オーセンティック・メタルと切ってもきれない縁にあるのが「スラッシュビート」である。
高速できざむツーバスにのせて、ウラを8分で叩きまくるリズムのことだ。
それをFINAL FANTASYの楽曲に採り入れたいとおもい、ふさわしい曲をさがしていたのだが、いかんせん各々の楽曲の完成度が高すぎて、ぼくがアレンジをするなんて畏れおおいという感覚におそわれはじめた。
今回のチャレンジはそれくらい恐縮した情況からのスタートだった。
が、そこでくじけてはならないと探しにさがして、もっともスラッシュビートが合いそうだったのが、これ。
FF4より「最後の戦い」である。
トリビュートってこういうことなんだと思う
この曲のすごいところは、もっともキャッチーだとおもわれるメロディを導入部分にしか持ってこず、その後のリピート部にはいっさい登場させていないことである。
1回しか流れないのにあのインパクト。
作曲者ならお気に入りのメロディを何回か登場させたいはずなのに、あえてそれをやらないことでフレーズを際立たせることに成功させている。
── と僕は勝手に解釈している。
植松氏の曲は本当に完成度が高いので、「ぼくだったらこうするのに…」的な発想ではなく、むりやりテーマを掲げて、アレンジしていくというパターンが多い。
よく巨匠の作品をカバーしたりオマージュしたりして、「トリビュート・アルバム」がつくられたりするけど、まさにその心境。
トリビュート = 称賛として捧げるもの
やっぱり原曲には太刀打ちできないけど、尊敬の念もこめたアレンジです、というのが植松氏につたわるといい。
ノビヨ氏にとどけ!

ファイナルファンタジーIV オリジナル・サウンド・ヴァージョン
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