しかし、思った以上に作り手にもメリットがあると感じたので、ここにまとめておきたい。
photo credit:
A Clarinet via
photopin (license)
さすがに1日1曲とはいかないが、曲作りのペースが着実に上がってきた。
ファストミュージックだからこそ成し得る芸当だろう。
作ったのは例の「もくご(
木管五重奏)」。
【参考】 たった8小節!木管五重奏(もくご)を作る - あっぷりノート
前回の「もくご」の前後を意識して、2曲作った。
これと…
これ。
特筆すべきは、これらの「もくご」は繋げることができるという点。
実際に繋げるとこうなる。
※繋げるとファストミュージックでなくなってしまうが、悪しからず
要するに、
「
ファストミュージックはモジュール(組み換え可能な部品)である」
ということがトピックスなのだ。
■ファストミュージックの7つの可能性
モジュールとしてファストミュージックを考えると、色んな可能性が見えてくる。
(1)単体でも使える ファストミュージックはある程度まとまった単位であるため、ワンフレーズで完結してよい。
たとえば、ファンファーレのような曲であれば8小節×5トラックで十分成り立つだろう。
(2)ループ曲として使う 1フレーズのみのルールだから、ループ曲としても成立する。
継ぎ足せば、
ゲーム音楽やEDMにも使える。
これは即応用可能だ。
(3)コンデンススコアをトランススクライビングできる モジュールだから、モジュールを継ぎ足していって骨子を組み立てられれば、それは立派なコンデンススコアになる。
5トラックの厚みを増やすか、8小節の奥行を広げるか。
厚みは楽器を足すことで実現する。
木管以外の
金管や打楽器を加えればよい。
奥行は8小節を継ぎ足して延ばしていけばいい。イントロやブリッジ、間奏なんかを足していけばよい。
その肉付けこそ、トランススクライビングの醍醐味である。
(4)アイデアの交換ができる その肉付けを誰がやるか?
もちろん自分でもいいし、他人に委ねてもいい。
いいメロディが浮かんだけど、続きが作れないとか、イントロが付けられないとか、アレンジできないなんてケースもあるだろう。
そんなときは一旦ファストミュージックとして仕上げてしまって、あとは誰かに任せてしまえばいい。
ネタを提供したり、ア
イデアをもらったりと、コミュニケーションの場になるのだ。
(5)お試し版として様子を伺える 小出しにしてみて、周りの反応が薄ければ改良すればいいし、好評なら厚みを付け足していばいい。
要はサンプル版を作って様子を伺うのにも最適なのである。
何ヵ月もかけて全部作りきって不評だった、なんていうリスクが抑えられる。
(6)ヘッドハントのチャンスになる 「優れた曲はイントロがまず優れている」
という法則がある。
つまり、最初の数小節を聴いただけで、その曲の良し悪しが判別可能なのだ。
多少(5)と重なる点はあるが
その法則に従うと、ひたすら「8小節」を聴かせられる場があれば、スカウトマンは原石を発掘しやすくなるし、アーティストは声をかけられるチャンスも増える。
(7)心理的なハードルが下がる いずれにせよ、絶対的に一つだけ云えることは、
「曲作りの心理的ハードルが下がったこと」
である。
何てったって8小節でいい。楽器だって5パートでいい。しかも、最大で、だ。
だからこそ、ハウス?的なEDMにも挑戦できたし、ハワイアンとかも作ってみようかなんて思える。
ぼくの経験上、ある程度構想が固まっているならだいたい一時間で8小節×5トラックは作れる。
妄想に耽りがちなビギナーにとっても、まず手慣らしをしやすい音楽であることは間違いない。
■あっぷりへんしょん ~是非ともオツマミ・ミュージックをつつき合える酒場を~
色んなオツマミ・ミュージックがつまみ食いできる居酒屋的なソーシャル・サービスがあれば、もっと音楽市場が活性化するんじゃなかろうか。
形はどうあれ、どうですか。こんなビジネスモデル。