あっぷりノート

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楽曲のリリースにあたってライナーノーツを書く

制作発表会について考えるだの、云ってたこともありましたが、それと同じようにCDをリリースしたときの「ライナーノーツ」も考えとかないと、と思って実践してみました。
 
…いやいや、妄想ではなく事前準備と云ってくださいな。
 
 

▼ライナーノーツとは 

ライナーノーツliner notes)またはライナーノートとは、音楽レコードや音楽CDジャケットに付属している冊子等に書かれる解説文をいう。通常はアーティスト本人ではなく音楽ライターやレコーディング関係者などによって執筆される」(Wikipediaより)
 
洋楽CDなんかで良くある、楽曲に付属する「アーティストや楽曲の解説文」や「曲に対する思い入れ」等を綴ったものですね。
 
今回は後者の「思い入れ」を叫んでみたいと思います。
 
ちなみに今回のリリース曲はこれ↓
 
ProteusAnguinus ~洞穴に潜む者~
 
 
作曲者本人が書くことは少ないようですが、そんなことないですよね?結構目にしますよ、本人による「セルフライナーノーツ」。
 
てことで、私も《Proteus Anguinus》のセルフライナーノーツを書いてみました。
 
 

▼やりづらいのでインタビュー形式で

―― 新曲リリースおめでとうございます。
 
ありがとうございます。
 
 
―― まずはじめに。曲名「Proteus Anguinus」とはどんな意味ですか?
 
『ホライモリ』の学名です。「プロテウス・アンギヌス」…かっこ良くないですか?
 
 
―― 中2ぽいですね。何、ホライモリて?
 
「洞穴に潜んでいる両生類」をテーマに書きたかったんです。そこで「ホライモリ」をイメージして作りました。俊敏に、光を避けて、ていうような生態なんでしょうか。欧州に生息してることもあってなかなか実物はお目にかかれないので、写真(下図)をみながら動く様子を想像しましたよ。
 

f:id:you_key69:20070410094241j:plain

 
 
―― 「洞穴に潜む両生類」って?(アホじゃないの笑)そもそもなぜこんな曲を書こうと思っちゃったんですか?
 
どっちが先か自分でもよく分かっていないんですが、もともとゲーム音楽とシンフォニックメタルが好きで、シンフォニックメタルをフィーチャーしたゲーム音楽を作りたいっていう野望が昔からありました。
 
ただ、メタル好きのせいか、どうしても落ち着きのないバトル曲とか、焦燥感や緊迫感に駆り立てられるような曲ばかりが浮かんできて、なかなか落ち着きのある曲っていうのが作れずにいたんです。
 
でもゲーム音楽をやるならもっとジャンルの幅を広げていかないと通用しないな、と。
 
そこでまず洞窟で流れるBGMを作ってみようと決めました。洞窟で遭遇するモンスターがいれば、今まで作ったバトル系のBGMが続けて使えるんじゃないかという単純な動機で。
 
 
―― ほう(アホのわりには考えたのね)。どうやって克服したんですか?
 
キラークエスチョンですね、それ。「苦手はフレームワークで克服する」という持論があるので、フレームワークに頼って。『フレームワーク作曲法』を主宰する者としては格好の題材だと思いました。
 
作り方はシンプルに、植松先生の作るダンジョン曲をお手本にして。例えば、Final Fantasyのダンジョン曲って「恐ろしい」とか「不気味な」っていう雰囲気じゃなくて、どちらかというと「神秘的で」「繊細な」イメージのほうが強く伝わってくるんですけど。それと同じイメージにしたいなって思ってました。
 

Final Fantasy IV OST - Into the Darkness ~ Mist ...
 
 
 
―― (何を熱くなってんだか…)苦労はしましたか?
 
そりゃあもう。「神秘的」で「繊細」なんて私の辞書にないキーワードでしたから。だからお手本からとことん継承してやりました。ハープのアルペジオに、木管とストリングスのアンサンブル。3拍子のうえ、マイナースケールのテンションコードなんかは使い慣れてないからちょっと緊張しましたよ。これ大丈夫なのかな、合ってるのかな?って。
 
でも、その分できたときの喜びは一入(ひとしお)でしたね。作曲者も冒険家なんだなって思いました。セシルやバッツと一緒ですね。
 
 
―― (…今、若干スベったよね?)最後に。まさかいないとは思いますが、ファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。
 
まずこのブログ読んでくださってる方の中から更にここまで我慢して読み進めて下さった方、というと世の中に3人くらいしかいないと思いますが…ありがとうございます。
 
ゆくゆくリリース予定のコンピレーション・アルバム《かえるの変奏曲》が完成した暁には、まず今読んでくれてるその3名様に無料で差し上げちゃいますよ。だから「読んだよー」っていう証跡は残しといてね。
 
この《 Proteus Anguinus 》は私の野望のほんの一片ですので、続きは一緒に実現できたらと思います。
 
今後ともいっそうのご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます!
 
 

▼編集後記

以上、自作自演のライナーノーツでした。
 
インタビュー形式ってのがまた気分を高揚させますね。まるで自分が有名人になったみたいな錯覚に陥らせてくれます。でも安心してください。自覚あるんで。「オレ、大器晩成だから」っていう…
 
それはさて置き、ライナーノーツって本来評論家とか音楽ライターの方々が書いてくれるものですよね。
 
ちゃんと誰か書いてくれないかなあ。こういうのって自分で依頼するの?
 
受けてくれるかなあ、Masa-Ito