夜な夜なロックマンのボスキャラを描いている。勝手に。
そしてついに、家族も絶賛のボスキャラが完成した。
特殊武器:スピリット・デトネイター
「チャッカマン」は株式会社東海の登録商標。
東海社は100円ライターの先駆者であり、着火棒のパイオニアとして隆盛を極めた企業である。
しかし最近ではアジア勢の安価なライターの流入、禁煙の拡大と苦境にあえいでいるようだ。
「チャッカマン」は屋外の向かい風でも耐えられるよう開発されたのに、当の企業が時代の逆風に打ち勝てないのは何とも皮肉なものである。
これはもう、小さくなるパイを争うのではなく、新しいマーケットを切り拓いたほうがよいのではあるまいか。
ここいらでいっちょチャッカ・マンをロックマン市場に投入してみてはどうだろうか。
企業の再建に着火すること、うけあいである。
── 「肉まん」はどうかなあ?
と一言提起し、そして去っていった。
ぼくは不意をつかれ、とっさに「あ、ありがと…」と発したものの、こんなに感謝の気持ちを伝えきれなかったのも初めてだと思った。
大人になって、うわべだけのありがとうなら幾度も口にしたことはあったけど…
これはスペシャルサンクスをしっかりとした形で表すしかない、とリベンジを誓って描いた。
ニク・マン
特殊武器:ブロス・ウェイブ
ぼくが新宿中村屋のPR担当なら、こいつをロックマンとのコラボ企画に送り込むだろう。
肉まんの由来は、そのまま「豚肉の入った饅頭」だが、成り立ちはどうやら三国志の時代までさかのぼるようだ。
三国志、といっておきながら、猪八戒っぽくなってしまったので、「釘鈀(ていは)」を持たせといた。
西遊記つながりで調べてると、孫悟空の頭に絞められた金の輪っかは「緊箍児(きんこじ)」ということが判った。
勉強になったのでニク・マンにも装着しておく。
── 「傲慢」はどうかな?
と問うてきた。
どうやら浴槽につかりながらアイディアを捻出してくれたらしい。
そこでぼくが、今「職務怠慢」作ってるから、と答えると
── なにそれ?
ナマケモノみたいなことだよ、というやりの結果生まれたのがこれだ。
ショクムタイ・マン
特殊武器:スピリット・キャンセラー
ナマケモノは食事から睡眠まで木にぶら下がったままらしい。機敏に動くことができないどころか、自分のカラダに苔まで生えてしまう。そしてその苔を食べるらしい。ただし1日に8g程度しか植物を食べないようだ。
■着火棒
チャッカ・マン■中華饅頭
チャッカ・マンに色塗りしているぼくを横目に、妻が浴室に向かったと思いきやまた戻ってきて ── 諸葛孔明が人の首を生贄として供える風習のある町を通りかかったときのこと。生贄として、人の首を供えることを止めさせ、代わりに小麦粉をこねたものを人の頭型に作ったものに豚肉などで作った餡を詰めたものを供えさせるようにした
■樹懶
妻が風呂からあがってきて、排便するときだけ、地上に下りてくる。つまり、画像の体勢は…うn(略)
渾身の作品を妻に見せたところ、なんかぼくに似てる ── と。失敬な。
ボスキャラを考えるとき、モチーフをひねり出すとき、右脳が活発になっているのがよくわかる。
特に絵を描くとき、色を塗るときなんかもそうだ。
で、細部にこだわるにつれ、だんだんと左脳が活動し始める。
東海社の沿革を調べたり、肉まんの歴史をひもといたり、ナマケモノの生態を知ったりと。
これは右脳から左脳へのバトンリレーを促してるのではないだろうか。
果たしてそれが真実なのかはわからない。結局のところ自己満足だし。
この行為が有益なのか、カプコン社が拾ってくれて、メディアが売れて初めてわかる。
だからせめて、無理やり家族に見せて「カッコいいねー」と言わせる。
「無意味」に新しい意味が加わる瞬間である。
それが図らずして家族のコミュニケーションにもなる。
おかげさまで、今朝の食卓には肉まんが並んだ。
■あっぷりへんしょん ~ボスキャラづくりは脳トレになるかもしれない~
ボスキャラづくりはきっと脳トレにも役立つ。そんな気がした。