青山剛著『仕事柄できる人の「走り方」』を読んだ。
タイトルはおいといて、この本からはストレッチに関する3つのメリットを学ぶべきと感じたのでシェアしたい。
・カラダの衰えを防ぐことができる
・カラダと心と対話することができる
・肩こりを緩和することができる
以下、詳しく解説します。
カラダの衰えを防ぐことができる
この本が推奨するのは、
・ストレッチ
・スイッチ
・ストレングス
の順にトレーニングをおこなう、3Sメソッドである。
中でも特にストレッチの重要性を強調している。
それは著者の体験からくるらしい。
なんでも、ストレッチをやめたことでカラダが故障してしまった過去があるようである。
カラダを常に柔軟にしておくことが健康を保つ最低条件である
(中略)
ストレッチほど重要なトレーニングはない
(中略)
年齢を重ねる中で突然、カラダの衰えはやってきます。それを遅らせ、また防ぐのが日々のストレッチなのです。
じゃあどんなストレッチをすればいいの?
「走るのだから脚のストレッチを……」
そうではないのです。ランナーの方は、肩甲骨まわりから、しっかりと伸ばしてほぐすことが大切
えっ、なんで?
走るうえで「動力の起点」となるのが肩甲骨です。この部分の動きが悪いと、結果として脚の力を多用する走りになってしまいます。
(中略)
肩甲骨を上手に動かすことができないと、体幹力を活かした走りは実現されないのです。
これは目からウロコだった。
足が疲れるから脚力をつけなければとおもっていた。
けど、違ったのである。
まさか、肩甲骨から鍛えなければならなかったとは。
カラダと心と対話することができる
著者はストレッチの間には筋肉をほぐす以外に2つことができるという。
一つは、カラダとの対話です。
毎日ストレッチを続けていると、その日のカラダのコンディションを確認できるようになります。
疲労してカラダに張りがあると感じたならば、その部分の筋肉には普段よりも入念にストレッチをかけます。
そして疲労度が高いとわかれば、無理をせずカラダを休めてコンディションを整えていきます。
この境地にいたるまでには、本当に毎日やらないと気づけないんだろう。
二つ目は、心との対話です。
カラダをジンワリと伸ばすストレッチタイムは、心を落ちつかせることができるリラックスタイムでもあるのです。
脳をクリアにして、自分の考えや行動について考えることもできます。
(中略)
そんな風にさまざまなことをリラックスした状態で自問自答します。
メディテーションのような効果だろうか。
これも毎日つづけていないとなかなか集中できないことである。
ぼくは最近ストレッチを始めたばかりなので「次は何のストレッチだっけ?」と考えてしまい、どうしても集中が途切れてしまう。
ストレッチの手順をカラダにしみこませるくらい習慣化できれば、その境地にいたることができるのだろう。
肩こりを緩和することができる
これは個人的にいちばん惹かれた効果である。
なんせ仕事柄、ほぼ一日中デスクワークなので慢性的な肩こりに悩まされているのである。
それがストレッチをして緩和されるのなら、やらない理由はない。
肩こりを解消するために、また未然に防ぐために、ランナー以外の方にもストレッチ習慣を身につけておくことをオススメします。
肩こりの原因は、肩そのものではなく、その周辺の筋肉に硬さが生じ、それにより症状を惹き起こしている場合がほとんどです。
そのため、肩甲骨の動きを活性化させることを中心に、首まわりなど肩周辺の筋肉を上手に伸ばしてほぐしていく必要があります。
老化防止やメディテーションはさておき、肩こりのために、さっそく毎朝のランニング前にとりいれることにした。
2つのキーワード「フォーエバー・サブフォー」「クロストレーニング」
ストレッチのメリットについては以上である。
が、それ以外に、ランニングというより人生に活かしたいキーワードを2つ、学んだので備忘のためにも記させていただきたい。
目指すべきは、フォーエバー・サブフォー
マラソンを始めると、まずは完走。次にサブフォー。次はサブスリー。
── と目標をどんどん高く設定しがちである。
ただ、その中でも老化とともに衰える自分を受け入れなければならない。
ついに限界に達してカラダを壊し、走れなくなっては元も子もないのである。
そこで、筆者が提唱するのが、「フォーエバー・サブフォー」である。
スピードを求めるのではなく、20年後もフルマラソンを4時間きれるように続けてみませんか?という提案である。
生涯ランニングをたのしむために、大切にしたい心構えである。
クロストレーニングのススメ
クロストレーニングとは、
「筋力、心肺機能、あるいは持久力、瞬発力などな諸能力が片寄らないように複数の運動やトレーニングを組み合わせて行うトレーニング方法」
とのこと。
筆者はトライアスロンへの挑戦をすることにより、走力が向上したという。
なぜなら、
泳ぎを取り入れることにより肩甲骨の動きが滑らかになったためです。また、自転車を漕ぎ続ける中でカラダの各部位の連動の精度がたかまったこともあります。
一言でいえば、ランニングだけではなく、スイム、バイクをクロスさせたトレーニングを続ける中で「体幹を使った走り」ができるようになったのです。
梅雨で外が走れないときはプールにむかったり、遠出したいときはクロスバイクにまたがったり、クロストレーニングにかこつけてたまにランニング以外のスポーツも織りまぜていけると楽しそうである。
- 作者: 青山剛
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2017/04/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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あっぷりへんしょん ~タイトルは気にせず、中身をよく味わおう~
タイトルに「仕事ができる人の~」と付いているが、これはただのキャッチである。
内容もランニングについてすごく良いことが書いてあるのに、最終的に「仕事の場合も同じで…」と無理やりこじつけていることに違和感を感じる。
著者はプロのランニング・コーチであり、ビジネスマン向けのコーチも行っていることから、おそらく出版社が「ビジネスマン向けに本を書いてみませんか」と話を持ちかけ、最終的に都合よく編集されてしまったのだろう。
その方がマーケットが広がる、すなわち売れる(確率が上がる)からだ。
最近、書店のビジネス書コーナーでは、やたらとビジネスマン向けのファッション本や筋トレ本が増えた気がする。
ターゲットをビジネスマンにシフトすることであらたな市場を開拓することに成功したのだろう。
そのトレンドのなかで、この本が「仕事ができる人の~」を冠するのはごく自然な流れといえる。
現にぼくもまんまと手にとらされてしまったワケだし。
とにかく。
ターゲットはビジネスマン向けだけど、タイトルに惑わされてはいけない。
うまいことエッセンスを抽出しながら読めると、じつに学びの多い本だとおもうのです。