・抽象観念
未来とか躍進とか創造などあったが、それらはすべて「発展」に集約し、平和や団結などは「融和」に統合した。すると、ほとんどのシンボルが発展と融和をシンボル化していることになる。だから鋭利な流線形だったり、丸いわっかがベースにあるんだろうとも思ったが、発展と融和を願わない自治体がどこにあるだろう。「また、発展と融和を表す」それはこじつけかのように、ほとんどの標章に添えられている。(秋田県:この丸は別に融和を表してないらしい)
・地形
地形をシンボルに取り入れるのはかなりハイレベル。だって地形が決まっちゃうとシンボルの大枠がだいたい決まっちゃうからね。それだけに取り入れてるだけでポイントがかなり高い(何の…?)(青森県:とはいえ、地形のみで勝負に出た肝っ玉県章)
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▼印象的な都道府県章10
せっかくなので個人的に印象的だったのを10個紹介しちゃおう。
まさに奇跡。
「とさ」をモチーフにしつつ、漢字の「土」の図案とも読み取れる。
そしてネガ(空白)の部分は高知の「コ」を形成する。
シンボルも大事だけど、その裏側に隠れたミラクルにも感激しちゃうよね。
「とく」を図案化。天白区の標章「てん」に通ずるセンスが好き。
飛ぶ鳥をモチーフにした根拠が伝わってくるとより良かったが、線の太さと円のバランスが抜群に良い。
同じことが山口県にも云える。
地形と名所を巧みにシンボライズしている秀作。
もし形状が頭文字の「か」とか「鹿」になってれば、「親ぼる会」ランキング上位に食い込むこと間違いなしだ。
静岡県にも同じことが云えるが、ユニバーサルデザイン過ぎるので、僕は鹿児島県の方が好き。
「マ」が4つで「シマ」というダジャレ。この方式はよく色んな標章で採用される。
特に「ト」が4つで「トヨ」と読ますシンボルはどれくらい見たことか。
佐賀県も同じく「カ」が3つで「サカ」というのを採用している。
なかなかトリッキーな作品。「フクイ」を解読するのにそこそこ時間を要した。
しかし、線の太さや間隔、色を指定しているあたり、美意識の表れだろうか。
県名も名産も融和・発展もすべて取り入れている優等生。
でも優等生すぎると面白くなくなっちゃうんだよね。
よく目にするイチョウマークは都章じゃなかったんだ。こっちが本物。
イチョウマークは都の木であり、東京の「T」を図案化したらしいが、こっちの都章については想いが伝わってこない。
「京」のシンボライズかと思ったが、そうでもないらしい。イチョウに軍配が上がっちゃうのはわからんでもない。
このセンスは養老町の「ヨーロー」に通ずるものがある…
一たび「カ」が由来とわかると、もう失墜している「カ」にしか見えない。
左肩下がりだからだろうか。
県民から非難の声はなかったんですかね。
まさかの「設定なし」が1県あった。これが先述した「46都道府県」の理由。
代わりに県旗の標章を使うことがあるらしい。
ここで初めて「都道府県旗」の存在を知った。
考察はもうちーとだけ続くぞい。