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「岡崎体育の新曲MVがスゴい!」と大反響らしいけど、正直何がすごいのかピンと来ていないオジサン予備軍に、そのスゴさを解説してあげます

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ぼくが「岡崎体育」を聴くきっかけをつくってくれたのは、この記事。


www.danshihack.com


もともと岡崎体育に興味のなかったぼくに、ここまで興味をひかせた功績は万金に値する。 


ありがとう、男子ハック


なので、まずこの記事のタイトルの意味すらわからないオジサン予備軍は、上記の男子ハックの記事を読まれるとよい。


そのうえで、「え?何がすごいの?」「そもそも岡崎体育って誰?」とお感じの方はぜひ、続きを読み進めていってほしい。


脳年齢が2歳くらい若返るはずである。


最近の音楽が理解できない危機感

例の新曲MVとは5/11に公開された『感情のピクセル』のことである。


岡崎体育 『感情のピクセル』Music Video

※いつからかプロモ(PV)ではなくMVと云うようになった。これをMusic Videoに変換できないと、もはやオジサン突入となるので注意されたし


でも、岡崎体育をよくしらないままにこの曲を聞いてしまうと「岡崎体育ってバンド名なの?」「何いってんだかよく分からない」となる。


ぼくもそうだった。


でも確かにYouTubeの公式サイトでは、高評価の嵐のようである。


周りが大絶賛しているにもかかわらず、そのスゴさが理解できないなんて「おれ、ヤバくね?」「相当にオジサンじゃね?」と危機感にあおられてしまったのである。


人知れず。


最近の音楽についていけないとか、このままだとオジサン街道まっしぐらである。


そこで、岡崎体育について調べた。必死に。


調べたというより、岡崎体育の楽曲を聴くことで彼の芸風や主張を理解しようとつとめた。


そして、ようやくそのスゴさがわかってきた。


その新曲がスゴいというより、岡崎体育がスゴいということがわかってきたのだ。


岡崎体育入門

語るより聴いてもらうのが容易い。


まずは彼のメジャーデビューアルバムに収録された曲を聴いていただきたい、というより観ていただきたい。


岡崎体育 『MUSIC VIDEO』Music Video

その名も『MUSIC VIDEO』。


なるほど、「MVあるある」をそのままミュージックビデオにしてしまうあたり、彼は映像美に偏重した商業音楽にたいしてシニカルに表現するスタンスなのかな、という印象をうける。


その印象のまま、次は彼の単独ライブのひとコマをみてほしい。


岡崎体育 3words即興ソング @赤坂BLITZ


岡崎体育MC集&3words即興ソング @奈良ワンマンライブ2016/6/17

天才か!と驚かされる。


その才能やセンスはおろか、けっして努力も怠らなかったんだろうと。


『MUSIC VIDEO』の1曲ですら彼にとってはとるにたらないプロセスなんじゃないかと疑ってみたくなるほど。


その視点でみると、例の『感情のピクセル』だって歌詞にはたいした意味はなくても楽曲や映像さえ体裁をととのえておけば成立するんじゃないかというチャレンジにもみてとれる。


「怖っ!」とか「何て?」というフレーズにはそんな余裕が垣間見える。


では、彼はただの興味本位でそんな真似をするだろうか。


お遊びで“ワニさん”を仲間はずれにしたのだろうか。


ぼくはちがうとおもう。


その答えはさらに同じくメジャーデビューアルバムに収録された『FRIENDS』という曲をきいてほしい。



岡崎体育「FRIENDS」Music Video

この曲に彼のルーツがあるように思えた。


バンドざまあみろ、と揶揄しているようにみえて、ソロでしか活動できない自分を自虐しているんじゃないか。


本当はさみしいんじゃないか、岡崎体育


その感情をかかえたまま、もう一度『感情のピクセル』を観てほしい。


岡崎体育 『感情のピクセル』Music Video


(これは完全にぼくの解釈だが)このワニってもしかして、岡崎体育自身を表現しているんじゃないか。


 哺乳類 = バンド、爬虫類 = 岡崎体育


という構図のようにみえる。


しかし、カテゴリーの切り口は哺乳類 VS 爬虫類だけではない。


ポイントは、チーターさんである。


彼もワニさんと同じく仲間にいれてもらえていないのだ。


これは、


 草食動物 VS 肉食動物


というカテゴライズともかんがえられる。


ワニさんはかなしみに暮れているけど、チーターさんは強くたくましく疾走している。


岡崎体育はワニさんのように孤独をかんじることもあるけど、チーターさんのように駆けていくよ、というメッセージがこめられてるんじゃなかろうか。


あくまで憶測だけど。


で、そんなことを考えていると、当初は意味なさげにかんじていた歌詞も頭に入るようになり、中毒性のあるリズムとキャッチーなメロディがうずまいて、いつの間にか岡崎体育の虜になってしまうのである。


けっして映像や雰囲気だけではない、岡崎体育。スゴい。


『感情のピクセル』はSWANKY DANKへのディスりではない

ネットやTwitterではイントロやMVの雰囲気が似ていることから「SWANKY DANK」というバンドの『Sink Like a Stone』のパロディや皮肉では?と邪推すら向きもある。


ただ、いまはまでみてきたとおり、彼の才能やセンス、芸術性をかんがみるとそんなくだらないことをする器ではないことは火を見るよりあきらかだろう。


彼はその点、しっかり否定もしているし、SWANKY DANK本人には迷惑をかけたと謝罪までしている。


芸風的に批判をあびやすいかもしれないが、ワニさんのようにへこたれず、チーターさんのように芯を強くもって走りつづけてほしいものである。


※ぼくはこの一連でSWANKY DANKもはじめて聴いたが、ふつうに良い曲だったので、日曜大工の作業用BGMとして無限ループで流すくらい気に入ってしまいました


SWANKY DANK -Sink Like a Stone- feat. Hiro(from MY FIRST STORY)【Official Video】