マラソンは基礎ももちろん大事ですが、本命レースで結果を残すには
- 下見
- 試走
- 予行演習
資格や受験の勉強でいう“過去問を解く”という行為と同じです。
過去問を解くことで、傾向をつかみ、対策が練られる。
逆に不要なトレーニングは避けてとおれるようになるのですから。
不安を取り除く
マラソンをベストコンディションで走るためには、しっかり練習して自信をつけることも大事ですが、同じように不安を取り除くことも大事です。
- 完走できるだろうか
- 終盤バテてしまわないか
- どれくらいのアップダウンなんだろう
走る距離やレベルによって、不安に思うことは様々だとおもいます。
私も初めてのハーフマラソンやフルマラソンに出るときは不安でいっぱいでした。
でも、それを払拭してくれたのが
- 下見
- 試走
- 予行演習
下見をしよう
目的
- アップダウンの有無、エイドの場所確認
内容
- 実際のコースを見る
- 手段はランニング以外に自転車やクルマでも
初めて走る大会の緊張をほぐすのにオススメです。
私も自身初のレース、おおがきマラソン(ハーフ)は、事前に全コースを自転車で下見しました。
普段ランニングでは走れない場所でも、クルマで走ってみるだけで多少不安は和らぐかも。
いちど走ったことのあるレースの場合はとくに不要です。
試走をしよう
目的
- 気候や日かげ、勾配の確認等
内容
- 実際のコースを走る
- 距離、ペースは問わない
実践さながらに風土を感じたり、地形を把握しておきましょう。
アップダウンがほぼないフラットなコースであれば坂道に慣らしておくトレーニングは不要かもしれません。
逆に勾配が急なら、坂道の走り方は習得しておいたほうが良いでしょう。
レースのときのような交通規制がないので、クルマに注意しながら試走してください。
予行演習をしよう
目的
- 仮想レースをして、目標と現実のギャップをあぶり出すこと
内容
- レースと同じ距離・ペースで走る
- 時間帯や食事・補給もできるだけ合わせる
- 場所は問わない
- 通行の妨げにならない場所でやること
予行演習は、レースの再現性を高めることが最重要だとおもっています。
それぞれの組合せ
実際はそれぞれの目的と練習内容を組み合わせることのほうが多いかもしれません。
下見 × 試走
クルマや自転車で気になるところまで行って、途中でおりてランニングで試走してみる。
長い区間を走る駅伝選手なんかはクルマで下見して、気になるところだけランニングしてみるということはザラにあるそうです。
私もいびがわマラソンのフルを走るのが初めてだったので、コースの途中までクルマで行き、3回に分けて制覇したりしました。
このおかげでサブ4達成できたといっても過言じゃありません。
試走 × 予行演習
過去に走ったことのあるコースだけど、確認のために走っておきたい──
それはコースや気候の再確認という意味もありますが、過去走ったときよりも自分はどれくらい成長してるのか、を再確認するという目的もあります。
昔より走れたら「成長した!」と自信になるし、走れなければ「ヤバい!」とトレーニングのモチベーションにもなるでしょう。
予行演習 × 下見
このパターンはあまりないかも?
予行演習は慣れた土地でやるものなので、はじめて走るような土地で、ガチで走るということはほとんどやらないかもしれませんね。
学ぶべきこと
ペース管理
本番まで2、3ヶ月くらい猶予があるならつっこみ気味で入って、どのくらい脚や呼吸が持つのかチェックしてみましょう。
1か月前ならネガティブスプリットで本番さながらにペース配分にしてみるといいです。
バテてしまったんなら
- オーバーペースだったのか
- どこがダメだったのか
- 補給が足りないのか
- どこか痛いのか
を自問自答して、PDCAをまわすこと。
予行演習の結果からトレーニング計画もペース配分も決めましょう。
補給
予行演習でもドリンクやジェルは本番同様に摂りたいです。
どこで何を飲むのかは練習しておかないと本番の補給戦略が立てられないので。
アップダウン
いびがわマラソンのように強烈なアップダウンがある場合、
- 走ったことがあるかどうか
- 知っているかどうか
はトレーニングする上でもアドバンテージになります。
試走の結果をうけて
- 坂道の走り方を練習しておいたり
- 何km時点までは温存しておくとか
- 何処どこの下りからスピードを上げられるかとか
をしっかり本番にフィードバックするようにしましょう。
気候
気温や湿度もありますが、意外な天敵は「風」ですね。
おおがきマラソンの場合は、伊吹おろし。
袋井のクラウンメロンマラソンの場合は、遠州のからっ風。
自転車でさえ坂道を下れないくらいの向かい風が吹くときもあるので…この覚悟があるかないかで当日のメンタルが変わってきます。
注意点
疲弊しないこと
試走も予行演習もパワーを使う練習です。
私は試走として30kmを月3本やっただけでケガしました。
カラダと相談しながら休みつつ実践してください。
交通に気をつける
下見も試走も、レース当日は交通規制でランできても、ふだんの交通量は多い場合があります。
都市型のマラソン大会なんかはほぼそうですよね。
そんな交通量の中に突っ込んでは相手方にも迷惑だし命の危険にさらされるので、おとなしく堤防やスポーツ公園を探して走りましょう。
天気は再現できない
唯一、再現性を担保できないのが、天候と気温ですね。
天気は気まぐれです。
大会当日、走りやすい天候だとラッキーですが、それは直前までわからないし、誰にも操作できません。
気温との相関はタイムが速いほど影響がなくなるらしいので、圧倒的努力で気候変動などものともしない走力を身につけましょう。
あっぷりへんしょん ~あとは野となれ山となれ~
しっかり下見から予行演習までしたのであれば、あとは当日のアドレナリンに任せましょう。
まさに「人事を尽くして天命を待つ」ですね。