スタンディングデスクを作った。
それは、じぶんの中にひそむ怠魔(※)と向き合った結果、うまれた作業環境である。
※怠魔(たいま):怠慢をいざなう悪魔のこと。「睡魔」と同じロジックでぼくが勝手に造ったことばです
■意識をかえるのではなく、環境をかえる
とつぜんだが、人間には2つのタイプがある。
怠惰な人間とそうでない人間だ。
残念ながら、ぼくは前者のタイプである。
そんなぐうたらのせいで、ぼくはこんな悩みをかかえている ──
近ごろあまりデスクに向き合ってる時間がとれない。にもかかわらず、YouTubeをだらだらみてしまう。
この苦悩をどうすれば回避できようか。
そんな葛藤の末、たどりついたのがスタンディングデスクであった。
「そんなもの心がけ次第でなんとかなるんじゃないか」と云われればおっしゃる通りだが、
意識を変えられないなら、まず環境を変える ──
それが鉄則である。
■リスクを怖れるのではなく、抑える
スタンディングにすることによる集中力アップなど、メリットを声高にさけぶつもりはない。
かと云って、座りすぎのリスクについてとやかく云うつもりもない。
あなたの健康と生産性を向上させる!?【スタンディングデスク】まとめ - NAVER まとめ
門外漢のぼくが論じたところで結局「一長一短である」的なつまらぬ結論におちつくのは目にみえている。
そういうのは専門家にゆだねるとして。
われら、知識の乏しきチャレンジャーは、まず本田宗一郎ばりの「やってみなはれ」の精神をもって検証しなければならない。
やってみてダメだったらまた元に戻せばいい。
よって、いつでもとり返しがつくように、いつも通り「リスクは最小限に」のスタンスでのぞみたい。
■最適な高さをどう実現するか
スタンディングデスクを作るにあたり、いちばん気になるのは、「最適なデスクの高さ」である。
気にしている人はたくさんいらっしゃるようで、体型にあった高さの水準というのはいろんなWebサイトではじき出すことができるようになっている。
たとえば、ここ↓
Ergonomic Workspace Planner, Workstation Installation Tool
身長を選択すればスタンディングにかぎらず、最適な作業環境のスケールが表示される。
最適なデスクの高さ - 現状のデスクの高さ = 足すべき高さ
ぼくのデスクの場合は、「30cm」という結果がはじきだされた。
それをどうプラスするか。
ネット上でよく見かけるのは、
・デスクの上にさらに小さな折りたたみ机をおいたり、両脇にブロックをしつらえてその上に天板をおく手法
・カラーボックスなんかをくみあわせてゼロから作ってしまう方法
しかし、どれもコストがかかりそうだし、見た目もよろしくない。
せっかくなら持ち合わせのデスクの天板を有効活用したい…
そこで考案したのが、こんなイメージ。
これであれば、天板を買い足して失敗するようなことはない。
見た目も従来のデスクとさほど変わりはしないだろう。
逆に不安定じゃないか、というのが懸念されるので、そこらへんは検証ポイントになる。
われながら、妙妙たるアイディアだ。
木材でDIYをしようと思ったが、アイデアの段階で不安定なのに、そこで手作りして危険を助長する必要はない。
そこで、メタルシェルフのほうが安心安全と直感し、高さ30cmに調節できるシェルフを調達してきた。
後付けだが、シェルフのよかったところは、実際にデスクにのせてみて、高さを調節できることにもあった。
完成形を想定して微調整ができた。
そして、その調整の結果がこうだ。
シェルフの設置よりも配線をすべてやりなおすことに時間がかかってしまった。
元に戻すのがめんどk…
否、部屋がキレイになったし、結果オーライだろう。
しばらく使ってみて、生産性が向上するのか、はたまた寿命がのびるのか、効果検証してみたい。
■あっぷりへんしょん ~メリットなのかわからないけど、スタンディングデスクして感じた3つのこと~
せっかくなので、スタンディングデスクに変更した所感を3つしるしておこう。
・其の壱
まず、副産物であったが、完全に子どもがデスクの上をあされなくなった。
子どもによばれるといつも席を立つときに文具とか工具をしまわねばならなかった。
あさられるとお互いにアブナイからだ。
その危険が軽減された。
子育てのお供にぜひ、スタンディングデスクを。
・其の弐
あと、こんな感覚ははじめてだったが、イスが完全にデスクの下に収納してしまえること。
イスの背もたれってふつうデスクの手前で足止めをくらうだろう。
それがなくなったのだ。
背もたれまでデスクの下に吸収される感覚。
これが新感覚なのである。
おさまりもスッキリして、悪い気はしない。
・其の参
さいごは有り体な感想だが、狙いどおり集中力がアップした。
というのも、朝から立ちっぱなしで90分間、YouTubeを観ることができたからだ ──
…って、ぜんぜん己の不精に勝ててない。
つまり、「環境を変えたところで、意識は変わらない」のである。
けど、90分も立ちっぱなしで観れる集中力というのは、スタンディングデスクのもたらした賜物なんじゃないか。
これは、スタンディングデスクによる集中力アップよりも、
集中力って「集中する先」こそが大事なのであって、それを真面目とか怠慢とかいうのはまったく別の問題
── ということに気づけたことが大きい。
***
最後に、突拍子もなくこういうことをやると、はからずして部屋の片付けになったりするので、オススメです。