あっぷりノート

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1時間でできる!ファストミュージックを作るための2つのルール

8小節5トラックの超短い楽曲を作ってみた。
 
 
これは決してファストミュージック化を助長するものではない。
 
新しい作曲スタイルの提案なのである。
 
 
 

■ファストフード化する音楽を逆手にとる

近ごろ音楽をじっくり聴くことが少なくなった。
 
面白そうなアーティストを見つけてはYouTubeでかじってみて、ちょっと違うなと思って次のバンドに目移りしていく。
 
ちゃんと聴いてるかと思えば、BGMとして聴き流す程度だったりする。
 
まるで音楽をつまみ食いしているような感覚だ。
 
まさしく「音楽のファストフード化」である。
 
これ、僕だけじゃないんじゃないか。
 
       ***
 
「音楽のつまみ食い」自体は悪いことじゃないと思う。
 
聴き手のライフスタイルなんだから、そんなものはしょうがない。
 
だから、つまみ食イスト向けの曲があってもいいんじゃないか。
 
つまり「極端に短い音楽」である。
 
       ***
 
そんな短い音楽たちを集めてみてもいいが、どうせなら聴き手ではなく作り手側に回ってみたい。
 
あわよくば、つまみ食い側よりも作り手側に大きなメリットがあるかもしれないからだ。
 
・短いから速やか(アジャイル)に曲作りが完結する
・短いから量産して、数多くリリースできる
・量産できるから、色んな曲を作る経験が積める
・良いフレーズができれば肉付けして「普通の」楽曲として再リリースできる
 
要は音楽のファストフード化を逆手にとって、ファストミュージックをメジャーデビューの足がかりにしようという提言である。
 
 
 

■ファストミュージックを作るための2つのルール

さて、「極端に短い曲」を作るためのルールを決めておこう。
 
(1)小節は原則8小節とする
(2)トラック数は5トラックまでとする
 
目標は1日で作れる楽曲。ただ、これはあくまでも作る側のルールである。
 
そもそも聴く側の視点からいうと、最長でも30秒程度に収まるのがファスト・ミュージックとして妥当な長さではなかろうか。
 
時間は有限である。誰もが限りある資源は有効に使いたいと思うものだ。
 
そんな作り手にも受け手にも優しい音楽を作るためのルール。
 
以下に補足させていただきたい。
 
 
(1)小節は原則8小節とする 
8小節というより「1フレーズ」と言い換えてもいい。ただわかりやすいから8小節と言い切ってしまっている。
 
というのも、アンティシペーション(先行音)のあるフレーズだと実際は1小節前から始まるし、終わりの音が小節をまたがると小節数が増えたりもする。
 
ブルースなんかは基本的に1フレーズ12小節あるからこの8小節ルールの限りではなくなる。
 
だから「原則的に」8小節とする。
 
確かにテンポを極端に落として細かい音符を並べればフレーズ数を稼げるとは思うが、それは常識の範囲内に収めてほしい。
「ほしい」って誰に云ってるのかよく分からないが、いつでも聴く側の配慮を忘れないことが肝要だ。
 
 
(2)トラック数は5トラックまでとする 
せっかく小節数が少ないのに、トラック(演奏パート)数が多いと作るのが大変である。
 
よって、メロディ(主旋律)、副旋律、伴奏、ベース、ドラム(パーカッション)のだいたい5トラックあれば良いだろう。
 
オーケストラはできなくてもクインテット(五重奏)なら作れるし、サザンは厳しくてもドリムシなら演れる。
 
その他
・1トラックの中で複数のフレーズ・和音は鳴らしても良いが、同時発音数は常識的な範囲までとする
・ドラムトラックは1トラックと見なして良い

ところどころ「常識的な範囲」と謳っているが、それを超えようとするとたぶん1日じゃできないだろう。
 
ちなみに歌詞の有無は自由である。
 
── って、ますます誰に向かって話してるのか分からなくなってきたぞ。
 
 
 

■たった1時間で作れる楽曲

さて、ルールも大事だが、結局は成果物こそがすべてである。
 
今まで規範だけ作っておいて行動しないことが良くあった。
 
過去の自分から脱皮するために、2つのルールに則って作ってみた。
 
お聴きください。
 

 

作るのに1時間。聴くのに20秒。

 

作り手にも受け手にも優しい音楽になった。

 

なぜハウス・ミュージックなのかはまた機会があれば語らせていただきたいが、今回はスルーする。

 

とにもかくにも、2つのルール

(1)小節は原則8小節とする
(2)トラック数は5トラックまでとする

 を遵守すれば、1時間で1曲できてしまうのだ。あっぱれ。
 
 
 

■あっぷりへんしょん ~ファストミュージックではないアイコンを~

これだけ云っておいてなんだが、個人的には「ファストミュージック」という呼称になんとなく違和感を感じている。

 

決してファストフードを拒むわけではないが、きっかけが「音楽のファストフード化」から入ってしまったせいか、もっと別の呼び方にしたい。

 

やっぱり8小節・5トラックをフィーチャーしたいので、例えばTake Fiveをもじって「Eight Five」とか。

 

短さを強調した「アイネ・クライネ・ナハト・ミジーカ」とか。

 

ぼくにも単なる180°をかっこよく「ワン・エイティ」と呼ばせるようなネーミングセンスがほしい…