まずは見ていただきたい。
兜や鶴の色が真ん中でわかれています。
これ、ひとつの折り紙で折れるんです。
すごくないですか?
折る前に“仕込む”だけ!
一瞬、すごいと思わされるこのアーティスティックな折り紙ですが、タネ明かしをしてしまうと、実に単純な仕掛けであることがわかります。
まず、折る前に ──
2ヶ所折ります。
裏返して、反対側も2ヶ所折ります。
これだけ。
あとは、そのまま普通に鶴を折っていけばいいんです。
理屈がわかれば簡単だとおもいます。
1枚の折り紙を両面から折ることで、片面2色の折り紙を擬似的に作り出しているワケです。
他のどんな作品にも応用が効くんです。
十八番のウサギも。
右から見ると白いけど、左から見ると緑。
という奇抜な作品が折れるのです。
デメリット
ただ、さすがに万能ではありません。
試してみるとすぐにわかりますが、下準備に4ヶ所折ることになるので、以下のような不都合は容認せざるを得ません。
・折り紙が小さくなってしまい、折りにくくなる
・折り紙が分厚くなってしまい、折りにくくなる
一度両サイドを2折りしてからがスタートなので、折り紙のサイズが二回りくらい小さくなります。
一般的な15cm × 15cmの折り紙の場合、仕込みをすると10.5cm × 10.5cmになってしまうのです。
▲普通に折った兜と仕込んだ兜では仕上がりの大きさが違います
また、折り紙の厚さも単純に2倍の厚さになるので、複雑な折り紙には向いていません。
美しさと難易度はトレードオフの関係にあるのです。
ただ、そのリスクを背負ってでも挑戦するに値する折り紙の新機軸だと思うんです!
あっぷりへんしょん ~普通の折り紙を変則的に折る~
おりがみ好きとして、みんなが折るような普通の折り紙は折りたくない。
そんな天の邪鬼から、最近は偏屈した折り紙の提案ばかりをしていました。
等
でも、それは反骨精神の表れであって、決して薔薇色の道ではないと思うのです。
もっと誰もが折れるけど、でもちょっと普通と違う、そんな楽しさをスパイス的に取り込んでマンネリを打破したいという想いから行きついた仕込み方です。
ぜひ、普通の折り紙に採り入れてみてください。
注目を浴びること、うけあいですよ。