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【神社ジョギング】荒橋神社

小ぶりだけど背筋はのびていて、それはもう神秘的な神社がありました。

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■寺社、とくに神社、とくに村社が好き

もともと寺社好きではあるが、最近はとくにジョギングで毎回神社でお参りをするようになり、もっと神社が好きになってしまった。


▼好きが高じてこんな本まで買っちまいました
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伊勢神宮出雲大社なんかの大きな神社ではなく、こじんまりと路地裏に佇む、「村社」のような神社が好きだ ──


って、一方的に話してしまって申し訳ない。

もっと共感を得てから話しはじめるべきでした。


ということで、確認させていただきます。

たとえば、このような風景はいかがだろうか。

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広大な田んぼに生い茂る木々の放つ、何かある感。

RPGだったらぜったい何かのイベントが発生するであろう、そのただならぬオーラ。


そして、近づくと目にとまる神社の境内を囲む、特有の塀。


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▲ぼくは勝手にスリットウォールと呼んでいます


ゾクゾクっとしませんか。

ぼくは遠目にこの塀や雑木をみつけると、吸い込まれるようにおびき寄せられ、誘われるままに鳥居をくぐり、気づけば手水舎で水を汲んでいる。

その鳥居や手水舎、狛犬なんかにもしっかりとした意味がある。

そういうバックグラウンドふくめて、血がさわいでしまうのだ。


そんなワクワクを胸に行ってみると、実は神社の跡だったりする。

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そしてちょっと離れた場所に移転先があったりする。

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それも古えより伝わる神々の情事が由来していたりするのだ。

どうでしょう。

ちょっとおもしろそうじゃないだろうか。



■荒橋神社とは

神社って総本社があって、その祭神にまつわる分社が全国にある、というのが一般的な構図である。

八幡神社なんかその典型だろう。

たしかに地域にかたよりはあるが、たとえば諏訪神社や白鬚神社、白山神社なんかはそこらじゅうにある。

でも今回おとずれることにした「荒橋神社」は、ほとんどの皆さんがご存じないんじゃないか。

なぜなら、大垣市にしかない。しかも、一箇所のみである。

サイト八百万の神によると、主祭神は「福田之大神」。


何をかくそう「福田」というのは、この荒橋神社がある福田町(旧福田村)のことである。

そう、ものすごくローカルな神なのだ。

そんなマニアックな「荒橋神社」を、なぜ今回詣でることにしたか、説明したい。

きっかけは、とある景観遺産ジョギングの帰りにたちよった熊野神社で読んだ、その由来にある。

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熊野神社の由来にさりげなくかかれていたのが ――

熊野山大権現は東に水の神・津島大神(福田町)、中央に火の神・荒橋大神、西に土の神・熊野大神を百有余間の等間隔に祭祀して、水の狂うことなく、火の荒ぶることなく、土の恵み豊かな地なることを願い三ノ宮を祭祀され、更に三ノ宮の前立として、桧町に楯築神社を迎え祭祀されている。


土の神や水の神、そして火の神の記述。


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▲4つそろえるとパラディンにでもなれそうなファンタジー感


これに完全に心を奪われた。

津島神社や楯築神社はよく知っている。

でも火の神・荒橋神社とは何か?

気になるだろう。

そこで、実際に訪れることにしたわけだ。もちろん、ジョギングで。


場所はここ↓

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街角の路地裏。平和堂の真向かい、ドコモショップの裏、という聖域とよぶにはほど遠いロケーションである。

そんな路地裏にポツンと鳥居がある。


▼荒橋神社の鳥居
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正面はわりとノーマルな外観で、とても火の神とはおもえない。

ただ、鳥居をくぐって境内にはいると、まさに「神々しさ」がそこにあった。


▼本殿は祠(ほこら)のような佇まい
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決して豪奢ではないのに、なんだろう、この風格。

たしかに火の神としての縁はみつけられなかったが、こんな街角の路地裏で”神秘”というものを確かにかんじることができる。

拝殿と林というのが”八百万の神々”を見事に体現させてくれているのだろうか。

最後にすこしだけ考察しておわります。



■あっぷりへんしょん ~由緒や由来を知る悦びを味わう~

またいずれ紹介するつもりだが、水の神・津島神社や土の神・熊野神社は村杜にしてはかなり立派な造りになっている。

でも、荒橋神社はそこまでではない。

三ノ宮の中ではいちばん小さくまとまっているのだ(それがまた良いんだけど)。

なぜか?

大垣は水害もひどかったし、稲の豊穣は大切な資源であるが、火災に対する脅威はそれほどかんじていなかった──という、土地柄が理由か?

東西に大きな神社を構えているがゆえに、真ん中まで大きいとバランスが悪くなるので、サイズを調整したとか?

途中で資金がたりなくなったのが原因か?

津島神社はスサノオノミコト熊野神社熊野権現祭神にしているが、それらの神よりも福田之大神の地位が低い──という事情か?


とにかく荒橋神社に関する情報がすくなすぎて、憶測することしかできないが、火の神がたよりないので、武神を最前線に移したとしたら、これまたおもしろい神々の物語である。


古事記を読んだりしてそういう由緒を知ってたのしんだりできるのも、神社めぐりの面白さである。

みなさまにおかれても、地元の神社の由緒をたずねてみてはいかがだろうか。