精神統一と文章力アップという名目で、写経をした。
Wordで。
■写経 meets 新聞のコラム
以前、功徳を求め、落ち着きを得るために写経を始めたことがあった。
しかし、三日で辞めてしまった。
うちにはその残骸である般若心経の写経本がまだ残っている。
▲本当に3ページの途中で途切れているという、三日坊主の名に恥じぬ実績
以来、また写経をやりたいというフラストレーションがわだかまりとして胸の奥に眠っていた。
話は飛ぶが、ぼくが愛読している本に『知的生産ワークアウト』(ダイヤモンド社, 2010)というビジネス書がある。
著者奥野宣之氏が、記者として身につけたノウハウがたくさん詰まった本である。
そこで、著者はこのように語っている。
知的生産の中でももっとも重要な「アウトプットの能力」を高めるには、どうすればいいでしょうか。
やはり、とにかく書くことです。
<中略>
僕が提案したいのは、新聞の「コラム」を書き写すことです。
つまり、写経である。
そのメリットとして、以下のような点を挙げている。
・600字と短いので、15分で書き写せる
・構成は必ず四段階の「起承転結」と分かりやすい
・マスコミで使われている一般的な表記や言い回しが身につく
等々。
なるほど。「写経」には、心を落ち着かせるだけでなく、文章力の向上にも寄与するらしい。
「新聞のコラムを写経する」
その発想が、再びぼくの中の写経欲を喚びさましたのであった。
■2015年3月31日付の「日本経済新聞」
2015年3月31日付の日経新聞の1面が目を引いた。
▲ゲームキャラ解放(1面)
今でしょ ──
般若心経、知的生産ワークアウト、日経新聞が三位一体となった瞬間である。
ということで、写経の題材は2015年3月31日付の『春秋』をピックアップすることにして、取りかかることにする。
▼春秋(2015/3/31)
精神統一と文章修練を目的にするなら、別に毛筆でなくても手書きでなくても問題はないはずだ。
という屁理屈で、Wordで書く。
▲せめてもの雰囲気を演出するために「HG行書体」を使う
所要時間は約7分。思った以上に早かった。
書く(打つ)行為よりも、タイプミスや変換誤りがないかの確認作業に気を遣った気がする。
更にスピードを上げる方法として、以下のサイトからコピーして貼りつけるという手段があるが、何の役にも立たないのでお勧め致しかねる。
ちなみに記事の内容は「バンダイナムコゲームスが保有する「パックマン」や「ゼビウス」等の知的財産を国内のクリエイターへ開放する」というもの(11面)。
【参考】 パックマンなど名作17本のキャラクターがオープン化。監修なし簡易審査で利用可能に - Engadget Japanese
早速GoogleMapが再利用しているのは無関係ではない?
■あっぷりへんしょん ~コラム写経は、毎日続ければものすごい費用対効果~
いかなる場合も心を落ち着かせて集中できるようにと思い、あえてこんな胸熱なBGMをかけながら写経をした。
あえて逆境に身を置く免疫療法である。滝に打たれて念仏を唱えるのに近いだろう。
動画は13分あり、写経は7分で終わったので、後半5分くらいは聴き入ってしまったが、書写している間はBGMが耳に入ってこないくらい集中できた。
これは、効果抜群ではないか。
写経本を読み返すと「心静かにはじめよう」と書いてあったが…
▲いきなり「立ち上がって合掌」という手順から疎かにしてしまった
いずれにせよ、1日7分で集中力と文章力が向上するならものすごいコストパフォーマンスである。まあ、続けなきゃ意味ないんだけど。
次は、これを筆でアナログに写経したい。
ちなみに3/31付の日経新聞の裏面(文化面)は、『クリムゾン・キングの宮殿』のアルバム・アートが解説されていた。
1面、48面ともに目を引く見出しでした。