あっぷりノート

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開拓者になるための下ごしらえをする ~Tone編~

 前回お話した通り、Tone(音源)についてはいつも「ピコピコ音」で始めます。そしてMainThemeも例にもれず、ピコピコさせていただきました。

 
一応、プロトタイプ音源を貼っておきます。チャーチモードでいろいろ旋回させた《かえるの旋法》です。
 
今回は【Melody編】として、MainThemeっぽくするためにピコピコ音からどんな楽器編成が相応しいかを検討したいと思います。
 
一般的な編曲作業でいう「トランスクリプション」ってやつです。

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photo credit: Nukamari via photopin cc

 

前回の投稿からちょっと間が空いてしまったので、おさらい。
     └ 《フレームワーク作曲法》として、どんなフレームワーク(MTR)を実装するか?
 
     └ フレームワークの【Melody】として、スケールとコード進行の検討
 
 

▼お手本のハードルが高いときは「やらないこと」を決めておく


MainThemeのお手本から学んだ【Tone】の傾向は、
 
     「オーケストラをバックにしたバンドもしくは吹奏楽
 
でした。しかしながら、規模がデカすぎて萎えちゃいます。アジャイルの思想に反するからです。
 
トランスクリプションって往々にしてハードルが高いんですよね。知識とアイデアが求められるクリエイティブな作業ですから。それをどうやって最小限におさえてリリースまでこぎ着けるかが工夫のしどころです。
 
では、《アジャイル作曲法》ならこれをどう対処するか?ゴールが見えないときは、
 
     ホールケーキではなく、ショートケーキを作る
 
気構えに立ち返ればいいと思っています。まずは以前やったことのある「一応は聴ける曲」にすればいいんです。
 
なので、今回の編曲ではどこが目をつぶれる箇所なのか、「今回やらないこと」を決めておきたいです。
 

▼モチベーションを維持するために【Tone】に凝りすぎない


100%を求めたら日が暮れちゃうよ、っていうところはどんどん削っていきましょう。最悪、ピコピコ音として現時点でも成立しているので、変に崩さなければ大丈夫なはずです。
 
以下、「今回やらないこと」の一覧です。
 
・演奏可能性(音域や移調楽器、奏法など)を考慮に入れない
・楽器の過不足や相性は気にしない
・ミキシングやイコライジングにこだわらない
・パンの振り分け(パートの演奏位置)は意識しない
・エフェクトに凝りすぎない
・レコーディング/演奏は完璧を求めない
・他人の批評は傾聴しない
          ・思い通りにならなくても挫けない(←これ大事)
 
また、いざという時のために拠り所や逃げ道を確保しておきます。
 
・仕上がりに納得いかなければ「お手本」に回帰する
・くじけそうになったら「やらないことリスト」に加える
 
というように。
 
 

▼「やらないこと」以外は持てる知識と創造力を投じるのみ

 
で、「やらないこと」以外は「やること」です。あとは頭をフル回転させるだけです。
ということで、まず《ミクソガエルのテーマ》をバンド系にしてみました。コンセプトアルバムのInstrumentalトラック的なイメージで。
 
 
《ケロイア頌歌》 TheAnthemOfKeroia
【Tone】
     ・E.Guitar
     ・Strings
     ・Bass
     ・Drums
 
バンド系は慣れてるし、編成もシンプルなので特に障壁はありませんでしたが、問題はオケ+吹奏の組合せ。
行進曲やら穏やかなシーンなど妄想しながら《ドリガエルのテーマ》をいろんな【Tone】で彩ってみました。
 
 
《蓮の紋》The Crest of Lotus
 
【Tone】
     ・Trumpet,Trumbone,Tuba
     ・Strings
     ・Timpani
     
 
《蓮の葉》LotusLeaf
          【Tone】
     ・Flute
     ・Vibraphone
     ・Strings(Pizz)
     ・Cymbal
 
 
モチーフは数打てば当たる可能性があるので、どんどん打ちまくっておきます。
 
 

▼今後の課題をアジャイる

 「アジャイル」では、ユーザからの要求一覧は「プロダクトバックログ」で管理されます。いわゆる課題のリストですね。
で、「スプリントバックログ」というのが、今回やること一覧です。
 
つまり、プロダクトバックログに「やりたいけど、今回はやらないこと」の一覧があって、一通り作品が完成したら、「次やること」として、スプリントバックログに追加していくイメージですね。
 
これはプログラム開発や作曲だけにとどまらず、あまねくモノづくりに応用していきたい考え方だと思いました。
(ちなみに成果物(当ブログで云うミニマルなどの音楽)のことは「インクリメント」と呼ばれます。ま、覚える必要はないかもしれませんが…)

アジャイル開発とスクラム 顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント

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これぞまさにアジャイルの考え方であり、永久にβ版の強みですよね?
 
今回手を付けなかったプロダクトバックログも、次回改修時にはスプリントバックログに追加していき、よりイメージに合った楽曲を作っていけれたらいいです。できれば、早くつぶし込みたいんですよ。だって、プロダクトバックログって要するに「言い訳リスト」みたいな内容ですから。
 
きっとプロのアーティストたちもリリース後に「ああ、もっとこうすれば良かった!」っていう反省点はおのおの抱えてるんだと思います。ライブの度にアレンジを変えたりして、ベスト盤をリリースする頃には違うアレンジへすり変わってたりすることもありますから。
 

▼編集後記

FlashがChrome for Androidに対応していないことにより、サンプル音源が再生できない問題が生じてました。汎用的なプレイヤーを探していたのですが、結局「SoundCloud」のお世話になりそうです。
 
HTML5の趨勢とクラウドの席巻、この流れには抗えそうにありません。