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閾値走(Tペース走)とは?ホントに持久力がつくのか、試してみた【追記あり】

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こんな方にオススメの記事
  • 短距離はある程度走れる

  • でも長距離になるとバテてしまう

  • どうやって持久力をつけたらいい?


  • 閾値走」にチャレンジしてみましょう。


    SITとならんでマラソンタイムの向上に効果的といわれる閾値走にはじめてチャレンジしてみました。



    閾値とは?

    「閾値走」についてお話しする前に、そもそも「閾値(いきち・しきいち)」とは何かを知っておく必要があります。

    閾値とは境界線のことを意味しますが、“閾値走”の場合の「閾値」は、ざっくりいうと「乳酸が急激に増える転換点」を意味します。


    専門用語で「無酸素性代謝閾値」「乳酸性代謝閾値」とかいったりするのを、きいたことがあるかもしれません。

    乳酸は糖質によって作られますが、糖の貯蔵量はかぎられているので、乳酸が大量につくられると一気に糖が枯渇してエネルギー切れになってしまいます。


    なので、乳酸を処理できるギリギリ(閾値内)の強度で一定時間走ることで、血中の乳酸を処理できる能力がを高められ、持久力が上がるという理屈なのです。

    それを効果的に鍛えられる方法が、すなわち「閾値走」というわけです。

    閾値走とは?

    では、具体的にどのようなスピードで走れば乳酸濃度が急上昇しないのでしょうか?

    よく云われる目安は

    快適なきつさで、比較的速く走ってはいるが、20~30分間なら維持できるペース
    です。


    詳細はVDOTという数値の表を参考にしていただきたいですが、ざっくり云うと、「マラソンペース(目標ペース)より、1kmあたり約20秒下げたペース」です。

    ※VDOTについてはこちらのページが参考になります


    多くの先人曰く、閾値走はフルマラソンを速く走るための練習としては非常に効果が高く、ポイント練習にふさわしいとのことですので、騙されたとおもってやってみようとおもいます。


    ちなみに閾値走は、別名

    • LT走
    • テンポ走

    ともよばれたりします。

    LTは乳酸性代謝閾値(Lactate Threshold)の略です。

    実践

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    さて、先般の10kmとハーフマラソンのタイムを参考にVDOTを割り出したところ、46~49の間でした。


    その場合、閾値走のペース(Tペース)は4'25"~4'35"/kmペースでまずは5km(23分)走ってみました。


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    走り終えてみて、確かにすこしキツいですが、ポイント練習のわりにまだ余力が残っている印象でした。


    が、これ以上速く走ると逆効果だそうです。

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    心拍数は
    ・平均 145bpm(78%)
    ・最高 166bpm(89%)
    というかんじでした。


    週末は、スピードを上げずにもう少し時間を長めに走ってみようとおもいます。

    苦しくて耐えられない場合は

    ※2021年1月2日 追記

    もしTペースが苦しくて耐えられない場合は、閾値走を短い時間に分割してインターバル風に走る「クルーズインターバル」をお試しください。

    • 疾走区間 Tペース(3~15分)
    • 休息区間 ジョグ(疾走時間の1/5)
    • インターバル回数
      • 初心者 疾走時間が合計20分以上になるように2~4回
      • 上級者 疾走区間が合計10km以上になるように5~10回
    • 前後に10分または2km程度のアップ・ダウンジョグ

    これなら徐々に負荷をカラダに慣らしていくことができます。

    5ヶ月後の成果(追記)

    ※2019年11月10日 追記

    その後、週2回程度の閾値走を続けた結果、見事にサブ4を達成することに成功しました!

    それまでのPBが4時間27分だったので、大幅な記録更新といえます。


    もちろん閾値走のみの結果ではありませんが、大きく貢献してくれたことは間違いないと感じています。

    あっぷりへんしょん ~SITと組み合わせたいLT走~

    SITで、スピードと心肺機能を。
    LT走で、持久力を。

    うまく組み合わせて長い距離をもっと速く走れるようになりたいです。


    本日もご高覧いただき、ありがとうございました!

    参考文献

    乳酸性代謝閾値のメカニズムや閾値走(LT走)の方法については、下記の書籍を参考にさせていただきました。

    自転車を用いたクロストレーニングをメインテーマに据えていますが、ランニングの3要素

    • 最大酸素摂取量(VO2Max)
    • 乳酸性代謝閾値(LT値)
    • ランニングエコノミー
    について、網羅的かつシンプルに学びたい方にもオススメです。