桜に菜の花、チューリップ。
春は華やかな花たちが脚光をあびがちな季節である。
そんな中、地味に開花している花たちももちろんたくさん存在する。
そんな裏方的存在を今回は愛でたい。
雑草なんかどうだろう?
たとえば、レンゲソウとか。
あれ、レンゲって雑草であってるよね?
そもそも雑草の定義ってなんだ?
いろいろ勉強してきました。
綾野のレンゲソウ
わが村、大垣には広大な田んぼがいくつもある。
毎年この時期になるとレンゲがものすごい面積を占有する。
ぼくの通勤経路にもいくつかレンゲスポットがあるが、ふだんゆっくり見られないのであらためてまじまじと見つめてみようとおもう。
先週末のマラソン疲れがまだ尾をひいていて、遠方に走りいけないのでちょうどいい。
リハビリがてら、近場でレンゲソウを愛でたい。
ということでやってきたのは通勤路にあるレンゲ畑。
レンゲ。
正式名は「ゲンゲ」というらしい。
レンゲについて調べていると「昔はもっと咲いていた」「最近あまり見なくなった」という話をきく。
でも、咲いてるところには咲いてるのだ。
あまりフィーチャーされないが、一面レンゲ畑というところもどこかにあるはず。
この大垣にだって。
▲今回めぐったレンゲ畑はこの辺です
レンゲソウを植えるメリット
そもそもなぜレンゲを植えるのだろうか?
くわしくはJAのページを参考にされたいが、
要旨だけ説明しておくと
・レンゲソウの根っこに粒があり、空気中の窒素を肥料に変換する作用がある
・田植えの前の年に農家がレンゲソウの種を植えこむ(これを緑肥という)
・同じ働きをするものにクローバーがある
といったところである。
なるほど、だから植えるのか。
農家の知恵である。
田んぼの区画ごとに所有者がちがうので、区画ぜんぶをレンゲでうめつくしていたり、まばらに植えていたり、まったく植えていなかったり、はたまたまったく別の植物を植えていたりする農家もいる。
それぞれ特色があっておもしろい。
雑草の定義とは?
では、レンゲソウは雑草なのか。
雑草の定義をWikiってみた。
雑草(ざっそう)とは、人間の生活範囲に人間の意図にかかわらず自然に繁殖する植物のことである。
ほう、「人間の意図」がポイントのようである。
すると、この時点でレンゲは雑草ではないことになる。
農学の立場からみて、「作物に直接または間接的な害をもたらし、その生産を減少させる植物」
もう絶対ちがう。
レンゲソウは人が農作物のために意図して植えた植物なので、雑草の定義から完全にはずれる。
というか、シチュエーションによるというこだ。
先に緑肥にクローバーを植えることもあるとあったが、畦道に無造作にはびこってるクローバーはやはり雑草なのである。
要は「意図して植えたのか」「にんげんに害を与えないか」が雑草の定義。
極端な話、菜の花だって意図せずして道路のまんなかに生えてしまい、人々の生活を妨害していたら、それは雑草の烙印をおされかねないのである。
あっぷりへんしょん ~雑草はよくも悪くも、あくまでレッテル~
“雑草の烙印”といってしまったが、一方で雑草魂というポジティブな側面もある。
人に踏まれようが刈られようが、どんな逆境でもしたたかに成長するさまをあらわす。
小学校のころの恩師が、卒業文集に「雑草」とかいてくれたのをおもいだした。
物事にはよい面もあるし、良くない面もある。
とらえかた次第である。
そして、同じ植物でもとらえかた次第で雑草とよばれたりそうでなかったりする。
物事には意味があるようで意味がない。
つい「色即是空」をおもいだしてしまった。
筋肉痛でも辛いだけではない。成長の証なのだ。
── ということにして明日もがんばろう!